マネックス証券は米国株取引の分野で評判高いが、その他にもIPO取扱銘柄数の多さ、ユニークで便利な株分析ツールなど、同社ならではの魅力的なサービスが取り揃っている。ここではマネックス証券で口座開設や取引をメリット、手数料などを紹介していこう。

マネックス証券のメリット1,米国株ではネット証券で圧倒的第1位の存在感

マネックス証券,特徴,メリット
(画像=マネックス証券公式ホームページより)

主要ネット証券のうち、米国株式を取り扱っているのは、マネックス証券、SBI証券、楽天証券、DMM.com証券の4社。2020年6月現在で公表されている各社の米国株式取扱銘柄数は、それぞれ以下のとおりだ。

マネックス 3,375件
SBI証券 3,122件
楽天証券 2,443件
DMM.com証券 844件

マネックス証券では大型株から小型株まで、非常に多くの米国株を取り扱っている。

アップル やマイクロソフト のような世界の大企業から、医療診断機器を製造・販売するアクセレレート・ダイアグノスティックス や、眼鏡タイプのウェアラブル画像装置などを製造するビュージックス といった中小型株、さらには他社では取り扱っていないが今後成長を見込める優良小型株を探して購入することもできる。

マネックス証券の米国株取引の特徴1,手数料は最低0ドル

取引手数料は業界最低水準の約定金額×0.45%(税抜)で、最低手数料が0米ドル、最高手数料は20米ドルだ。約定金額が2.22米ドル以下であれば、0.01米ドル未満の端数処理によって手数料が0米ドルになる。

米国株投資なら、低コストであらゆる米国株式を購入できるマネックス証券は外せないだろう。

マネックス証券の米国株取引の特徴2,米国株専用アプリ「トレードステーション米国株」も無料

米国株の取扱銘柄数はマネックス証券の強みだが、それを強力にサポートしているのが米国株取引専用スマートフォンアプリ「トレードステーション米国株スマートフォン」である。

豊富な発注機能の他にも、登録銘柄数に上限がない「レーダースクリーン」や、銘柄分析と発注に利用できるチャート機能などが搭載されており、国内株式のトレーディングツールさながらの使い勝手をモバイル環境でも実現できる。

マネックス証券のメリット2,IPOで個人投資家に有利な仕組み

「マネックス証券といえば米国株」という印象があるが、実はIPO投資に力を入れたい投資家にとっても、ぜひとも口座を持っておきたいネット証券だ。

2019年4月~2020年3月のIPO銘柄92件のうち、幹事証券として公募株式を引き受けた銘柄は48件にも上る。ネット証券の引受件数としてはSBI証券に続く第2位、総合証券も含めた証券業界全体でも第4位だ。

マネックス証券では、IPO引受株数の100%が抽選によって配分先が決定される。さらに、抽選は1人1票の完全平等制なので、単元株100株だけの申込でも大口の申込の人と同等の当選チャンスがある。つまり、マネックス証券なら人気があってなかなか当選しないIPOの抽選でも、当選チャンスが高くなるのだ。

マネックス証券のメリット3,手数料が安いロボアドバイザーを利用できる

マネックスアドバイザーは他の証券会社よりも手数料が安い

銘柄の選定から運用までをAIに任せる投資一任契約型のロボアドバイザーサービスは、一般的に預かり資産の1%程度(年率・税抜)の手数料が毎月発生する。しかし、マネックス証券の「マネックスアドバイザー」は、預かり資産の0.496%(年率・税込)という格安の手数料で利用できる。

例えば、SBI証券が提供しているロボアドバイザーサービス「WealthNavi」の手数料は、年率・税別で毎月預かり資産の1.0%(3,000万円以下の場合)もしくは0.5%(3,000万円超の場合)である。

楽天証券が運用するロボアドバイザー「楽ラップ」には、固定報酬型と成功報酬併用型の2種類の手数料コースがある。利用者の70%が選択する固定報酬型の手数料は、年率・税込で毎月預かり資産の0.605%だ。一方、成功報酬併用型の手数料は、固定報酬部分0.715%+成功報酬部分5.5%(運用益に対して)である。

3つのロボアドバイザーサービスを比較すると、マネックス証券のマネックスアドバイザーの手数料の安さが際立つ。

マネックスアドバイザーはなぜ手数料が安いのか?

