7月31日、FRB(米連邦準備理事会)はFOMC(米連邦公開市場委員会)において10年半ぶりとなる利下げを決定した。FRBの「7月利下げ」はかねてより想定されていたが、ウォール街の市場関係者からは好景気下の利下げを疑問視する声のほか、「通貨切り下げ戦争」を危惧する意見も聞かれる。実際、新興国ではFRBの「7月利下げ」を見越した先行利下げが実施されたほか、スイスでもスイスフランの売り介入が実施されたとの観測が広がるなど前哨戦と見られる動きも見られる。さらにトランプ米大統領は6月にECB(欧州中央銀行)が金融緩和を示唆した際に「ユーロや他の通貨は対ドルで価値を切り下げ、米国を不利な状況に陥れている」とツイッターで批判している。

今回は米国を中心とした「通貨切り下げ戦争」を巡る動きをリポートしたい。

FRB,利下げ
(画像=VictoriaShapiro / shutterstock, ZUU online)