2019年10月31日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日30日(水)の米ドル/円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ決定後に一時109.28円前後まで上昇したが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見中に108.72円前後まで反落する「往って来い」の展開。FOMCは、声明から「景気拡大の維持に向けて『適切に行動』する」の文言を削除し、ひとまず利下げ休止の姿勢を示した。パウエルFRB議長も「現行の政策スタンスは適切であり続ける可能性が高い」として中立スタンスへの転換を示唆。一時上昇した米ドル/円が結局は声明発表前の値位置に収まった点からも、概ね市場の想定に沿った結果であったと言えるだろう。市場の関心は本日31日(木)の日銀金融政策発表に移る事になりそうだ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
マイナス金利の深堀りを予想するエコノミストも散見されるが、大勢は現状維持の予想で、日銀は追加緩和を温存するとの見方が優勢。黒田日銀総裁も「必要な状況になれば『躊躇なく』追加緩和」の構えを維持する公算が大きい。FOMCと同様に、市場の想定に沿った結果であれば、(瞬間的な反応はともかく)米ドル/円相場への影響は限られそうで、市場の関心は明日11月1日(金)の米10月雇用統計に向かうだろう。本日31日(木)の米ドル/円は、109.30円前後の上値抵抗を突破する可能性は低い一方、108.25円前後の20日移動平均線を下回る可能性も低そうだ。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。