アウディの電気自動車"e-tron"シリーズがラインアップを拡大。新型SUVクーペ「e-tronスポーツバック」を欧州市場で今春にリリースすると発表。車両価格は7万1350ユーロ~
独アウディは4月2日(現地時間)、電気自動車のe-tronファミリーに新型SUVクーペの「e-tronスポーツバック(e-tron Sportback)」をラインアップし、今春に欧州市場で発売すると発表した。車両価格は7万1350ユーロ(約840万円)~。日本への導入時期などは現時点で未定である。
新型EVのe-tronスポーツバックは「55クワトロ」と「50クワトロ」グレードを設定し、55クワトロは先にデビューしたe-tronとパワートレインを共用。265kWの最高出力と561N・mの最大トルクを絞り出す電気モーターを前後アクスルに搭載し、電動4輪駆動を構成する。0→100km/h加速は6.6秒でこなし、最高速度は電子的に200km/hに制限。電力消費量は26.3~21.6kWh/100km(WLTP)を達成する。また、シフト位置をDモードからSモードに移し、アクセルペダルを床まで踏み込むとブーストモードが作動。この際、システム出力は300kW/664N・mにまでアップし、0→100km/h加速は5.7秒に引き上がる。一方、走行パターンとしては、ほとんどの状況でリアモーターのみを使用。加速時や追越時、コーナリングおよび滑りやすい路面などでのオーバーおよびアンダーステアの発生時などで、フロントモーターが連続的かつ瞬時に作動する仕組みだ。
駆動用バッテリーには95kWhの大容量を確保したリチウムイオンバッテリーを採用し、パッセンジャーセルの下に幅広い平らなブロックとして設置される。航続距離は最大446km(WLTP)を実現した。また、充電については最大150kWの出力で直流(DC)急速充電を行うことが可能で、約30分でバッテリー容量の0%から80%までが充電できる。さらに、公共の交流(AC)充電ステーションでは標準のモード3ケーブルが使用でき、この際は最大11kWの電力での充電が可能だ。
パフォーマンスの面では、ダイナミックハンドリングシステムの「アウディドライブセレクト」を採用したこともトピック。ドライバーは複数のドライブコンポーネントの特性を7つのプロファイルの間で切り替えることができ、快適なクルーズからスポーティな走りまで、さまざまな乗り味を楽しめるようにアレンジした。
エクステリアに関しては、エレガントかつ筋肉質な4ドアSUVクーペのフォルムを纏ったことが特徴。細部のデザインも印象的で、フロント部にはライトプラチナグレーで彩った開口部が極少のグリルやデイタイムランニングライトとして機能するマトリクスヘッドライト下端の4本のデザインエレメントなどを、サイドビューにはエネルギーセンター=駆動用バッテリーのある場所を暗示するシルに配したブラックパネルなどを、リアセクションにはエグゾーストテールパイプがないことを示す幅広の専用ディフューザーなどを組み込み、e-tronスポーツバックならではの個性を強調する。ボディサイズは全長4901×全幅1935×全高1616mm/ホイールベース2928mmに設定。ボディカラーには専用色のプラズマブルーメタリックを含む計13種類を用意し、充電フラップには高電圧システムを示すオレンジ色のロゴを設置した。
内包するインテリアでは、デザインとテクノロジーがシームレスに融合した、エレガントなラウンジのような雰囲気を創出する。インストルメントパネルは左右いっぱいに弧を描いて伸び、運転席側にはバーチャルコックピットのカバーを一体化。そのディスプレイは、空間に浮いているようなアピアランスを示す。また、ラップアラウンド形状のドアトリムにはバーチャルエクステリアミラーのスクリーンを統合した。他のアウディ車と同様、2つのディスプレイを備えたタッチレスポンス オペレーティングシステムも装備している。
e-tronスポーツバックには、スポーツ志向の「Sライン」もラインアップされる。外装にはより明確な輪郭を備えたバンパーに印象的なエアインテークトリムを設置し、エアフローをいっそう向上。また、ホイールアーチトリムやドアシル、バンパー、ドアミラーなどをボディ同色で仕立て、同時に専用デザインのリアスポイラーやデュフューザーを標準で装備した。さらに、ウィング形状のサポートに設置した小型のバーチャルエクステリアミラーを組み込むなどして空力性能を高め、空気抵抗係数(Cd値)は0.25を実現する。
一方、Sラインインテリアには専用のカラーコーディネートやSスポーツシートなどを採用し、スポーティかつ精悍なキャビン空間を演出。足もとには、専用セッティングのエアサスペンションに20インチアルミホイールを装着した。
(提供:CAR and DRIVER)