2019年10月9日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

現在、マーケットのテーマは米中通商協議の行方と、月末に行われるFOMCの2点だ。まず前者に関して当初は合意期待もあったが、昨日8日(火)トランプ政権が少数民族への人権問題などを理由に中国当局者へのビザ発給を制限すると発表したことで、明日10日(木)から行われる通商協議を前に米中の雰囲気は最悪の状態となってしまった。トランプ米大統領もツイッターで早期の合意の可能性は低いと述べたほか、中国サイドも今回は合意に向けた進展は困難とのことで、11日(金)中に代表団が帰国するとの報道があり、リスクオフの地合いとなっている。一方、今月末に行われるFOMCの焦点は連続利下げがあるのかないのかだ。本日9日(水)の日本時間未明に行われたパウエルFRB議長の講演では追加利下げへの明言はなく、不透明感は残るものの、マーケットの催促相場から現在利下げ確率は80%を超えてきている。パウエルFRB議長があえてマーケットを冷やしてくるとは思えないだけに連続利下げがメインシナリオとなるだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は米中通商協議関連のヘッドラインに振り回される覚悟が必要になるが、マーケットがリスクオフに傾いているため、基本的にはダウンサイドを意識したトレードになる。ターゲットは今月に入り2回反発している106.50円付近で同水準は機関投資家などがていねいに下値を拾っているだけに底堅さもある。ターゲットに向けて売りを回転させていきたい。また、明日10日(木)に日付が変わった日本時間夜中3時00分に9月に実施されたFOMCの議事録が公表される。FOMCメンバーの動向を確認することになるのだが、今月に入り米経済指標が悪化しており、状況がかなり変わっているだけに今回の議事録の鮮度はやや低めになるかもしれない。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。