40代で未経験の職種に転職するのは難しいといわれているがもちろん可能性はある。40代が転職を成功させるためには、転職における重要ポイントをまず押さえておこう。今回は40代で転職を成功させる3つのポイントと転職しやすい職種について紹介する。

40代で未経験職種へ転職するのが難しい2つの理由 経験と年収

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(画像=shutter_o/Shutterstock.com)

40代で未経験の職種に転職するのが難しいといわれる理由は大きく2つある。前職での経験が活かせない点、また転職先の年収が前職より下がる可能性が高い点だ。

理由1. 前職での経験を活かすことができず即戦力とみなされない

前職での経験を活かせないことは、40代で未経験職種への転職が難しい大きな理由の一つだろう。企業が転職者の賃金・役職決定の際に考慮する要素の割合は以下のようになっている(※厚生労働省の「平成27年転職者実態調査」より)。

・これまでの経験・能力・知識……71.4%
・年齢……46.3%
・免許・資格……35.9%

企業が40代の求職者に求めるものは、即戦力としての経験とスキルであることは否めない。未経験の求職者を即戦力として活かせるかが未知数であるため、消極的な採用になる可能性が高いのだ。

理由2. 40代で未経験職種への転職は年収が前職より下がる可能性が高い

40代で未経験の職種への転職が難しいもう一つの理由は、転職先の年収が前職より下がる可能性が高いことだ。

日本企業では、勤続年数とともに職位と給与が上がるのが一般的だが、転職しても必ずしも前職で獲得していた年収と同様の年収が得られるとは限らない。転職条件として前職と同様の年収にこだわりすぎれば、40代で未経験職種へ転職するのは難しいと言わざるを得ないだろう。

40代の転職で年収が増加した人、減少した人の割合はそれぞれ以下のようになっている(※厚生労働省の「平成27年転職者実態調査」より)。

・40~44歳
年収が増加したと回答した人:43.7%
年収が減少した回答した人:33.0%

・45~49歳
年収が増加したと回答した人:36.2%
年収が減少した回答した人:39.3%

40代で未経験職への転職を成功させる3つのポイント 年収、強み、業界を再考しよう

40代で未経験職種に転職するのは難しい理由を挙げたが、これらを克服しなければ転職はできない。転職を成功させるためのポイントは以下の3つだ。

ポイント1……年収以外の面を重視する

40代で未経験職種へ転職する場合は年収にこだわりすぎないようにしたい。入社時の年収は下がっても、入社後の業務内容によって年収が上がる可能性があるからだ。

年収以外にも業務内容やワークライフバランスなど、考慮する理由があるだろう。自分が何を目的として転職したいかを明確にしてから転職活動を始めたい。

ポイント2.……年齢の強みを活かす

40代における未経験職種への転職は、前職での経験を直接的に活かせない。これは即戦力を求める転職市場において大きなマイナスだ。しかし以下に挙げるような汎用的な能力は、40代という年齢の強みを活かせる。

・マネジメント能力
・コミュニケーション能力
・人脈

これらをアピールすることは、40代が転職を成功させるための重要なポイントの1つだと言えるだろう。

などが挙げられる。

ポイント3. 人材が不足している職種・業界を狙う

人材が不足している業界を狙うことも、40代で未経験職種への転職を成功させるポイントになる。

中小企業庁の調査によれば、事務系の職業では求職者が有効求人数を大きく上回る一方で、「サービス業」「専門的・技術的職業」「介護関係職種」では、求職者の数が求人数を大きく下回っている。これらの業界では特に人材が不足していることがうかがえるだろう。(中小企業庁「2016年の中小企業の雇用環境と人手不足の現状」より)

