40代女性はさまざまな生活環境の変化が起こりうる時期です。結婚して子供が生まれた方は、仕事と子育ての両立を本格的に考える時期でしょうし、独身のキャリアウーマンは、こらからの自分の将来を真剣に考える時期でしょう。こらからのライフスタイルを考える上で転職はひとつの選択肢になります。40代女性の転職の現状は？転職に有利な資格は？未経験業界への転職は可能？など、今回は40代女性の転職をテーマに考えてみましょう。
40代女性の正社員転職の現状
転職しようかなと思った時、気になるのが他の女性がどんな働き方をしているのかという点です。厚生労働省の「平成28年版働く女性の実情(2016年)」を見てみると今の女性の働き方がイメージできます。
40代女性の4分の3以上は働いている
2016年度の女性の労働力人口は2,883万人に及び、前年と比べて41万人も増加しています。全労働力人口に対する女性の割合は約43％にのぼり、多くの女性が働いていることが分かります。
また、2016年の40代女性の労働力率は、40～44歳で75.7％、45～49歳で78.5％となり、過去最高の割合になっています。この割合を10年前の2006年と比較すると約4％の上昇となりました。
女性の労働力率は、25～29歳をピークに、30歳代はいったん下降し、40歳代になると緩やかに上昇、50歳を超えると急激に下降していきます。40代は、結婚、出産、育児が一段落した時期でもあり、このタイミングで仕事を再開する人が多いようです。
女性の正社員の割合は4割強
役員を除く女性雇用者総数に対する正社員の割合は44.1％、非正規社員の割合は55.9％でした。また、非正規社員の内訳は、パート・アルバイト43.9％、派遣社員3.2％、契約社員・嘱託7.2％、その他1.6％となっています。
この割合からも、しっかり働く働き方として正社員を選択する人が多いことが見てとれます。女性の正社員は1,078万人にのぼり、前年に比べ3.4％アップの35万人増加しています。
40代女性の正社員転職はチャンス？
40代女性にとって、正社員転職は今がチャンスといえるでしょう。まず、今の日本企業の大きな課題が人手不足への対応です。企業は人材を求めています。有効求人倍率が上昇し、現状は求職者に有利な売り手市場が続いています。
さらに、国をあげて女性の社会進出を後押ししていることも良い兆候です。「女性活躍推進法」が2016年4月に施行されたことによって、企業は具体的な目標数値を掲げ、女性の採用や育成により積極的になっているのです。
40代女性の正社員転職成功に有利な資格は？
企業が女性の採用に積極的になっている現状は分かりました。しかし、転職を成功させるには、企業から選ばれる人材にならなければなりません。そこで次に、自分自身の魅力アップの方法を考えていましょう。
転職の準備で最も有効なことのひとつに資格獲得があります。業界によっては、資格の有無が採用の有力なポイントになるケースもあります。
ここでは業界別に取得していると良いといわれている資格をリストアップしました。
・医療業界：医療事務
・介護業界：介護職員初任者研修
・保育業界：保育士
・不動産業界：宅地建物取引士、土地家屋調査士、マンション管理士・管理業務主任者
・金融・保険業界：ファイナンシャルプランナー
・経営・コンサルタント業界：社会保険労務士、行政書士、中小企業診断士
転職を希望する業界に有効な資格があれば、ぜひ早めに取得を検討してみてください。
40代女性の正社員転職で未経験業界への転職は可能？
40代女性の正社員転職で未経験業界への転職は可能でしょうか。答えは「イエス」です。ただし、選択する業界は選ぶべきでしょう。日本は現在重大な人手不足に見舞われています。特に人手不足が深刻化している業界は、経験あるなしに関わらず人材が必要なのです。
雇用形態で見た場合、人手不足は非正規社員より正社員において深刻です。企業は正社員を求めているのです。
正社員の人手不足が深刻な業界は、製造業界、建設業界、医療業界、福祉業界、運輸・郵便業界があげられ、特にここ数年は、医療業界、福祉業界の人手不足感の拡大が目を引いています。
40代女性の正社員転職で未経験業界への転職を考えるのであれば、医療業界、福祉業界が狙い目でしょう。他には、保険業界の営業部門も、性別にかかわらず人材を求めています。
40代女性の転職のポイントを掴んで成功する
40代女性の転職で成功するためのポイントは3つあります。第1のポイントは、自分のライフスタイルに合った転職をじっくりと考えることです。40代は人生経験も豊富であり、家族がいる場合は家族のことも含めて考える必要があるでしょう。将来に向けてのマネープランも重要です。
第2のポイントは、スキルアップを心掛ける点です。スキルアップは、これからの人生で自分のやりたいことを仕事にしていきたい場合や、自分の業務スキルを高めたい場合、求職する業界に有利な資格を取得したい場合などに必要なアクションです。
第3のポイントは人手不足の業界をターゲットに転職活動をしていくことです。この3つのポイントをしっかり押さえ、転職を成功に導きましょう。
文・小塚信夫（ビジネスライター）／fuelle
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