現在、ネット証券を中心に単元未満でも株が購入できる「ミニ株」という少額投資サービスが展開されている。これは「株式投資で、買いたい銘柄があっても資金が足らず購入できない……」という悩みを解決してくれるもの。日本の有名企業の株式でも、少ない元手で購入できるこのサービスはどのようなものなのだろうか。

目次
1,ミニ株は単元株以下でも購入できる少額投資サービス
2,ミニ株のメリットとデメリット
3,ミニ株取引ができるネット証券、ネット取引専用口座7選
4,ミニ株の株主の権利、配当や株主優待はどうなる?
5,ミニ株投資でおすすめの銘柄5選
6, 1株保有でも株主優待を受けられる銘柄は?
7,ミニ株制度の注意点・デメリットは?少額投資、手数料には要注意

1,ミニ株は単元株以下でも購入できる少額投資サービス

現在の日本の株式市場では、最低売買単位が100株というのが一般的だ。ということは1株1,000円の銘柄の場合、最低でも10万円の資金が必要になる。

中には1株1万円を超える銘柄もある。そのような株を購入するには100万円が必要だ。

資金が潤沢にある投資家は問題ないが、少額で株式投資をしている人には株価の高い銘柄を購入するのはハードルが高い。そんなときに役立つのがミニ株だ。

ミニ株は、本来100株単位で購入する株式を、100株以下の単位でも購入できるようにした少額投資サービスの総称だ。

ミニ株は証券会社が独自で提供するサービスであり、2020年6月現在では、単元未満株サービスとして1株から売買できる証券会社から、株数指定ではなく金額指定で株式を購入できる証券会社まで、工夫を凝らしたさまざまな少額投資サービスが展開されている。

トヨタ自動車 <7203> を例に挙げて説明しよう。トヨタ自動車の2020年6月3日の終値は6,774円だった。本来購入するには最低67万7,400円が必要だ。

しかしミニ株を利用すれば10株単位、証券会社によっては1株単位で購入できる。トヨタ自動車10株を購入する場合は6万7,740円、1株なら6,774円あれば済む。

ミニ株とは、本来多額の購入資金が必要な銘柄が少額で購入できる便利なサービスなのだ。

2,ミニ株(単元未満株)投資のメリット

このような特徴のあるミニ株だが、ここでミニ株のメリットをかんたんに整理しておこう。

ミニ株(単元未満株)投資のメリット――少額資金、分散投資

上述した通り、ミニ株の最大のメリットは少額の資金で株を購入できることだ。売買単位100株では購入できなかった銘柄が、少額の資金で購入できる。

分散投資を行ないやすいのもメリットだ。ミニ株で様々な銘柄に投資することで、資金が少なくても分散投資ができる。

最低購入金額が高い「値がさ株」を少額で購入できるのもミニ株のメリットだ。キーエンス <6861>やファーストリテイリング<9983>などの銘柄も、ミニ株を利用すれば数万円程度で購入できる。

3,ミニ株(単元未満株)投資ができるネット証券・ネット取引専用口座7選

次にミニ株(単元未満株)サービスを導入しているネット取引専用口座6社を紹介しよう。今回紹介しているネット証券はいずれも1株単位から売買可能だ。

1,SBIネオモバイル証券――SBI証券のS株を取引できる

ミニ株で少額投資をしたい人におすすめしたいのが、SBIネオモバイル証券だ。 SBI ネオモバイル証券からは、SBI証券が提供するS株(単元未満株サービス)を取引できる。100株単位の銘柄が1株から機動的に売買できる便利な少額投資サービスだ。

注文入力は24時間365日可能で、市場への発注は前場始値と後場始値の1日2回。
SBIネオモバイル証券では、後述の証券会社とは異なり、取引ごとの手数料はかからない。

その代わりに月額の手数料を支払う仕組みとなっており、その金額は月の取引量が50万円以下なら月額220円(税込)となっている。

SBIネオモバイル証券では、株式投資に使えるTポイントを毎月200円分付与しているため、実質は月に20円の手数料で取引できることになる。

もし10万円分株を買って売ろうとすると、SBI証券やマネックス証券では買付と売却でそれぞれ550円の取引手数料がかかるが、SBIネオモバイル証券では0円だ。

ネオモバイル証券なら、S株取引で少額投資の特徴を最大限活かすことができるだろう。

取扱銘柄は東証の上場銘柄で、名証、福証、札証の上場銘柄は売却のみ可能だ。

売買単位 1株単位
注文受付時間 24時間
約定 1日2回
(前場始値、後場始値)
手数料 取引手数料0円
月額手数料は220円(税込)
(月間約定金額が50万円以下の場合)
取扱銘柄 東証上場銘柄
取扱銘柄(売却のみ) 名証、福証、札証上場銘柄

