インターネット接続大手のビッグローブが全国の20代から60代の男女1000人に実施した『withコロナに関する意識調査』によると、全体の7割が緊急事態宣言の解除後も外出に抵抗があると回答しています。もし、筆者もこのアンケートを受けていたら同じ回答をすることでしょう。緊急事態宣言が解除されて間もなく1カ月になりますが、まだまだ油断はできません。ちなみに、100年前のスペイン風邪では1918年から1920年の間に「3度の流行の波」があり、世界で5億人が感染したと言います。今回もそうなるかはさておき「第2波」への警戒は必要でしょう。

新型コロナ危機は私たちの生活様式に大きな変容をもたらし、実体経済に深刻なダメージを与えました。最近は、新型コロナウイルスと共に生きることを前提とした「With コロナ時代」が言われていますが、今回はFPとしての立場から「With コロナ時代のお金の問題との向き合い方」について考えてみます。

「実体経済」は悪化しているのに株価は上昇?

コロナ,収入減
(画像=マツ / pixta, ZUU online)

早いもので2020年も残すところ6カ月余りとなりました。今年前半は新型コロナウイルスの感染拡大に翻弄された6カ月となりましたが、実体経済への影響はむしろこれから深刻化する恐れがあります。たとえば、筆者の周りでは最近になって馴染みのラーメン店や大衆食堂、理髪店など個人経営のお店の閉店が目立ち始めています。中には東京オリンピックを見込んで店舗を拡張していたところもありましたが、今回のパンデミック(広範囲に及ぶ流行病)で経営が立ちいかなくなってしまったお店もあります。また、フリーランスの知人の中にも経済的に大変苦しい状況にある人もいます。このような状況を目の当たりにするのは、筆者の人生でも初めてのことです。

2008年のリーマン・ショック時に麻生太郎総理大臣(当時)は「100年に一度の国際的な経済危機」と言いました。しかし、100年に一度の危機とされたリーマン・ショック時でさえ近所のラーメン店や大衆食堂、理髪店などが閉店するということはありませんでした。

リーマン・ショックはいわゆる「金融危機」であり、国際金融市場の影響を受けやすい大手金融機関やグローバル企業を中心に深刻な打撃を受けました。これに対して、今回のパンデミックは「実体経済」へダイレクトに影響を及ぼしたのです。