2020年7月22日11時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

EU復興基金案合意やコロナウイルスのワクチン開発進捗を受けてNYダウが上昇。リスクオンのモメンタムからドルが売られ、米ドル/円は一時106.68円まで下落し、ユーロ/米ドルは1.1541ドルまで上昇する展開となっている。ユーロ/米ドルは重かった1.145ドルを上抜けて1.150ドル台まで上昇しており、チャートを見ても勢いがつきそうな形となっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

テクニカル的にユーロ/米ドルの立ち位置は改善されており、中長期のコアポジションであれば、ロングキープでもよさそうだ。ただし、短期であればここからロングとするには少し抵抗がある。IMMのユーロロングが積みあがっている他、材料出尽くし感もあり、一旦ポジションはスクエアにして様子を見てみたい。米ドル/円は引き続き感度が鈍いのだが、ドルが売られやすい地合いということもあり、下値を試そうとしているようだ。ただ、ここから下にはGPIFもいて106円前半では神経質になる。米ドル/円はショートホールドというよりは、戻り売りで回転しながらのオペレーションを考えている。また、日本は明日から4連休となる。本邦勢がいない隙に短期勢が円買いを仕掛けてくるとの思惑があるが、現在のクロス円はロスカットを狙うには仕掛けにくい値位置的にあり、崩れる可能性は低いと考えている。ただ、マーケットにはコロナウイルス感染拡大、香港・ウイグル・南シナ海を巡る米中対立、不透明な米大統領選とヘビー級のリスク要因を抱えていることは確かで、短期勢にとっては円買いの口実は十分にある。念のため、警戒はしておきたい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。