マネックス証券が提供するロボアドバイザーサービスには、アドバイザー型の「マネックスアドバイザー」と、投資一任契約型で毎月の手数料が0.925%未満(年率・税込)の「マネラップ」がある。マネックスアドバイザーの手数料が安いのは、投資一任契約型のマネラップなどとはサービスの運営会社や契約タイプ、運用方法、投資対象など、多くの点で違いがあるからだ。

マネックスアドバイザーは投資顧問会社ではなく、マネックス証券が独自で運営している。ロボアドバイザーのタイプも、銘柄選択から投資判断、資産管理、報告までを一貫して任される投資一任契約ではなく、投資助言などを提供して、投資家自身が投資判断を下す投資顧問契約だ。投資対象が低コストで運用しやすい国内ETFに限られていることも、手数料が安くなる要因の一つだろう。

投資対象である国内ETFの資産クラスは、国内・先進国・新興国の株式や為替ヘッジ型債券、国内または先進国のREITなど多岐にわたる。世界中の地域や資産にリスクが分散されていることも安心材料だ。

マネックスアドバイザーの最低投資金額は5万円で、月々の積立額は1万円から。手数料も安く設定されているので、投資初心者でもロボアドバイザーの提案をもとに、気軽に運用を始めることができる。

マネックス証券のメリット4,すべての投信取扱銘柄の購入手数料が0円

マネックス証券でラインアップしている投資信託は、投資初心者に適した銘柄やコースが揃っている。取扱投信銘柄数は1,161件(2019年7月17日現在)。すべてが購入手数料無料で、そのうち1,093件は、100円からつみたて投資ができる。1回に多額な資金を投資に回せない投資初心者でも、無理なく資産運用ができる環境になっている。

取扱投資信託の中に、「マネックス」の名を冠した投資信託が5件ある。いずれもノーロードで好成績、NISA口座でも購入できるファンドだ。運用会社はアセットマネジメントOneで、「インターネットを使って個人投資家のためにコストの低い投信を販売したい」というマネックス証券創業当時からの想いが込められたファンドだ。

中でも、愛称「ザ・ファンド@マネックス」は設定20年を迎える長寿投信であり、アクティブファンドでありながら、当時は珍しかった購入手数料無料で販売された画期的な投信だ。設定来の騰落率が参考指数のTOPIXを大きく上回るパフォーマンスを見せており、銘柄選定においても持続的に成長が期待できる銘柄を厳選している。

マネックス証券のメリット5,独自ツール「銘柄スカウター」「MONEX VISION」

マネックス証券では、高機能トレーディングツールや使いやすさを重視したスマートフォン向けアプリ、分析ツールなど、最新技術を詰め込んだツールも多数用意されている。とりわけ、各種分析ツールにはユニークで便利なものが多い。その中から代表的な3つをピックアップする。

ツール1,マネックス銘柄スカウター――銘柄分析の定番ツールとして最適

企業の業績や詳しい企業情報など、ありとあらゆる情報を豊富に取り揃えており、企業のファンダメンタル分析にはなくてはならいツール。詳細条件を設定すれば、スクリーニングも簡単。ログインすれば使用できる、ブラウザ型の企業分析・検索ツールの決定版だ。

過去10年間の各企業の業績をグラフで表示できる。前期比の増減率や10年前の業績を100とした場合の指数なども表示されるので、長期の業績をもとにした分析が簡単にできる。過去の配当実績や配当性向などの配当関連情報もグラフで確認できる。

それ以外にも、企業が過去に発表した期中の業績予想修正のクセを把握して投資判断の参考にする、あるいは通期で5期分、四半期で最大20四半期分が掲載される企業のセグメント業績を分析して、企業の本質的価値を判断するといった使い方もできる。

企業が長期的に成長しているかどうかを適切に見極められる、便利な無料ツールだ。

ツール2,MONEX VISIONβ(マネックス ビジョン)――各自にぴったりな資産設計を提案

MONEX VISIONは、最新の金融工学理論を駆使したブラウザ型の無料資産設計ツール。現在のポートフォリオを「国内株式」「国内債券」などの資産クラスに自動的に分類し、結果を分析・診断してくれる。