2,SBI証券――1株から購入できる「S株」(単元未満株サービス)

SBI証券では、単元未満株(S株)という名称でミニ株を取り扱っている。100株単位の銘柄も1株単位で購入できるのが特徴だ。

S株の注文は24時間いつでも可能だが、市場への発注は前場始値と後場始値の1日2回だ。手数料は、S株の約定代金×0.550%(税込)、最低手数料は55円(税込)となっている。

取扱銘柄は、東証(1部・2部・マザーズ・JASDAQ)上場銘柄で、名証、福証、札証の銘柄は売却のみ可能となっている。

SBI証券のミニ株を最大限活用したいなら、SBI証券でNISA口座を開設するのがおすすめだ。SBI証券のNISA口座なら取引手数料もかからず、年間の投資金額が120万円までは利益への税金もかからない。

売買単位 1株単位
注文受付時間 24時間
約定 1日3回
(前場始値、後場始値)
手数料 約定代金×0.550%(税込)
最低手数料は55円(税込)
取扱銘柄 東証上場銘柄
取扱銘柄(売却のみ) 名証、福証、札証上場銘柄

3,マネックス証券――「ワン株」で単元未満株の少額投資

マネックス証券では、ワン株(単元未満株サービス)の名称でミニ株を取り扱っている。こちらも100株単位の銘柄が1株から購入できる。

注文時間は17時から翌日11時30分までであり、1日1回後場始値で約定する。手数料は約定代金の0.55%(税込)、最低手数料は52円(税込)だ。 取扱銘柄は東証、名証の上場銘柄で、福証、札証の銘柄は売却のみ可能となっている。

売買単位 1株単位
注文受付時間 17時から翌日11時30分まで
約定 1日1回
(後場始値)
手数料 約定代金×0.55%(税込)
最低手数料は52円(税込)
取扱銘柄 東証、名証上場銘柄
取扱銘柄(売却のみ) 福証、札証上場銘柄

4,LINE証券――手数料無料で1株から売買でき、夜間取引もできる

LINE証券では、LINEと野村ホールディングスが共同開発したスマホ投資サービスを提供している。LINE証券のミニ株取引サービスは、日本の有名企業300社の株式を1株以上、1株単位で売買できる単元未満株取引だ。単元未満株を夜間取引できるのはLINE証券だけである。

1注文ごとの手数料は発生せず、LINE証券が基準価格にあらかじめ所定のスプレッド(差額)を上乗せして価格を提示する。

取引できる時間帯は、日中取引が9時から14時50分(昼の一部時間除く)まで、夜間取引が17時から21時までとなっている。

売買単位 1株単位
注文受付時間 【日中取引】
9時から11時20分まで
11時30分から12時20分まで
12時30分から14時50分まで
【夜間取引】
17時から21時まで
約定 注文後、即時約定
手数料 なし
※基準価格に取引コストであるスプレッド
(日中取引は0.05%、夜間取引は0.5%)を
上乗せして、約定代金を提示
取扱銘柄 日本の有名企業300社

5,日興フロッギー――記事から株が買える、ミニ株投資サービスの新形態

日興フロッギーとは、SMBC日興証券のオウンドメディアと取引機能が一体化した、新しい投資サービスである。

本サービスで扱うミニ株取引は、基本的にSMBC日興証券イージートレード専用「キンカブ」(金額・株数指定取引)サービスであり、金額指定取引に限定して用いられている。

日興フロッギーに掲載されている記事には、関連する企業の情報やチャートが併記されており、各銘柄のチャートから直接株式の売買注文を出すことができる。

取引手数料は無料だが、基準価格にスプレッドを加味して約定代金を提示するスタイルである。ただし、1注文当たり100万円以下の買付注文ではスプレッドは無料だ。

売買単位 100円以上の金額指定
注文受付時間 【前場注文】
前営業日16時から当日8時まで
(2時から5時までは注文受付停止)
【後場注文】
当日8時から11時30分まで
約定 1日2回
(前場始値、後場始値)
手数料 なし
※基準価格に取引コストである
スプレッドを上乗せして、約定代金を提示
概算注文金額 スプレッド
買付 売却
100万円以下 0.0% 0.5%
100万円超 1.0% 1.0%
取扱銘柄 SMBC日興証券が定める銘柄

