不動産を買う目的は、自宅用や相続対策、投資やビジネスなどさまざまです。いずれにしても、ロケーションは最も重要な要素の一つです。特に賃貸用の場合、今後、世帯数が増えていく地域にある物件がおすすめです。その見込みがある場所をデータとともに紹介します。

世帯数が増える地域は家賃も価格も上がりやすい

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(写真=KPG_Payless/Shutterstock.com)

なぜ世帯数が増えている地域に不動産を買うといいのか。それは、不動産が文字どおり「動かせない資産」だからです。

不動産投資では、「賃貸需要」が成功の鍵を握ります。将来受け取ることができる家賃は、賃貸需要の影響を受けるからです。もう一つの要素として「不動産価格」の上昇がありますが、これは地域における平均的な利回りの影響を受けます。利回りは賃貸需要の影響を受けるので、結局はどれだけ賃貸需要が増えるかが最も重要なポイントと言えます。

相続税対策のアパート・マンション経営でも、賃貸需要という視点は欠かせません。相続税を節税できても、運営で赤字が出れば効果が半減してしまいます。

賃貸需要が下落している地域に不動産を買うと、そこから挽回することはなかなか難しいものです。

では、今後、賃貸需要が期待できる地域をどうやって見極めるのでしょうか。それは、世帯数の動向を見ることです。その地域に住む世帯が増えるということは、アパートやマンションを借りたい人が増えるということです。そうなると退去者が出ても部屋がすぐに埋まりやすいので、家賃も下がりにくくなります。

不動産を買って得をしたい(あるいは損をしたくない)人は、世帯数が増える地域に狙いを定めることをおすすめします。

世界有数の都市・東京は2位。1位は南国のあの県

国立社会保障・人口問題研究所は、不定期で都道府県別の将来世帯数予測を発表しています。年齢別の人口や性別などから推測した精度の高いデータです。この2014年版の上位のランキングを紹介します。

2010年から2035年にかけて世帯数が増加すると予想されているのは、全国で6都県のみです。

6位は0.2%の増加が予想されている埼玉県。やはり最大の都市である東京に隣接していることが大きいようです。5位は2.6%増の愛知県。三大都市の一つである名古屋市を擁する元気な地域です。

同率3位は3.5%増、首都圏である神奈川県はわかりますが、滋賀県がここに入ったのは意外です。僅差の2位は3.6%増の東京都です。世界に誇る大都市の貫禄といったところでしょう。

1位は、13.5%増と他を大きく引き離した沖縄県です。

沖縄ってどんなところ?

沖縄の世帯数が大きく増加すると予想される理由は、高い出生率にあります。2016年沖縄県の合計特殊出生率は1.95。2位の宮崎県・長崎県の1.71を大きく引き離しています。

他にも沖縄には投資対象としての魅力があります。日本銀行が調査しているD.Iという景況判断の指標は、2012年以降、2018年現在までずっと全国平均を上回っています。

物件価格も比較的割安です。2017年の地価は、沖縄県で最も高い那覇市が1平方メートルあたり平均15万7,400円。他の地方に比べると高いほうですが、東京都の平均は19万8,600円。将来性のある地域としては手がつけやすいと言えます。

データをひもといて投資対象を考える

不動産の将来価値を決める要因の中で、地域の世帯数は非常に重要です。全国で最も期待できるのは沖縄県で、価格もまだ割安、景気も好調です。このように、さまざまなデータを参照してみることは、有望な投資対象を探す一助となるでしょう。(提供:相続MEMO

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