「困ったときの神頼みさ」ウォール街のトレーダーがそう言った。景気後退懸念が広がる中、ウォール街の取材先からはバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)やアメリカン・エクスプレス(アメックス)といった金融セクターに注目する声が聞かれる。背景には米金融当局への四半期毎の届出により、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイのポートフォリオが明らかになったことがある。

バフェット氏と言えば「投資の神様」と呼ばれ、ウォール街でも多くの市場関係者がリスペクトする存在である。果たして、文字通りの「困ったときの神頼み」となるのだろうか? 今回はバフェット氏の最新ポートフォリオとウォール街の反応をお届けしたい。

バンカメは2位、全体の半分が金融セクター

ウォーレンバフェット,ポートフォリオ
(画像=whiteMocca / shutterstock, ZUU online)

まず、今年6月末時点でのバークシャー・ハサウェイのポートフォリオに占める上位10銘柄を見てみよう。

1位 アップル
2位 バンク・オブ・アメリカ
3位 コカ・コーラ
4位 ウェルズ・ファーゴ
5位 アメリカン・エクスプレス
6位 クラフト・ハインツ
7位 USバンコープ
8位 JPモルガン・チェース
9位 ムーディーズ
10位 デルタ航空

バークシャー・ハサウェイのポートフォリオは全47銘柄で構成されるが、1位のアップルだけで全体の約4分の1、上位10銘柄では約80%をそれぞれ占めている。また、セクター別で見ると、金融が全体のほぼ半分を占めている。上位10銘柄中、実に6銘柄が金融サービス銘柄でその筆頭に立つのがバンカメである。ちなみに、11位にはゴールドマン・サックス、12位にはバンク・オブ・ニューヨーク・メロンが続いており、ウォール街の市場関係者からは「金融株で構成したポートフォリオの中に例外的にアップルやコカ・コーラ、デルタ航空が含まれていると言ってもおかしくはない」とも指摘される。

バフェット氏「妥当な価格の非常に良い投資先」

ちなみに、バフェット氏は特定の企業や業種への投資の理由について多くを語らないことでも知られている。そんなバフェット氏の貴重な意見が伝えられたのは今年2月のことだった。