2019年5月8日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

トランプ米大統領の対中関税発言を受けてマーケットはリスクオフ一色。米ドル/円も1カ月半ぶりに110円を割れる展開となっている。米中通商協議は明日9日(木)からワシントンで閣僚級協議が行われ、中国側は劉副首相が対中関税の撤回に向けて交渉に臨むことになる。しかし、トランプ米大統領は、米中通商協議が合意に至らなかった場合、明後日10日(金)に2000億ドルの輸入品に対して対中制裁関税を10%から25%に引き上げると警告しており、予断を許さない状況だ。また、トルコではイスタンブール市長選のやり直しが決まり、不透明感からトルコリラ/円は18円の大台を割れて安値を更新するなどトルコ発のリスクオフにも警戒しておきたい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

トランプ米大統領がどこまで本気なのか全くわからないだけに、マーケットはどうしても最悪のシナリオを織り込みにいかなくてはならない。VIX恐怖指数も急上昇しており、節目の20に接近するなど、リスク資産が安全な通貨に向かいやすく、円高を想定しておく必要がありそうだ。テクニカルな観点から考えても一目均衡表の雲下限を割れたことで地合いは弱く、あしもとでは3月25日安値109.71円がターゲットとなる。仮に同水準を割り込むと節目の109円まで大きなサポートが見当たらないだけに注意したい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。