「安定型」「バランス型」「積極型」から自分の目指す投資スタイルを選べば、保有資産の状況と照らし合わせて、理想的な資産形成のための分散投資の具体的な提案を受けられる。

予算に応じた追加予定金額別に、分散投資方法の提案とシミュレーションを出すこともできる。

マネックス証券の取引手数料は?2コースの国内現物・信用取引の料金体系を紹介

ここまでマネックス証券を利用するメリットを見てきたが、実際に口座を開設する際に気になるのは手数料だろう。マネックス証券では、「取引毎手数料コース」と「1日定額手数料コース」の2種類の手数料コースを用意しており、月ごとにどちらかを選択できる。

以下の手数料一覧は、マネックス証券ホームページ(2020年7月17日現在)に公表されていた税抜手数料を参照して作成した。

取引毎手数料コースにおける現物取引と信用取引手数料

国内現物

1注文の約定金額 手数料
10万円以下 100円
10万円超~
20万円以下
180円
20万円超~
30万円以下
250円
30万円超~
40万円以下
350円
40万円超~
50万円以下
450円
50万円超~
100万円以下
(成行注文)1,000円
(指値注文)1,500円
100万円超 (成行注文)
約定金額の0.1%
(指値注文)
約定金額の0.15%

信用取引

1注文の約定金額 手数料
10万円以下 95円
10万円超~
20万円以下
140円
20万円超~
50万円以下
190円
50万円超~
100万円以下
355円
100万円超~
150万円以下
600円
150万円超~
200万円以下
800円
200万円超 一律1,000円

国内現物取引が1注文の約定金額が50万円超の場合、「マネックストレーダー株式スマートフォン」による取引は成行注文、指値注文に関わらず、手数料は一律で約定金額の0.1%になることを覚えておきたい。

1日定額手数料コースの手数料

1日の合計約定金額 取引手数料
300万円以下 1日何回取引しても2,500円
300万円超~
600万円以下
1日何回取引しても5,000円
600万円超、
300万円増えるごとに
2,500円ずつ加算

1日定額手数料コースでは約定金額300万円の売買=1ボックスとして、月間利用ボックス数に応じて、以下のような手数料割引を受けられる。

月間利用ボックス数 ボックス単位(300万円ごと)の
取引手数料
1~20回 2,500円
21~120回 1日に何回取引しても2,250円
121回~ 1日に何回取引しても1,650円ずつ加算

マネックス証券の2つのデメリット―国内株式取引手数料が割高

口座を開設する際は、メリットだけでなくデメリットもしっかりと見極めたい。

デメリット1,国内株式の取引手数料がやや高い

マネックス証券のデメリットを敢えて挙げるなら、国内株式の取引手数料が他のネット証券に比べるとやや高めであることだ。

例えば、ネット証券の1約定金額あたりの取引手数料最安水準は、5万円以下だと50円(税抜)、5万円超10万円以下なら90円(税抜)だ(SBI証券、楽天証券の場合)。一方マネックス証券では、約定金額が10万円以下の場合、手数料は100円(税抜)である。

ネット証券を選ぶ際に取引手数料の安さだけを判断基準にしてしまうと、マネックス証券の手数料は唯一にして最大のウィークポイントになってしまうかもしれない。

デメリット2,米国と中国以外の外国株の取扱いがない

確かにマネックス証券は米国株に強いが、その他の外国株は中国株しか取り扱っていない。SBI証券はタイやベトナムなど9ヵ国の株式が取り揃えられている。したがって、新興国への投資を考えている人には適さないだろう。

独自性のあるサービスが魅力

マネックス証券では、米国株取引やIPOを始めとする、マネックス証券ならではの特徴的なサービスや、低コストの投資信託、マネックスアドバイザーのように投資初心者に適したサービスなどが多数提供されている。

手数料の安さだけにこだわらなければ、マネックス証券はユーザーの心強い資産形成パートナーになるだろう。

執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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