iDeCo(イデコ)は開設する金融機関によって手数料、取扱商品、サービスなどに差がある。今回は日本の3大銀行(メガバンク)を比較した。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の特徴をそれぞれ見てみよう。(※2019年4月時点)

三菱UFJ銀行のiDeCo(イデコ)――「標準コース」と「ライトコース」の2つのコースを用意

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(画像=Song_about_summer/Shutterstock.com)

商品が豊富な「標準コース」とシンプルで口座維持費が安い「ライトコース」から選べる

「標準コース」は利用者のニーズを満たすため、商品ラインアップが豊富であることが特徴だ。元本確保型商品は7種類(定期預金3種類、利率保証型積立保険4種類)、元本確保型以外の商品(投資信託)は17種類、合計24種類の商品から選べる。

手数料は初回手続き手数料が2,777円、毎月かかる口座管理費は545円(年間6,540円)。標準コースの手数料は他の金融機関に比べるとやや割高と言える。

「ライトコース」は商品本数を絞ったシンプルなコースで、利用者が商品選びで過度に迷うことがないのが特徴。元本確保型商品は2種類(定期預金1種類、利率保証型積立保険1種類)、元本確保型以外の商品(投資信託)は8種類、合計10種類の商品から選べる。投資信託すべてに信託報酬が比較的低い(0.5%前後)「eMAXISシリーズ」が採用されている。

初回手続手数料の2,777円は「標準コース」と共通だが、毎月かかる口座管理費は422円(年間5,064円)と、「標準コース」に比べると毎月123円安い。

コースの切り替えは可能だが中途解約手数料がかかることも

標準コース、ライトコースは加入後にコース変更ができ手数料も無料だ。ただしコース変更の際は保有している商品を1度すべて売却したうえで、改めて新しい商品を買い付ける必要がある。運用商品によっては中途解約手数料がかかるので注意したい。

三菱UFJ銀行ではiDeCo(イデコ)専用のコールセンターを用意し、12/31~1/3を除く、平日・土日祝の9:00~20:00の時間帯で問い合わせを受け付けている。

三井住友銀行のiDeCo(イデコ)――運用商品の豊富さと充実したサポートが特徴

定期預金2種、投資信託23種の合計25種類もの豊富な商品

三井住友銀行のiDeCoは、元本確保型商品(定期預金)は2種類、元本確保型以外の商品(投資信託)は23種類、合計25種類の商品の中から選択できる。

株や債券など複数資産を組み合わせたバランス型投資信託や、信託報酬が低めのインデックスファンドなど、幅広い商品が用意されている。マーケットや自分の投資スタンスに合わせた商品選択が可能だ。

手数料は初回手続手数料が2,777円、毎月かかる口座管理費は422円/月(年間5,064円)。

三つ星評価の充実したサポート

三井住友銀行のインターネット・コールセンターサポートは、外部評価において最高評価の三つ星を獲得していて、充実したサポートが期待できる。

インターネットサイトでは資産残高や評価損益の確認はもちろん、商品ウォッチ(商品の実績確認)、メール配信サービス(マーケットアラートなど)、読み物やシミュレーションなどコンテンツが充実している。

みずほ銀行のiDeCo(イデコ)――信託報酬が低い投資信託が多く手厚いサポート

信託報酬が低い「たわらノーロード」を多数用意

みずほ銀行のiDeCoは、元本確保型商品を1種類(定期預金1種類)、元本確保型以外の商品(投資信託)14種類、合計15種類の商品の中から選択できる。

ラインアップされている投資信託の投資対象はバランス型、株式、債券、リートと多岐にわたるが、ほとんどのカテゴリーで「たわらノーロード」という信託報酬が低い(0.1512%~0.5400%)ファンドが採用されている。

手数料は初回手続手数料が2,777円で、毎月かかる口座管理費は基本422円(年間5,064円)。ただし一定の条件を満たすことで口座管理費を月167円(年間2,004円)に引き下げることができる。

一定の条件とは以下のAとBの条件のいずれかを満たすことだ。

・「条件A」……iDeCo残高または掛金累計額が50万円以上
・「条件B」……掛金1万円(月額)以上、iDeCo専用ウェブサイトにてメールアドレス登録、「SMART FOLIO (資産運用ロボアド)」にて目標金額登録の3点すべてを満たす

コールセンターやインターネット、書面でサポート

みずほ銀行のコールセンターも外部評価で最高評価の三つ星を獲得していて、しっかりとしたサポートが期待できる。またインターネットでも最新の運用状況確認、配分変更、スイッチングの手続き、運用商品の最新実績の確認などがいつでもできる。

そのほか書面でも定期的に取引状況のお知らせが届くので、運用状況がどうなっているのかが把握しやすい。

iDeCo(イデコ)三大銀行の主要項目を比較

各銀行のiDeCo(イデコ)の主要項目をまとめたので、比較、検討する際の参考にしてもらいたい。

銀行名 三菱UFJ銀行 三井住友銀行 みずほ銀行
  標準コース ライトコース    
商品数 24種類 10種類 25種類 15種類
初回手続手数料 2,777円
口座管理費(月額) 545円 422円 422円 422円
(条件を満たした場合)167円
特色 商品数が豊富だが口座管理費がやや割高 商品数は少ないが信託報酬が比較的低い「eMAXISシリーズ」を多く採用 商品数は多めでサポートが充実 条件を満たすと手数料が割安。信託報酬が比較的低い「たわらノーロード」を多く採用

※各銀行のホームページを基に著者が作成

iDeCo(イデコ)を銀行で始める場合は主要項目を比較しよう

iDeCoは老後資金を備えるための制度で運用期間は長期間にわたるため、毎月のわずかな手数料の差がだんだん積み重なって大きくなってしまう。金融機関を選ぶうえで重視したい点に優先順位をつけ、比較しながら探すと良い金融機関に巡り合えるだろう。

文・春美 悠(ファイナンシャル・プランナー)/MONEY TIMES

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