2019年は原油価格の低迷で、石油メジャーの株価も総じて軟弱な展開を強いられていた。しかし、12月上旬に産油国の減産拡大が伝えられると、原油価格とともに石油メジャーの株価も底堅さが見られるようになった。中でもスーパーメジャーのエクソン・モービルは、年明け早々に南米ガイアナの巨大海底油田の生産開始が見込まれることもあって、一部金融機関では強気見通しが示されるなど注目を集めている。

今回はエクソン・モービルの最新動向をリポートする。

7〜9月期は大幅な減益、原油安が響く

エクソン・モービル,株価
(画像=OilandGas / shutterstock, ZUU online)

エクソン・モービルの2019年7〜9月期決算は、売上高が15%減の650億ドル(前年同期は766億ドル)、純利益は49%減の31億7000万ドル(同62億4000万ドル)、1株利益は0.75ドル(同1.46ドル)と大幅な減益となった。背景には世界経済の減速懸念に伴う原油価格の下落や事業拡大に絡むコスト増が指摘される。

米テキサス州西部からニューメキシコ州にまたがるパーミアン鉱区でのシェールオイル開発の拡大で、生産量は3%増の日量390万石油換算バレルとなった。一方、原油価格は前年同期比で約20%下落したことで、生産量は増加したにもかかわらず売上高は減少する結果となった。また、設備投資と探査に関わる費用が77億ドルに膨らんだことも業績を圧迫した。

株価は過去1年で「往って来い」の展開

12月9日現在のエクソン・モービルの株価(終値)は69.66ドルで、年初来の騰落率は0.0%と年初とほぼ同じ水準にある。過去1年間のレンジは高値83.49ドル(4月23日)、安値64.65ドル(昨年12月26日)であり、原油価格に歩調を合わせて「往って来い」の展開となっている。とはいえ、12月9日現在の配当利回りは5.0%で、低金利時代にあって魅力的な高配当銘柄としてウォール街でも何かと話題に上る企業でもある。