競合他社にはない最大の強みは「営業力」
――他の企業がgreenと同様のサービスを始める可能性について、どう考えていますか？
田中 十分にあり得ると思いますし、すでに競合はいます。ただ、オリジナルの健康メニューなどで差別化できていると思います。
――今後の展開としては、どのようなことを考えていますか？
田中 店舗に行くと時間を取られるので、オフィスでランチを食べたいという方のために、今秋からテイクアウトも扱うことにしています。午前11時までにアプリで注文をすれば、売価700円以下のメニューを、割引価格の300～400円でテイクアウトできるようにします。そうなれば、コンビニよりも安くて健康的ですよね。
ですから、いつも行列ができていて、「これ以上、お客様が増えなくてもいい」という飲食店にも、テイクアウトのために加盟していただけるよう、営業をしています。飲食店は、仕込みが終わってオープンする11時から、お客様が増える12時までの間、手が空いているんです。その時間にテイクアウト用の料理を作っていただくことで、店舗の売上げも増えるわけです。
さらに、BtoCのテイクアウトも、サブスクリプションモデルで予定しています。
――事業拡大に伴って、会社の規模も大きくする必要がありますね。
田中 従業員も増やしますし、オフィスも移転します。
――必要としている人材は？
田中 greenを使えるのに使っていない方がいるのが、今の課題の一つです。この課題を解決するために、カスタマーサクセスを強化していきたいと思っています。
また、これからは、キャッシュレス決済や飲食店の営業ツールとしての機能、また、導入企業の従業員同士のコミュニティ機能を追加するなど、プロダクトの開発にさらに力を注ぎたいので、エンジニアも求めています。
それから、やはりこの事業の根幹は営業なので、飛び込みを含めた営業が強い人材がほしいですね。競合が伸びていない大きな理由は、加盟店を開拓する営業力が当社ほどないからだと思います。渋谷にある当社の加盟店は約150店舗ですが、そのうちチェーン店は約30店舗だけで、約120店舗はオーナー店舗。オーナー店舗はテレアポやチラシでは開拓できません。飛び込まないといけない。これができるのが、当社の最大の強みだと思います。
《写真撮影：長谷川博一》
田中勇樹（たなか・ゆうき）
〔株〕togo代表取締役社長
1992年、福岡県生まれ。大学在学中に飲食店を立ち上げ、7店舗まで拡大したが、経営難で手放した経験を持つ。2017年に〔株〕togoを起業。19年2月に社員食堂サービス『green』を開始。(『THE21オンライン』2019年08月07日 公開)
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