6,岡三オンライン証券――単元未満株を買い増して単元株にすることもできる

岡三オンライン証券のミニ株サービスは、単元未満株を1株から売買できるサービスだ。議決権の行使を除く株主権利が与えられて、買い増して単元株にすることもできる。

注文のタイミングによって、前場の寄り付きと後場の寄り付きのいずれかで約定する。

単元未満株サービスの手数料は1注文あたりの約定代金ごとに定められており、約定代金2万円までだと手数料は220円(税込)、3万円までは手数料330円、10万円までは660円となっている。

取扱銘柄は東証と名証の上場銘柄で、福証と札証の銘柄は売却しかできない。

売買単位 1株単位
注文受付時間 17時から翌日11時30分まで
約定 1日2回
(前場始値、後場始値)
手数料 約定代金 手数料(税込)
2万円以下 220円
3万円以下 330円
10万円以下 660円
以降、10万円増加ごとに、660円ずつ加算
取扱銘柄 東証、名証上場銘柄
取扱銘柄(売却のみ) 福証、札証上場銘柄

7,野村證券――お得なオンラインサービスと信頼性の高い投資情報の相乗効果

野村證券が提供する単元未満株サービスは、「まめ株」である。顧客は富裕層が多いが、株式投資の初心者向けに設けられているサービスだ。総合証券である野村證券も、昨今は店舗に比べて手数料がお得なオンラインサービスに力を入れている。

オンラインサービスは、株式投資の初心者や日中多忙なビジネスパーソンを想定したサービス形態だ。野村證券では、まめ株もオンラインサービスの対象であり、投資を始めるのに最適な商品として位置付けられている。

野村證券のまめ株のオンラインサービス手数料は、ネット証券に比べるとやや高めに設定されている。

それにも増して、野村證券のまめ株で株式投資のスタートを切るメリットは、野村の豊富な投資情報が使い放題になることにある。

売買単位 1株単位
注文受付時間 【当日取引】
6時から14時まで
【翌営業日取引】
13時35分から翌2時まで
休日(土・日・祝)6時から翌2時まで
約定 取引日の終値
手数料 1注文の約定代金×1.1000%(最低手数料550円)
取扱銘柄 国内取引所上場銘柄

4.ミニ株の株主の権利、配当や株主優待はどうなる?

単元株の株主には、配当や株主優待の権利が付与される。それに対して単元未満株、通称ミニ株投資で、1株あるいは100株未満の株式を保有する株主の権利はどうなっているのだろうか。

ミニ株でも配当を受け取れるのか?答えはYes

ミニ株1株であっても、保有していれば立派な株主である。

配当は、利益配当請求権に基づいて株主が受け取ることができる権利であり、たとえ保有株数が1株でも10株でも、配当を受ける権利は単元株と変わらない。そのため、保有する株数に応じた配当金を受け取ることができる。

1株当たりの年間配当金が50円の銘柄であれば、単元株(100株)なら5,000円になる。1株保有で50円、10株保有で500円の年間配当金が手に入る。

配当と同じく、株式分割による割当も株主の権利であり、単元未満株主に対しても保有株数に応じた株数が配分されることを覚えておこう。

ミニ株でも株主優待を受けられるのか?ミニ株主に対する株主優待の有無は企業次第 株主優待を実施している企業が、単元未満株主に対しても優待を実施していれば、株主優待サービスを受けることができる。ただし、実際に単元未満株主が株主優待を得られるケースは非常に少ない。

株主優待は、株主還元策の一環で上場企業が任意で設けている制度である。2020年7月5日現在、全市場に上場する個別銘柄3,802件のうち、株主優待制度を設けている企業は1,510件に過ぎない。また、株主優待は株式を保有する単元株主に対する感謝の意や自社製品のプロモーションも兼ねており、単元株以上を保有する株主を対象にしている企業がほとんどだ。

単元未満株主に対しても株主優待を提供している企業は、少ないが存在する。また、全株主を対象にした抽選で、施設見学会参加券やイベント観覧券をプレゼントしてくれる企業もある。そのようなお得な企業を探してみるのもいいだろう。

5,ミニ株投資でおすすめの銘柄5選 成長性のある値がさ株は?ローソンや富士フイルムなど 実際にミニ株投資を始める際は、単元未満株投資ならではのメリットを享受できる銘柄を選びたい。そこで、参考までに以下のような銘柄選定方針とスクリーニング条件を設定した。

【銘柄選定方針】
・単元株投資だと高額だが、ミニ株なら購入しやすくなる値がさ株(株価が高い銘柄)
・中長期的に値上がり益を期待できる成長期待銘柄
・配当金をしっかり受け取れる銘柄