また「IT」「不動産」「メーカー」などの業種で、9割以上の会社が「人材が不足している部門がある」と回答している(※エン・ジャパンの調査の@@@@@@@より)。

このような人材が不足している職種・業界は40代で未経験職種であっても採用される可能性が高まるであろう。

40代男性が転職しやすい3つの職種 営業、エンジニア、接客

それでは40代男性が未経験職種に転職する場合、どのような職種が転職しやすいのだろうか。企業が今後3年間に積極的に採用したい転職者の職種は以下のようになっている(※厚生労働省「平成27年転職者実態調査」より)。

・専門的・技術的な仕事……45.1%
・販売の仕事……28.0%
・サービスの仕事……28.0%

上記のような仕事として、「エンジニア職」「営業職」「接客業」の3つが挙げられるだろう。未経験職種でもこれまで培ってきた経験やスキルが活かしやすい点にも注目したい。

エンジニア職……需要が高いが勉強は必要

IT業界は近年最も成長している業界だ。恒常的に人手不足となる職種のため、転職が成功しやすい職種である。業務には専門的なスキルが必要だが、未経験者でもチャレンジできる求人も存在する。ただ入社してからエンジニアとしての勉強は必須だ。

平均年収はシステム・エンジニアが約570万円、プログラマーが約429万となる。(※1※2)

営業職……40代のコミュニケーション能力を活かせる職種

営業職はコミュニケーション能力が求められる業種だ。40代男性がビジネスマンとして培ってきた対人コミュニケーション能力が活かせるため、転職が成功しやすい職種といえる。

営業職の平均年収は自動車外交販売員で約513万円、保険外交員で約707万だ。(※1※2)

接客業……幅広い業界で活躍が可能

接客業は、営業職と同様にコミュニケーション能力が求められる業種だ。飲食業をはじめ、販売店スタッフや観光葬祭業など業界が多岐にわたるのも魅力である。

平均年収は給仕支給者が約364万円、販売店員が約388万円程度だ。(※1※2)

※1. 記載の平均年収は、厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」職種別第1表・職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)・企業規模計(10人以上)・職種別男性を使用。 ※2. 平均年収の計算方法は、「きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額(万円未満は切り捨て)」で試算。

40代で未経験職種に転職するなら転職エージェントを使うと効率的

40代で未経験職種に転職する際には、転職エージェントを使うと効率的である。転職エージェントを活用するメリットは以下だ。

・大量の情報をキャッチできる
・転職のプロであるキャリアアドバイザーのサポートが受けられる
・求人企業を探して紹介してくれる
・応募書類の書き方や面接のアドバイスを受けられる

無料で利用できるだけでなく、未経験の業種において必要なスキルをレクチャーしてくれるのだ。さらに、自分の市場価値に合った転職先を紹介してもらえる。転職エージェントを使うことで、転職の成功率をあげつつ効率的に転職活動を進めることが可能になるわけだ。

40代が未経験職種に転職する際のおすすめエージェント3社

では、40代が未経験の職種に転職する際におすすめのエージェントを3社紹介しよう。

1. JAC Recruitment

JAC Recruitmentは、30代から50代の転職に実績があるエージェントだ。管理職・技術職・専門職を得意としている。大手企業や外資系企業との取引が多いのも特徴である。

2.リクルートエージェント

リクルートエージェントは、採用や転職サービスの最大手といわれるリクルートグループが運営する。グループの総合力を活かした情報量の多さは大きな魅力だ。加えて、非公開の求人数が多いエージェントでもある。

3. type転職エージェント

type転職エージェントは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県エリアの転職に強みを持ったエージェントだ。業界としてはIT業界やメーカーに強く、職種としては営業職、販売・サービス業に力を入れている。

40代の未経験職種転職は自分の市場価値を理解することがスタート

40代で未経験職種への転職を考える際は現職から離れ、社外における自分の市場価値を理解することが最初の一歩といえる。転職市場で必要とされる人材は、時代とともに急速に変化しているのだ。今の時代に必要とされる市場価値を把握して、自分の強みをアピールすることが転職に成功する近道だろう。

文・小塚信夫(ビジネスライター)/MONEY TIMES

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