働く高齢者が増えています。「定年退職後は独立して、やりたいことをやるぞ」と考えている人も多いでしょう。ここでは、飲食店や自宅サロンなどの人気業種と、おすすめ業種の独立プランを紹介します。老後の生活に思いをめぐらせてみてください。
看護師の対人援助スキルを活かせる?飲食店
男女を問わず、飲食店を開きたいという人は多いです。オリジナルのスイーツを取り揃えた、おしゃれなカフェのオーナー。常連さんとの会話を楽しみながら、淹れたてのおいしいコーヒーを味わってもらう。そんな毎日を送れたら、最高ですよね。
どのような業態で何をするかにもよりますが、接客に看護師としての知識やコミュニケーションスキルが活かせるかもしれません。たとえば、健康をテーマにしたオーガニックレストランなどはいかがでしょうか。
飲食店は誰にとってもなじみがあるため、消費者のニーズもある程度わかり、取り組みやすそうな気がするかもしれません。飲食業は宿泊業と並んで、全産業の中で最も開業率が高い業種です。しかし、廃業率もワースト1です。
飲食店を続けることが難しい理由は、重い資金負担にあります。中小企業庁の「中小企業ビジネス支援サイト」によると、開業資金の目安はオーガニックレストランが670万円、バーは765万円、ダイニングカフェが854万円です。
開業資金は、政府系の金融機関や銀行などで融資を受けられるかもしれません。ただし、日々お店を運営しなから、返済資金を捻出していかなければなりません。売上の70~90%が経費として消えていくため、運転資金を確保するだけでも大変です。
もしうまくいかなかったら、老後の生活資金を取り崩さなければならなくなるかもしれません。飲食店を開くのであれば、十分な開業資金を用意しておくべきでしょう。
好きなことを広めていきたい人には自宅サロン
経費を抑えた独立プランの一つに、自宅サロンの経営があります。自宅を会場兼事務所にするので家賃がかからず、人件費や原価などもほとんどかからないので、得意なことや好きなことで開業したい人におすすめです。
人より秀でているものがあれば、何でも構いません。エステサロンやネイルサロンなどの美容系サロン、マッサージやアロマセラピーなどのリラクゼーションサロンのように直接サービスを提供するものや、これらのノウハウを会員に教えたり、刺しゅうや似顔絵などの教室を開いたりすることも考えられます。
ボトルネックになるのは、集客です。腕に覚えがあっても、サロンの存在をお客さんに知ってもらわなければ何も始まりません。友人・知人に伝えるだけでは、限界があるでしょう。高い料金を払って集客コンサルティングを受け、一時的にお客さんが来るようになっても、また集客に苦戦する状態に戻ってしまうケースも少なくありません。
マーケティングの経験があったり、SNSで発信するのが得意だったりしたら、集客はうまくいくかもしれません。そうでなければ、ある程度の収入を得られるまでには時間がかかるでしょう。
お金を数えるのが好きなあなたはオーナー業
定年退職するまで資金を用意でき、スキルを身に付けられるのであれば、独立後軌道に乗りやすいと言えます。しかし、その自信がなくても大丈夫です。所有する資産が収入を生むオーナー業なら、特別な能力がなくてもできます。
収入を生む資産には、マンションなどの不動産、ウェブサイト、コインランドリー、レンタルボックスなどがあります。近い将来、他人が生み出した著作権や特許権などのライセンス収入も一般的になるかもしれません。
最も取り組みやすいのは、新築区分マンションです。フローが確立されており、平均的な収入がある人の多くが、ローンを組んで購入できます。ローン返済額の大部分は家賃収入でまかなえるので、実質的な負担は月々数千円~数万円です。
ローンを返済している期間は、いわば準備期間です。完済してからは家賃収入のほとんどが利益になります。この瞬間が、本格的なオーナー業のスタートです。30代で購入すれば、定年退職する頃には準備完了、つまりローンを完済し、安定した収入を得られるようになるでしょう。
他にやりたいことができた場合にも、マンションを売却して飲食店の開業資金にしたり、サロンの会場にしたりと、柔軟に対応できます。このように、不動産オーナー業は多くの可能性を秘めているのです。
30代のうちに定年後の独立を見すえた準備をしよう
定年後に独立するためのアイデアを3つ挙げました。上記のように、飲食店は数百万円から1,000万円くらいの資金が必要です。自宅サロンは、人にはなかなか真似できないスキルやマーケティング力がなければ難しいでしょう。
これらの能力に自信がなくても、30代で新築区分マンションに投資すれば、60代になる頃には安定した収入を得られるようになります。30代で老後のことを考えるのはまだ早いと思うかも知れませんが、今から準備をしておくに越したことはないのです。(提供:Medi Life)
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