【抽出条件】
・大型株、中型株
・予想長期成長率5%以上
・予想配当利回り2.0%以上

以上の条件で抽出された銘柄について、予想長期成長率を基準に降順で並べ替え、株価が5,000円前後の銘柄を上位から5社選定した。

ミニ株投資のおすすめ銘柄一覧

会社名
<銘柄コード>
2020/7/6
株価※1
予想長期
成長率
予想配当
利回り※1
予想1株当たり
年間配当金 
株主優待内容
ローム
<6963>
7,130円 21.14% 2.11% 150円 なし
東京応化工業
<4186>
5,640円 20.13% 2.15% 120円 なし
ローソン
<2651>
5,430円 17.61% 2.76% 150円 なし
富士
フイルム
ホール
ディングス
<4901>
4,665円 9.08% 2.13% 95~100円 ・100株以上保有で、
自社ヘルスケア
商品優待割引販売
・100株以上、
1年以上保有で
自社ヘルスケア商品
トライアルキット
・100株以上、1年以上
保有でプリントサービス
利用券など
(3月または9月)
西日本
旅客鉄道
<9021>
5,942円 8.20% 2.10% 55~100円 ・100株以上保有で、
自社運賃割引券1枚以上
・100株以上保有で
「京都鉄道博物館」
入館割引券
・100株以上保有で、
ホテル割引宿泊券など
(3月)
※株価と予想配当利回りは2020年7月6日9時26分時点のもの 上記のおすすめ銘柄の詳細を見ていこう。

ローム<6963>――カスタムLSIで業界首位、活気を帯びる半導体業界の注目株

抵抗器メーカーとして創業し、現在はLSI(大規模集積回路)、半導体、電子部品製造業界ではトップメーカーである。2020年3月連結業績では、車載向け、FA向けともに売上高が減少し、固定費の削減も及ばず大幅減益となった。

2021年3月期以降は、自動車関連市場の電子化ニーズの高まりや、新製品あるいは新技術をソリューションに組み込んで提供するサービスへの注力によって、中長期的に業績は堅調に推移する見込みである。財務体質も良好であり、今後の成長性に期待できる。

東京応化工業<4186>――半導体製造関連のフォトレジストのシェアが世界トップクラス

半導体生産量の増加にともなって、高純度化学薬品やパッケージ材料が韓国・台湾で好調。台湾の半導体デバイス生産工場向けのフォトレジストが絶好調で、中でも半導体の次世代微細化に必要なEUV用フォトレジストは売上が倍増している。KrF用、ArF用も堅調。

2020年12月期連結業績予想は、増収増益を予定。2020年1~3月期の売上高は前期比17%増で過去最高を更新、経常利益も前期比66%の大幅増益となった。

半導体業界の活況を受けて株価は続伸しており、2020年5月以降は目標株価より高い株価で推移している。

ローソン<2651>――三菱商事傘下のコンビニエンスストア大手

「ローソン」や、自然素材や無添加食材を強化した「ナチュラルローソン」、節約支援型生鮮コンビニの「ローソン100」を展開している。三菱商事<8058>系で、商品開発型スーパー「成城石井」や、コンビニ店内のATM事業「ローソン銀行」も運営する。

加盟店オーナーとの円滑なコミュニケーションを図るため、担当スーパーバイザーが毎週店舗を訪問するほか、社長直行便やローソンオーナーホットラインなどを設置している。

2019年2月と2020年2月期連結業績では、2期連続の増収(平均増収率11.09%)と、2020年2月期の増益(増益率3.55%)を確保している。

富士フイルムホールディングス<4901>――医療機器やヘルスケア、医薬品に注力

1934年創業の写真フィルム大手。傘下に事務機器大手の富士ゼロックスを持つ。

カメラのネガフィルムからデジタルX線画像診断システム、電子内視鏡、オフィス用プリンターなど幅広く事業を展開している。現在は、医療機器や医薬品に力を入れている。

子会社が開発し、抗インフルエンザウイルス薬として製造販売承認を取得したアビガンを、新型コロナウイルス治療薬として使用するための治験が進められており、要請に応じて増産も行われている。

2020年3月期連結業績は、減収減益。2021年3月期予想は未定となっているが、増収増益が見込まれている。現在の株価は割安であり、上昇余地は十分にあると考えられる。

