BMW Z4・M40i 価格:8SAT 851万円 試乗記
新型はボディ剛性が旧型比30%アップ! ルーフはソフトトップに回帰
最新Z4の開発テーマは、「エレガントなGTコンバーチブル(旧型E89型)から本格的リアルスポーツオープンカー(G29型)への変身」だった。スポーツ指向を追求したほうがマーケット需要が大きい、という判断である。もちろん背後にはトヨタ・スープラとの協業がある。クーペとオープンの違いはあるが、BMWもトヨタも本格的なスポーツカーが作りたかったのだ。
Z4の想定ライバルはポルシェ・ボクスター。旧型で採用した重量がかさむリトラクタブルハードトップをやめて、ソフトトップに回帰するなどキャラクターをがらりと変えた。フロントアクスルにはM4とまったく同じシステム(Wジョイントのスプリングストラット)を採用。そしてMモデルと同じようにミシュランの高性能タイヤ、パイロットスポーツを履いている。
ボディサイズは全長×全幅×全高4335×1865×1305mm。ディメンションは旧型と比べると全長が85mm長く、全幅は75mmワイド。ホイールベースは25mm短い。ソフトトップを採用した効果で重量増を抑え(ルーフシステム単体では40kg軽いが、ボディの剛性強化と電子制御LSDの追加でほぼ相殺)、重心高も下げることに成功している。ボディのねじり剛性は旧型比で30%もアップした。
ワインディングロードで魅力発揮。GTカーとしての適性も高い
最新Z4のソフトトップは、50km/h以下なら走行中でも操作できる。開閉時間はおよそ10秒。軽量コンパクトなファブリックトップのおかげでラゲッジスペースは281リッターと、旧型比50%もの大幅増量となった。
日本仕様には3リッター直6ターボ(340ps/500Nm)を積んだMパフォーマンスチューンのM40iと2リッターガソリンターボ(197ps/320Nm)の20iという2種類のパワートレーンを用意する。トランスミッションはいずれも8速ATだ(EU仕様にはMTもある)。
試乗車はM40i。リアルスポーツカーを目指したとはいえ、BMWらしく、オープンにしてもかっちりとしたライドフィールが持ち味だ。路面の凹凸をきれいにさばき、快適な走りを披露する。長距離ドライブにも連れ出したが、GTとしてまったく不満なく使えた。
M40iの真骨頂はワインディングロードだ。ドライブモードをスポーツ+にすると、ずっしりと重いステアリングフィールに変化し、シャシーもビシッと引き締まる。エグゾーストノートもラウドになって、強力な加速をみせた。正確なハンドリング性能は最新Z4最大の魅力。リアの滑り出しはわかりやすい。スポーツ走行を積極的に楽しむユーザーには、絶好の1台である。
BMW Z4・M40i 主要諸元と主要装備
グレード=M40i
価格=8SAT 851万円
全長×全幅×全高=4335×1865×1305mm
ホイールベース=2470mm
トレッド=フロント1595×リア1590mm
車重=1570kg
エンジン=2997cc直6DOHC24Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=250kW(340ps)/5000rpm
最大トルク=500Nm(51.0kgm)/1600~4500rpm
WLTCモード燃費=12.2km/リッター(燃料タンク容量52リッター)
(市街地/郊外/高速道路=8.4/12.6/14.8km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:5リンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:255/35R19/リア:275/35R19+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=2名
最小回転半径=5.2m
●主要燃費改善項目:無段階バルブリフト(バルブトロニック)/筒内直接噴射/吸排気無段階可変バルブタイミング(ダブルVANOS)/充電制御/アイドリングストップ/電動パワーステアリング
●主要装備:ドライビングアシスト(レーンデパーチャーワーニング+レーンチェンジウォーニング+前車接近警告+衝突回避・被害軽減ブレーキ+後車衝突警告+リアクロストラフィックウォーニング)/アクティブクルーズコントロール/BMWコネクテッドドライブ・プロフェッショナル/アダプティブLEDヘッドライト/ハイビームアシスト/パークディスタンスコントロール/アダプティブMサスペンション/Mスポーツデファレンシャル/Mスポーツブレーキ/ドライビングパフォーマンスコントロール/バリアブルスポーツステアリング/Mエアロダイナミクスパッケージ/BMWインディビジュアル・ハイグロスシャドーラインエクステリア/セリウムグレー仕上げキドニーグリル&ロールバー/電動ブラックソフトトップ/BMWライブコクピット(10.25インチメーターパネル+10.25インチワイドコントロールディスプレイ+HDDナビゲーション)/マルチファンクションMレザーステアリング/センサテックフィニッシュ・ダッシュボード/2ゾーンオートAC/ヴァーネスカレザー&アルカンターラMスポーツシート/前席電動調節機構/アンビエントライト/スピーチコントロール(音声入力システム)/ワイヤレスチャージング/10スピーカーシステム
●装着メーカーop: ハーマンカードンサラウンド・サウンドシステム5万5000円
●ボディカラー:サンフランシスコレッド(op9万2000円)
※2019年3月デビュー 価格はすべて消費税込み
(提供:CAR and DRIVER)