訪日外国人の増加に伴い、インバウンド向けビジネスも勢いを増し続けています。その中で最近注目を集めているものが、外国人向けの外貨両替機です。駐車場やホテル・ショッピングモールなどに設置する外貨両替機は、高い利率と集客効果をあわせ持つ投資対象となる可能性を秘めています。本稿では、外貨両替機の概要やメリット、将来性などについて解説します。
増加の一途をたどるインバウンド層
観光庁の発表によると2013年の訪日外国人旅行者数は1,036万人でした。一方、5年後となる2018年は3,119万人と3倍以上にも増えていることが分かります。このように訪日外国人旅行者は増加傾向です。また外国人旅行者が増えていることに伴い、宿泊施設や物産、交通などもにわかに活性化しつつあり、近年では外貨両替機がビジネスとして注目を浴びつつあります。
外貨両替機とは
海外旅行をした人であれば外貨両替機を目にしたことがあるのではないでしょうか。外貨両替機は銀行ATMのような機体であり、空港などの外貨両替を求める人が多い場所に設置されています。メンテナンスや集金などは業者が行ってくれるため、外貨両替機の設置後は、基本的にはほとんど手間がありません。
外貨両替機は自動販売機で想像すると分かりやすい面があります。飲み物のかわりに外国人の両替がニーズの大部分を占めているため、立地選びが決め手とも言えそうです。
外貨両替機の設置には複数のメリットが
外国人観光客の急増に伴い、観光地などでも外貨両替機を目にするようになってきました。そのほかでは駅などの交通アクセスの多いところや、アウトレットモールのような観光客からの需要が発生するところ、またホテルのように旅の拠点となるところなどでも見かけるようになってきています。
外貨両替機の役割は当然のことながら、外国人旅行者が両替をすることです。しかし同時に外貨両替機があることで外国人旅行者をそのスポットに呼び込むことにもつながるため、地域の活性化や物件の売上向上などへの後押しが期待できます。
ビジネスとしての新しい展望
外国を旅行してみると分かりますが、外貨両替は店舗と機械のどちらでも場所ごとに手数料が異なります。仮に外貨両替機の価格が400万円、最初に両替のための資金が300万円で合計700万円かかったとしましょう。シミュレーションとして1日の両替金が50万円で、両替手数料を4%と設定すると、1日の売上は2万円となります。これが1年続けば2万円×365日で、年あたりの売上は約730万円です。
もちろん光熱費やメンテナンス料、税金などは発生しますが、単純にそれらを除外して計算すると、約1年で投資費用は回収でき、以降は約730万円の売上が毎年発生してくることになるのです。このように考えると、外貨両替機は将来的に展望のある新しいビジネスであるとも言えるでしょう。
外国人旅行者が大幅に増加する時代だからこそ
上述したように外貨両替機のターゲットは外国人旅行者であり、彼らの両替ニーズがビジネスのコアとなります。このため「外国人旅行者が好むような立地を選ぶことができるか」がビジネスの成否に関わってくるでしょう。今後も政府は外国人旅行者をさらに呼び込むことに注力していくことが期待できるため、需要が増加傾向になることは想像できます。
ただし、懸念されるリスクがあることも見逃せません。両替機は飲み物の自動販売機とは異なり、銀行ATMのように中に大金が入っています。そのため犯罪者による盗難などには注意しておかなければいけません。また、交通機関やコンビニエンスストア、IT企業などは電子マネーに注力しており、今後、外貨そのものの需要が減少するリスクにも配慮しておく必要があります。
競合の少ない今だからこそ
外貨両替機の設置はまだ始まったばかりです。市場そのものとしても未知数であり、競合もまだまだ少ないと言えます。立地が良ければ成果も期待できるため、リスクを十分把握したうえで事業として扱ってみることも検討に値すると言えるでしょう。(提供:Dear Reicious Online)
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