近年、AI(人工知能)は様々な産業で存在感を増している。金融セクターも例外ではなく、ウォール街の市場関係者からは「そう遠くないうちに、AIなしに金融機関が生き残るのは難しい時代が到来する」との声も聞かれる。たとえば、ロボアドバイザー(以下、ロボアド)はデジタル技術を駆使した運用マネジメントとして多くの金融機関が提供しており「もはや当たり前のサービスとなりつつある」(同)といっても過言ではない。
ちなみに、調査会社のアイテグループによると、ロボアドの資産運用残高は4年後の2023年に1兆2620億ドル(約137兆円)になると予測している。2013年には30億ドルに過ぎなかったロボアドの資産運用残高は約10年で420倍になる計算だ。さらに後段で述べる通り、ロボアドの普及には富裕層の「資産の大移動」も影響するとの見立てもある。
今回はウォール街でも存在感を増すロボアドの最新事情をリポートしたい。