2020年2月20日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日19日(水)の米ドル/円は一時111.59円前後まで上昇して終値ベースでは約1.3%の大幅高となった。主要国の株高を背景にリスクオンの円売りが活発化したとの見方もあるが、中国で新型肺炎の感染拡大ペースが鈍った反面、日本では感染が拡大しているだけに、円売りには「日本売り」の意味合いもあるようだ。なお、中国共産党の機関紙である環球時報は「ここから2週間で日本が『次の武漢』になるかどうかが決まる」と伝えた。また、英国で5月に行われるロンドン市長選挙の有力候補が、日本での新型肺炎の感染拡大を理由に今夏の東京オリンピックが中止となった場合、代替開催地としてロンドンに誘致する考えを示した事も話題となっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

日本株の反発から見て「日本売り」の見方にはやや違和感があるものの、円がもはや安全資産ではないとの見方には頷ける面もある。いずれにせよ、米ドル/円は昨年後半から続いていたおおよそ108円から110円のレンジを明確に上放れており、チャート上の上値余地が拡大したと考えられる。約9カ月半ぶりの111円台とあって、本日20日(木)の東京市場では本邦輸出企業などのドル売りニーズが上値を抑えているが、欧米市場では追撃の円売りが入る可能性があるだろう。2015年高値125.86円前後を起点とする長期の上値抵抗ラインを昨日19日(水)の上伸で上抜けた事から、2015年以降の高安の半値戻しにあたる112.44円前後が次の上値ターゲットになりそうだ。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。