イタリアを代表するファッションデザイナーの1人であるジョルジオ・アルマーニ氏。同氏のアパレルブランド「ジョルジオ・アルマーニ」と「エンポリオ・アルマーニ」はあまりにも有名ですが、このアルマーニ氏が指揮するホームインテリアコレクションに「アルマーニ / カーザ」があります。2020年に20年目を迎える同コレクションの洗練されたデザインと、そのデザインを具現化していく職人の専門技術に迫ります。

遅咲きのデザイナーはこだわりを貫き、世界的なブランドへ

アルマーニ / カーザ,家具
(画像=AlexRoz/Shutterstock.com)

アパレルブランドを展開するアルマーニ社が設立されたのは1975年です。この時、アルマーニ氏は41歳でした。デザイナーとしては遅いスタートです。

それまではメンズデザイナーとして活動してきましたが、会社設立を機にレディースのデザインも開始しました。紳士服の持つ機能性を婦人服に応用し、着心地の良さだけでなく、贅沢な素材とシルエットの美しさにこだわりました。キャリアウーマン時代目前のアメリカのバイヤーやファッション雑誌の注目を集めました。

その後、1981年には、ディフュージョンラインであるエンポリオ・アルマーニに続き、アルマーニ ジーンズを発表しました。そのころ「タイム」誌の表紙をジョルジオ・アルマーニ氏のポートレートが飾り、世界的なブームを巻き起こしました。

「ジャケットの帝王」とも呼ばれたアルマーニ氏ですが、現在はアパレルデザインの他に、インテリア家具、化粧品、リゾートホテル、レストランなど、クリエイターとしてだけでなく、経営者としても幅広く活動しています。

インテリアコレクション「アルマーニ / カーザ」を展開

2000年に誕生したジョルジオ・アルマーニのホームインテリアコレクションである「アルマーニ / カーザ」は、ファッションで確立したアルマーニ調を生活空間に使用しています。ソファやデスクなどの大型家具から、クッションなどのファブリック、テーブルウエアなど、すべてにおいてアルマーニ氏本人がディレクションを行っています。形そのものは、シンプルですが、洗練された色使いと使用される素材が印象的です。

数ある家具のうち、このホームインテリアコレクションを代表するバーキャビネット「クラブ」を紹介しましょう。このキャビネットの扉には「オーシャンラッカー」と呼ばれるアルマーニ氏のデザインが施されています。これは、葛飾北斎の「富嶽三十六景」からインスピレーションを受け、アルマーニ工房の職人が手作業で制作を手掛けています。気温や湿度に影響を受けてしまうハンドペインティングでのキャビネットの制作には、約150日を要します。

また、「ブラック ストロー」と呼ばれるデザインには、伝統的な寄木細工を思わせる繊細な手法が用いられています。ライ麦をはじめとした藁を黒く染め、一本ずつカットし整えた後、丹念に貼り合わせていきます。

素材を生かした陰影のニュアンスは、独特の光沢を生み出します。テーブルの天板の仕上げなどに使われる「ゴールド リーフ」は、日本の伝統工芸にもみられる薄い金箔を均一に貼る技術です。ベテランの職人でも、金箔を均一に貼るのは至難の業だといわれます。

アルマーニのこだわりをインテリアで実現する熟練の技術

このように、熟練の技術を持つ職人たちがアルマーニの世界観をさまざまな作業工程で具現化していくのです。その技術と細部までこだわり抜く心意気は、まるでアート作品を生み出す芸術家のようです。伝統的な技法と現代のデザインが融合したアルマーニ / カーザの商品は、芸術品のように私たちの生活に彩りを与えてくれるでしょう。(提供:JPRIME


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