金利が低下すると、配当株を持つメリットが高まる。これは、低金利下では国債や銀行の普通預金口座などのいわゆる安全資産から得られるリターンがほぼ皆無になるためだ。

FRBは利上げ停止に加え、次の一手として利下げを示唆している。株主還元を重視した高配当銘柄をポートフォリオに加えるには良いタイミングかもしれない。

この記事では、この戦略にフィットする原油大手2銘柄を検討する。

1. ロイヤル・ダッチ・シェル

ロイヤル・ダッチ・シェル(NYSE:RDSa)は原油銘柄の中でも高額の配当金で知られる。

同社は四半期に1株あたり0.94ドルの配当金を支払っており、配当利回りは年率6%に達している。

7日は64.48ドルで終値を迎え、5日続伸となった。株価は今年10.66%の上昇となっている。

Shell price chart
(画像=Investing.com)

同社は4日に経営方針を発表し、今後のさらなる増収見通しを示した。

過去4年間で配当利回りは据え置かれてきたが、今後引き上げられる可能性も出てきた。

同社は2021年から2025年の間に1250億ドルを配当や自社株買いに投入する準備があるという。

同社の昨年の年間配当額は160億ドル、年間の自社株買いは100億ドル以下であった。

しかし原油安が今後も続くのであれば、この見通しは楽観的なものになるだろう。

2014年に起きた原油急落や2016年のBGグループ買収で抱えることになった多額の負債により、同株は一時低迷していた。

以来、シェルは積極的に負債を返済し、投資家へのリターンを優先してきた。

シェルは今回の原油安には十分対応しうると考えられる。負債返済戦略として300億ドル相当の資産売却準備があるためだ。

2. エクソン・モービル

エクソン・モービル(NYSE:XOM)も高配当な原油銘柄の一つだ。

過去3カ月で8%下落したのち、同銘柄の配当利回りは4.7%となっている。これは過去5年平均の3.5%を大きく上回っている。

四半期配当は1株あたり0.87ドルで、配当利回りは過去5年で5%以上上昇している。

原油セクターにおける高いボラティリティにも関わらず、エクソンは30年以上にわたり増配を続けている。

これは同社の堅調なバランスシートと株主への高配当を可能にする地力を裏付けている。

7日の終値は前日比0.36%高の74.58ドルで、年初来では9.37%高となっている。

Exxon Mobil price chart
(画像=Investing.com)

エクソンは操業規模が大きく資産分散も多岐に及んでおり、エネルギー市場の低迷にも十分耐える底力を有していると言える。

原油上流工程、下流工程、そして化学産業にわたる寡占的なポジションにより同社の収益性は確保されている。よって不況や下落する原油相場の下でもパフォーマンスを発揮するだろう。

総括

長期投資家にとって両銘柄は異なったメリットを有している。

原油価格上昇に賭けるならば、シェルの高配当は一考の価値がある。特に同社のバランスシート改善の努力は実を結んでいる。

今後原油価格が回復すればシェルは堅調なキャッシュフローを生み、増配も期待できるだろう。

一方でエクソンの配当利回りはそこまで高くないが、同社は優良な原油事業者だ。

同社のバランスシートや配当率は堅調で、成長戦略も実施している。

安定収入を求める長期投資家にはどちらの銘柄もお勧めだ。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル