古くはチューリップバブルから近年のビットコインバブルまで、世界の投資の歴史の中では、さまざまな暴落が発生しました。その歴史を振り返りながら、普遍的な価値ある投資先とは何かを検証します。

世界初のバブル崩壊はチューリップ相場

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(画像=corlaffra/Shutterstock.com)

世界で初めて起きた大規模なバブル崩壊は、オランダで起きたチューリップ相場の大暴落でした。今では信じられないことですが、チューリップの球根が投資の対象になっていたのです。1634年当時、オランダではチューリップの栽培が大流行しており、珍しい品種の球根には高値が付く状況でした。

ピーク時には球根1つと広い土地を交換できるほど高騰し、貧しい市民までが貯金を全部おろして球根を買う狂熱相場となります。やがて高値に疑問を抱いた人々が売り始めたことをきっかけに暴落し、最高値の1%まで落ちてバブルは終焉しました。

株式の大暴落は何度もあった

株式市場は、大暴落を何度も経験しています。世界史の授業にも出てくるほど有名な「暗黒の木曜日」は、世界恐慌の引き金になった大暴落です。1920年代の米国は好景気に沸き、株価も右肩上がりで上昇を続けていました。一般市民も株を買う人が増え、空前の投資ブームが起きます。

しかし、投機的な相場も限界点を迎え、1929年10月24日にニューヨーク証券取引所で大暴落が起き、わずか1日で40%近い下落を記録し、世界恐慌へ突入します。長期下落相場となり、結局高値から80%程度下落したところで大底を打ちました。

その後も、1953年のスターリン暴落、1987年のブラックマンデー、2008年のリーマン・ショック、そして2020年に起きたコロナショックと、名前が付けられるほどの下落相場を投資家は経験してきたのです。

その他、どんな暴落があったのか

個別株では、1987年に起きたNTT株の大暴落が有名です。電電公社が民営化され、1987年2月に政府保有株が119万7,000円で売り出されました。政府が売り出す株で損をすることはないだろうとの期待から、株価は初値160万円から上昇を続け、同年4月に318万円の最高値を付けます。

しかし、どんな相場にも終わりがあるもので、そこをピークに一転して下落基調となり、1990年代初頭に初値の3分の1まで下落して、ようやく下げ止まりました。

近年では、ビットコインの大暴落も印象的です。株式のような指標のないビットコインは投機的な動きになりやすく、2020年2月13日の取引時間中の高値115万2,563円から、わずか1ヵ月後の3月13日には取引時間中の安値41万3,907円まで約65%も下落しています。価格の根拠が不明な仮想通貨の宿命とも言える値動きでした。

最後に残るのは普遍的な価値ある投資先

過去の暴落から、以下のような教訓が得られます。

・チューリップのような、本来投資の対象にならないものには手を出さない。
・株式は歴史の中で、周期的に暴落が起きている。株式のみに資金を集中させるのはリスクが高い。
・NTTのような国策銘柄の上場でも加熱しすぎた後には利益が出るとは限らない。
・仮想通貨のような価格形成の根拠がない投資は慎重に考える。

では、普遍的な価値がある投資先とは何でしょうか。ポイントは、必要不可欠な資産であることです。この社会資本の中心は、不動産と考えていいでしょう。その理由は、「不動産こそ究極の生活必需品」だからです。

たとえば、家に洗濯機がなくてもコインランドリーで代用することができます。しかし、住むところがなければ生活することはできません。住所不定では住民サービスも受けられないでしょう。したがって、まず家賃の支払い分を確保しておくというのが通常の消費スタイルであり、それが不動産投資の強みと言えます。

他の投資先と比べて、不動産が安定したパフォーマンスをあげてきたのは、不動産が人々や企業にとって、なくてはならない存在だったからです。先行き不透明な経済状況の中で、最後に残る普遍的な価値がある投資先は、やはり不動産ではないでしょうか。(提供:Dear Reicious Online


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