なぜ、目的地として日本を選ぶのか

なぜ、中国人は医療観光の目的地として日本を選ぶのでしょうか。中国の医療レベルが低いこともありますが、海外の中では比較的近く、技術力が高い点が日本を選ぶ理由です。なかでも、がんの予防医療、早期治療を目的としている場合は、日本に行く人が多いとされています。

中国人の性格上、外科手術はあまり好まず、放射線療法や化学療法が人気ですが、日本にはそれらを専門としている医療機関が幾つか存在します。例えば、血液クレンジングと健康診断のため東京の医療機関を訪れた女性の場合、技術力の高さよりサービスに好感を得た模様、外国人に対するVIP待遇が人気の秘訣です。

医療目的の医療観光、特に高度な技術力を求める人、高品質なサービスを受けたい人には日本が人気です。一方、美容目的の医療観光では韓国の方が人気です。

第3国を通してサービスを受ける人も

中国では医療ツアーの計画が認められていない現状、医療ツアーを受ける人は滞在先の国の業者に依頼する必要があります。その際、どうしても言葉の壁が問題になります。中国語でパンフレットが書かれていても内容の正確さに不安が残るのは仕方ありません。

また、その国の医療レベルを過剰に記述している場合もあり、これなら中国で医療を受けた方が良かったことになるリスクもあります。それらの問題点を解決したのが第3国の企業が主催する医療観光です。手続きはインターネット上で可能な上、現地(滞在先)集合のツアーが多く、第3国に足を踏み入れる必要がありません。

香港の業者を通して日本のツアーを受けたある男性は、ガイドが中国語を母国語としている人で良かった。親密に相談にのってくれるし、病院との間も受け持ってくれると好評でした。また、これとは異なりますが、外国を通して中国のツアー(中国医学・薬膳・マッサージ等)を受ける人も意外と存在する様です。

医療レベル自身の高さが要因か?

日本に来る一番の理由は距離的に近い点かもしれませんが、医療レベルの高さもあります。米国と比較して劣る面もありますが、米国人医師は東洋人の身体になれていない人が多いため、本当にがん診療とか心臓病診療とかになると、東洋人の身体の特性を分かっている日本人医師の方が安心です。

日本の医療観光の多くは世界全体を対象にしていますが、中には中国人に特化している医療観光もみられます。米国に比べ、医療費の低さも日本を選ぶメリットです。中国人には反日感情が芽生えていると言われますが、韓国人よりは親日的傾向が見られます。中国人にとって日本は兄弟のような存在かもしれません。