AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)は、2019年に株価が2.5倍となり、S&P500採用銘柄の上昇率ランキングで第1位となった半導体製造大手である。ウォール街の市場関係者からは「さすがにここまで上昇すると手が出せない」(トレーダー)と警戒の声が聞かれる一方で、依然として楽観的意見も多く聞かれるなど先行きに対する期待も根強い。後段で述べる通り、背景には相次ぐ大型案件や多数の新製品投入への期待もあるようだ。
2019年の米国株はハイテク株主導で上昇する場面が何度も見られたが、今回はそれを象徴する企業の一つ、AMDの最新動向を紹介する。
AMD、増収増益続く、粗利益率は43%
AMDの2019年7~9月期決算は増収増益となった。純利益は1億2000万ドル、1株利益は0.11ドルとなり、前年同期の1億0200万ドル、0.09ドルからそれぞれ増加した。調整後1株利益は0.18ドルだった。売上高は18億ドルと前年同期の16億5000万ドルから9%増加し、四半期ベースでは2005年以来の金額となった。また、粗利益率は43%で2012以来の高水準となった。
ちなみに、米金融情報調査会社のファクトセットがまとめたアナリスト予想は、調整後1株利益が0.18ドル、売上高は18億1000万ドルで、ほぼ予想通りの結果となった。
AMDは2019年10~12月期について、売上高を20億5000万~21億5000万ドル、粗利益率は約44%と予想している。売上高の市場予想は21億5000万ドルであり、AMDが示した予想レンジの上限となっている。