2019年9月11日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
マーケットのモメンタムは大きく変わり、リスクオンムードだ。主な要因としては来週の日銀金融政策決定会合で「金融緩和が検討される見通し」との報道を受けて円安に振れている。その他の要因でも米中通商協議の合意期待、中国人民銀行の元安誘導停止、英国の合意なきEU離脱が後退、トランプ政権の強硬派ボルトン大統領補佐官解任などをマーケットは好感している。リスクオンムードのなか、米10年債利回りはあしもと1.4%台から1.7%台まで急上昇しており、リセッションのとして捉えられていた米長短期債の逆イールドも解消されている。そうしたなか、本日11日(水)は26時00分に米10年債入札が予定されており、入札結果での需給動向とその利回り水準に注目したい。
現在の為替相場の戦略やスタンス
チャートを見ると米ドル/円の立ち位置は大きく改善していることがわかる。107.50円付近に差し掛かる75日移動平均線を上抜け、日足の一目均衡表の雲も右肩下がりの形状となっているため、値を保っていれば自然と上抜けてテクニカル的にいい形になるだろう。また、日銀が金融緩和を匂わせているため、来週の日銀金融政策決定会合まではこの材料を追いかける形になる。ただ、トランプ相場でここからロングにするには心理的な抵抗がある。何度か繰り返してきたように現在はリスクオンになっているものの、次はリスクオフの可能性が高く、トランプ米大統領のツイート一つで変わる相場で高値つかみは避けたいところ。また、米ドル/円のショートは今回の上昇でだいぶ切らされポジションが軽くなったため、ここから上に行くにはさらなる燃料投下も必要となるため、上値攻略もそう簡単ではないだろう。
井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。