顧客が重要視するのはファイナンシャル・アドバイザーの評価ではなく会社の評判だ
Broadridgeの調査によると、ジェネレーションX世代の顧客の半数は退職したアドバイザーに従うのではなく、顧問会社に留まるという。
投資家はアドバイザーからの実践的なアドバイスを受けながら、より友好的なコミュニケーションを望んでいることが、アドバイザー・マーケティングなどのサービスを提供している「Broadridge Financial Solutions」の調査で明らかになった。
どの世代の投資家も高度に個別化されたユーザーエクスペリエンスや顧客中心のカスタマイズなどに慣れてきている。したがって、ファイナンシャル・アドバイザーが顧客の資産を奪い合いために、より興味を引くように適応する必要があるという。
この調査は現在ファイナンシャル・アドバイザーを利用している502人を対象に、市場調査会社「Engine」が3月に実施した調査に基づいている。現在のアドバイザーには、これまでにない情報提供能力と顧客からの依頼があるという調査結果が出ている。
ミレニアル世代の10人中9人、またジェネレーションXの回答者の5人中3人が、1つ以上のソーシャルメディアプラットフォーム上でファイナンシャル・アドバイザーをフォローしていると回答した。アドバイザーとクライアントとの関わりにおいてFacebookは、ミレニアル世代の61%、ジェネレーションX世代の38%、ベビーブーム世代の19%に好まれている。
またこの調査では、アドバイザーが顧客との関係を強化するために、顧客に配布するコンテンツを見直す機会があることも示された。
回答者の53%が投資家とのコミュニケーションを「個人的な関係がある」と回答した。しかし「魅力的である」と答えたのは10人中4人未満であり「実用的だ」と答えたのは10人中3人未満だった。
Broadridgeのグローバル・クライアント・ソリューション担当責任者であるChris Perry氏は、Securities Industry and Financial Markets AssociationのPrivate Client Conferenceで次のように述べている。「技術が顧客体験を変えた結果、投資家は業界や顧客の関係にかかわらず、フィナンシャル・アドバイザーにある種のサービスと高いレベルを期待するようになった」
「投資家はソーシャルネットワーク上でアドバイザーと交流したいと明らかに考えており、それは質が高く、魅力的で実践的な財務アドバイスを求めている。アドバイザーがよりパーソナライズされたコミュニケーションと経験を顧客に高いレベルで提供しなければならない」と続けた。
Broadridgeの調査によると、ミレニアル世代の38%がアドバイザーとのやり取りにスマートフォンを主なデバイスとして使用しており、ジェネレーションX世代の21%、ベビーブーム世代の7%に比べて多い。やり取りを紙媒体であることが多いのは、ベビーブーム世代は37%、ジェネレーションX世代では22%、ミレニアル世代ではわずか10%だった。
この調査結果は、「クライアントが会社を辞めるファイナンシャル・アドバイザーに必ず従うという長年の業界理念に反している」ように見えた。ジェネレーションX世代の顧客の47%は、アドバイザーが他の会社び異動したかどうかにかかわらず、契約している現在の会社と継続すると答えた。また、ベビーブーム世代では39%、ミレニアル世代では33%だった。
今日の世界では会社のブランドと顧客体験が重要である。ジェネレーションX世代の47%とミレニアル世代の42%が、企業内の個人アドバイザーの評価よりもアドバイザー企業の評判の方が、ファイナンシャル・アドバイザーと一緒に仕事をする決断に影響を与えていると述べた。
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