富裕層の企業を海外に橋渡し
ある大手メーカーの3次下請け会社を経営している社長は悩んでいた。先代から会社を引き継いでからしばらくは業績が良かったものの、ここにきて海外勢の攻勢にあい、売り上げが伸び悩んでいたからだ。
「このままではまずい。何か抜本的な対策を考えなければ」 悩んだ末に、ファミリーオフィスを運営していた百武資薫さんに、相談することにした。この男性は、数十億円規模の資産を保有し、百武さんとは家族ぐるみで10年来の付き合いがあったからだ。
百武さんのアドバイスは意外なものだった。
「(元請けの)メーカーと付き合いたいと言っている中国企業があるんですが、その企業と資本業務提携をしませんか? 社長としても出資してもらえば一息つくことができて、新たな設備投資もできるでしょうし、Win-Winの関係になれると思うのですが」
社長自身は先代から引き継いだ資産があるために富裕層であるものの、会社自体は3次下請けであることもあり知名度があるわけではない。そんな企業に中国企業が関心を示してくれるなんてと社長は驚いたのだ。
じつは、百武さんは日頃から中国のみならず世界中を飛び回っており、さまざまな企業とコネクションを作っている。加えて、顧客は富裕層ばかり。そんな顧客たちからの紹介もあって、多彩な企業と付き合いがあるのだ。
結果、この社長は中国企業との資本業務提携を決断。資金を得て、業績は飛躍的に向上した。中国企業側も、間接的に親会社であるメーカーに口座を開くことができ、さらなる提携の強化を申し出ているという。
「百武さんのコネクションを紹介してもらえて助かった。これで新たな事業展開も進めていくことができる」
以前とは打って変わり、社長の表情は明るかった。
ドバイの王族に交渉し海外進出をサポート
こんなケースもあった。