2020年2月10日8時時点に竹内典弘さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

先々週末にPBOC(中国人民銀行=中央銀行)が短期金融市場に大量の資金供給を実施、4日(火)以降に上海総合指数は底入れとなった。センチメントの改善から、為替市場では米ドル/円を買い戻す動きが続き、7日(金)には前者は週の高値110.02円まで上伸した。

現在の為替相場の戦略やスタンス

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

今週は、明日11日(火)と明後日12日(水)、半期に一度の議会証言でFRBのパウエル議長が金融政策を総括する。米国株が史上最高値を更新するなかでは、議長がこの先の金融政策の変更まで言及する可能性は低いとみている。新型肺炎の死者が中国全土で811人まで拡大、2002~2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の世界全体の死者数をすでに超えてきた。この動きのなかで、金利の市場では米国での年内利下げの織り込みが静かに進行、足元で1.5回を織り込む。この利下げの織り込みと米ドル/円の水準には一定の相関があり、この1.5回と整合的な水準は108.40円割れと、現在のスポットがやや割高で推移する。今週は年初来高値の110.29円の更新を排除しないが、引き続き110円台の定着には程遠く、依然米ドル/円は戻り売りとみている。ボラティリティから換算する今週のレンジは、米ドル/円で108.80~110.30円、ユーロ/米ドルで1.0880~1.1130ドル、ユーロ/円で119.00~121.00円を予想している。

竹内典弘
1990年、カナダ系の銀行へ入行し為替ディーラーとなる。HSBCでは米ドル/円のチーフトレーダーを務めるなど20年以上にわたって為替市場の第一線で活躍。現在は個人トレーダーとして自己資金を運用するほか、twitter(@yen20pl)や西原宏一さんのメルマガを通じて情報配信を行なう。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。