サムスンに対抗する作戦とは
サムスンは、現在主力のスマートフォン事業が不振に陥っています。中国の競合メーカーの台頭により売上が落ち込み、同時に韓国のウォン高という事も影響を与えているようです。
サムスンは、先行してテレビの有機ELディスプレイの計画を進めてきましたが、生産コストがかかるため、専用パネルの量産ラインを2014年中に設置する計画を中止。去年は、小規模な生産ラインをひき、米国や自国へ投入したようですが、売上は振るわなかったようで、有機ELテレビに対する投資も中止する予定です。
有機ELディスプレイは、生産コストがかかるため、どうしても製品自体が高額になってしまう事がネックです。サムスンが低価格での有機ディスプレイを発売してくれば競合相手になる可能性はありますが、今のところ、サムスンの事業悪化と有機ELの生産コストを考えると、JOLEDに勝算はあるとも読めます。
新会社の戦略とは
JOLEDには、各社の得意分野、技術を活かした世界に負けない製品の開発に、大いに期待したいところです。今後の戦略としては、さらなる軽量化、薄型化が求められる製品を中心に新規製品市場を開拓していく予定との事です。中型以上のノートPCやタブレットや、軽量化、薄型化に加えて曲面性が求められる電子広告看板(サイネージ)、そして、有機ディスプレイが活きるアプリケーション製品等も考えているようです。
また将来的には、フレキシブルディスプレイ技術を活用して、ディスプレイパネルの更なる軽量化、形成加工、耐久性向上を目指すとも発表しています。INCJより支援をうけて、3社の知恵と技術が結集した会社ですが、原材料のコストを抑え、どこまで低価格で販売できるかが成功するカギとなるのではないでしょうか?過去に何度もコスト面で断念している製品です。ぜひとも低価格で画期的な商品に期待しましょう。
Photo from
有機エレクトロルミネッセンス
via
Wikipedia cc