国を挙げて推進されている今話題の「キャッシュレス決済」。各企業が競い合って決済サービスを展開しており、利用者にとってもどんどん便利なサービスになってきています。

しかし近年、クレジットカードやデビットカードだけでなく電子マネーや仮想通貨、さらにはQRコードなど、キャッシュレス決済の選択肢がとても多くなってきており、よくわからなくて使いこなせないという人も。ここでは、「そもそもキャッシュレス決済って何?」という方にもわかりやすいように基礎知識を解説します。

キャッシュレス決済とは

キャッシュレス決済,種類,決済方法
(画像=PIXTA)

キャッシュレスとは、現金を使わない支払い決済のこと。クレジットカードやデビットカードに加え、最近では電子マネーやスマホ決済も普及してきました。海外に比べると日本はまだまだ現金主義の文化が根強くありましたが、スマホ市場の拡大や国の政策にともなって近年キャッシュレス化がどんどん進んでいます。

キャッシュレス決済のメリット

スムーズな会計

キャッシュレス決済が一般的になれば、極端な話、現金を持ち歩く必要がなくなります。カードやスマホさえ持っていれば、レジの読み取り機器にかざしたりQRコードを読み取ったりするだけで決済が完了するので、難しい操作もなく簡単に支払いを済ませることができます。すでに大手コンビニチェーンやスーパー、百貨店、飲食店、さらにはバスや電車、飛行機などの交通系決済もキャッシュレスに対応しています。

個人送金もスマートに

例えば、飲食店での割り勘や、複数人でプレゼントを購入するときの立て替えなど、今後は電子マネーでの個人間送金が主流となるでしょう。KyashやLINE Payなど、個人送金に対応した決済アプリを使えば、現金に触れることなくその場で個人間の送金が可能です。

送金手数料は無料のものが多いものの、アプリによっては現金化する際に手数料がかかります。しかし、そもそも現金化の必要がなければ、そのまま電子マネーとして活用することもできるので、それほど不便ではありません。現金では意外と手間がかかる割り勘も、アプリならQRコードを読むだけでスムーズに送金でき、例えば家族への仕送りなども、振込手数料や時間をかけずにお金を受け渡すことが可能です。

ポイ活に有効

キャッシュレス決済を利用することで、ポイントを効率よく貯めることができるケースがあります。例えば、ローソンで楽天ペイを使うと、楽天スーパーポイントだけでなくPontaポイントやdポイントまで同時に貯められるなど、現金決済より還元率がよくなるというメリットがあります。

キャッシュレス決済のデメリット

まだまだ小売店などキャッシュレスに対応していない店舗もあり、多少は現金を持っていた方が無難でしょう。また、キャッシュレス決済の多くは事前に銀行口座を登録しますが、即時決済の場合、当然ながら残高がなければ支払いができません。

また、最近では各社こぞって決済サービスをリリースしていることから、複数の決済方法を知って対応店舗によって使い分ける必要があるなどのデメリットが挙げられます。キャッシュレス決済を利用するときは、頻繁に行く店舗が対応しているかどうかを検討材料にしましょう。

キャッシュレスの決済方法は3種類

前払い方式

プリペイドとも呼ばれ、SuicaやPASMO、nanacoなどに代表されます。チャージされた金額分しか使えないため、事前に支払額をセーブできます。いちいちチャージするのは面倒という方には、クレジットカードと連動させることで自動チャージできるサービスもあり、残高不足を避けることができます。

後払い方式

ポストペイとも呼ばれ、いわゆる通常のクレジットカードのような「後払い」のことです。1ヵ月分の利用額をまとめて支払う携帯電話会社の「キャリア決済」などもポストペイのひとつ。商品購入後にコンビニや振込用紙で支払うものや分割払いなどもすべて含まれます。

即時支払い方式

リアルタイムペイメントといわれ、デビットカードのように決済時にすぐ銀行口座から引き落とされるものを指します。わざわざ銀行やATMで現金を引き出さなくても、ダイレクトに口座から支払える利便性がありますが、銀行口座に残高がない場合は当然ながら決済できません。

最近増えているスマホ決済やQRコード決済は、サービス内容や運営会社によって前払い、即時払い、後払いに分かれるので事前にチェックしましょう。

キャッシュレス決済の今後の見通し

海外だけでなく国内でも、キャッシュレス決済専用コンビニが普及し始めていますが、「なんとなく躊躇する」「本当に支払えるのかな……」と不安が先立ち、結局現金払いを選ぶ人も多くいます。

そんな状況を鑑みて、経済産業省では「キャッシュレス・ビジョン」という形でキャッシュレスの普及を後押ししています。さらに「未来投資戦略2017」では、2016年時点で20%しかなかったキャッシュレス決済比率を、2027年までに2倍まで上昇させる目標を掲げており、世の中の動きとしては個人消費者向けにとどまらず企業間同士のキャッシュレス化も進み始めています。

まずは使ってみることから始めよう

Suicaが普及したときと同じように、キャッシュレス決済は一度利用してみればとても便利なので一気に広がる可能性を秘めています。コンビニでお茶を買いたいときも、わざわざ小銭を出す必要もなくスマホをピッとかざすだけなので、操作もとても簡単。まずはよく行く飲食店やコンビニで、試しに使ってみるとその利便性をより実感できるでしょう。

文・木村茉衣(ファイナンシャルプランナー)/fuelle

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