2020年7月1日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

東京市場の米ドル/円はショートポジションが溜まっていたこともあり、仲値にかけてストップロスを巻き込み一時108.16円まで上昇した。もっとも108円台では実需の売りが優勢で107円台へ跳ね返しており、108円台での上値の重さが感じられた。今夜からは米イベントラッシュで、ADP全国雇用者数、ISM製造業景況指数、FOMC議事録公表と続き、明日2日(木)は雇用統計の発表が予定されている。コロナ相場のなか、経済指標からトレンドを作っていくのは難しいが、重要指標が並んでいるだけに突発的な動きには注意したい。また、ここからマーケットのメインテーマは徐々に米大統領選に移っていくわけだが、トランプ氏の再選はかなり厳しくなっている。まだ株価は崩れてこないが、そろそろ不透明な米大統領選を織り込みに行くという可能性は高いだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は難しい値動きが続いている。リスク許容度の変化に対するドルの動きが従来のものと違うので、値動きがしっくりくるまでは少し様子を見たい。一方でポンドは動きが出やすい状況となっている。英国は移行期間延長をしなかったため、2020年末までにEUを離脱するわけだが、これまでの離脱交渉に進展がなく、依然として先行きは不透明だ。今週から集中協議をスタートさせており、ジョンソン英首相はこの集中協議での合意に意欲を示しているが、EUが譲歩しなければ、年内成立は難しいだろう。ここからは集中協議のヘッドラインに振らされる展開が続くわけだが、FTA(自由貿易協定)なしでの離脱インパクトが大きいだけにダウンサイドに警戒したい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。