2019年4月3日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米ドル/円は本日3日(水)から始まる米中通商協議についてフィナンシャルタイムズが「最終合意に近づいている」と報道したことで111円ミドルまで上昇。200日移動平均線の差し掛かる111.50円付近で上値は抑えられたが、ここを明確に上抜けるともう一段上のレンジに上がっていきそうだ。また、連日ヘッドラインに振らされるポンドはメイ英首相がEU離脱交渉期限の延長を要請することを明らかにしたことで対ドルは1.315ドル、対円でも146.5円付近まで上昇している。加えて、メイ英首相は野党労働党のコービン党首と協議する意向も表明し、それに応えるようにコービン党首も前向きな姿勢を示したことからこのままEU離脱案合意となるかに注目が集まっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

新年度に入り、米ドル/円は上昇しているが、その背景には強い米経済指標がある。今週初め1日(月)に発表された小売売上高は前月分が+0.2%から+0.7%に上方修正され、ISM製造業PMIも予想の54.5を大きく上回る55.3に上昇している。パウエルFRB議長は今後の利上げについて米経済指標次第としているため、現在のハト派スタンスを修正してくる可能性もあるだろう。本日3日(水)夜も21時15分にADP全国雇用者数、23時00分にISM非製造業景況指数と米重要指標が予定されており、ポジティブな結果には素直に反応するかもしれない。ブレグジット関連は、メイ英首相は労働党と一本化できるEU離脱案の協議に入る考えを示しており、ポジティブな状況だ。もちろん協議がうまくいなかければ「合意なき離脱」が意識され、再び梯子を外されるわけだが、そのリスクをとる価値はありそうだ。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。