西日本旅客鉄道<4901>――旅客鉄道運営の他、流通業、不動産賃貸業も手掛ける

JRグループの「JR西日本」として知られている。北陸地方、京阪神エリア、和歌山県、奈良県、中国地方などを営業エリアとする。旅客鉄道運営以外にも、駅周辺の物販・飲食をはじめとする飲食業、駅ビルなどの自社所有物件を利用する不動産賃貸業なども手掛けている。

2020年3月期第3四半期までの連結業績は増収増益と堅調だったが、新型コロナウイルス感染拡大によって利用者数が減少したことで、営業利益は前期比22.7%という結果になった。

バラエティに富んだ株主優待には、大きな魅力がある。100株以上保有する株主に対しては、JR西日本の運賃が50%オフになる割引券(1枚以上)や、京都鉄道博物館の割引入館券、JR西日本グループのホテル優待利用券、駅レンタカー割引券など多彩。大量保有株主への優待も手厚い。

6,1株保有でも株主優待を受けられる銘柄は?

株主優待も考慮したいという人のために、上記の条件で1株保有でも株主優待を受け取れる銘柄をピックアップした。

会社名
<銘柄コード>
株価※ 予想長期
成長率
予想配当
利回り※
予想1株当たり
年間配当金
株主優待内容
京セラ
<6971>
5,931円 5.16% 2.02% 120円 1株以上保有で、
自社およびグループ
会社指定の製品・
サービスの
優待価格販売
(3月、9月)
テルモ
<4543>
4,088円 9.89% 0.68% 28~30円 1株以上保有で、
・自社製電子血圧計、
電子体温計などの
優待価格販売
・オリジナルカレンダー
・抽選で施設見学会
(3月または9月)
※株価と予想配当利回りは2020年7月6日終値のもの

京セラ<6971>――1株保有で株主優待を受けられる電子部品メーカー大手

1959年にファインセラミックメーカーとして創業。M&Aや提携を繰り返して、事業規模拡大を推進。現在は、コンデンサーなどの電子部品の大手として存在感を放つ優良企業。太陽電池モジュールや通信機器、複写機、さらにはネットワーク事業など、グローバルで多角的に事業を展開している。

2020年3月期はM&A効果で産業自動車用部品の売上が増加したもののが、新型コロナウイルス感染症拡大によって世界的に景気が減速したことで、「電子デバイス」と「ドキュメントソリューション」の売上が減少した。

株主優待は、1株以上保有の株主が対象。優待価格販売ではあるが、株主優待専用カタログに掲載されている自社製品あるいはグループ会社の指定製品をお得に購入できる。

テルモ<6594>――テルモ製ECMOで注目浴びた医療機器メーカー、1株以上で株主優待も

使い捨て注射針をはじめとする各種使い切り医療器具、血液バッグ、人工心肺システム、カテーテルシステムなど、医療用機器を幅広く製造・販売している。2020年3月期連結業績は、疼痛緩和事業やニューロバスキュラー事業などが好調、カテーテル事業も順調に拡大して増収増益となった。

新型コロナウイルス感染症拡大によって、テルモが製造するECMOが脚光を浴びた。さらに、販売提携している米国ゼネックス製のパルスドキセノン紫外線が、新型コロナウイルスの不活化に効果があることが確認され、話題に。

株主優待では、1株以上を保有する株主に対して、テルモ製電子血圧計、電子体温計、栄養補助食品などの優待価格販売や、オリジナルカレンダーの贈呈、抽選による自社施設見学会が実施されている。

7,ミニ株制度の注意点・デメリットは?少額投資、手数料には要注意

ミニ株にはデメリットもあるのでしっかりと把握しておきたい。その一つは手数料が割高になりやすいことだ。ミニ株は少額で購入できる分、手数料の比率が高くなりやすい。一般的には購入するたびに売買手数料が発生するため、手数料が割高にならないよう銘柄や買付単価、株数を調整したい。ネット証券によって手数料は違うので、公式サイトでしっかりと確認しよう。

また売買のタイミングが制限されるのもデメリットだ。証券会社によって違いがあるが、注文の翌日に約定するなど、通常の株式取引と違い取引時間中であればいつでも約定するわけではない。さらに議決権がないというのも、株主総会に出席したいという人にとっては欠点と感じるだろう。

とはいえ、少額からでも有名企業の株を購入できるミニ株(単元未満株)は、投資初心者にはうれしい。ミニ株(単元未満株)サービスを利用して様々な種類の銘柄を購入するもよし、コツコツと少しずつ購入し、株主優待や議決権が発生する100株を目指すのもいいだろう。

購入資金があまりない人も、単元未満で投資できるミニ株制度をつかってで少しずつ資産運用を始めてみてはいかがだろうか。

執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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