2020年7月28日9時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米中は現在、貿易問題や香港内政干渉、また知的財産問題に端を発した領事館閉鎖要請など、由々しき状態だ。この問題が仮に領事館では済まず、大使館にまで及べば国交断絶や、最悪の場合、戦闘の可能性まではらんでいる。また、中国が南シナ海における領有権や海洋権益を主張している南沙諸島問題だが、米中対立の狭間にいる台湾も含め、米中の戦闘が起こらないとも限らない。そうなると当事国であるドルが買われることはないだろう。これまで、リスクオフでドルが買われるという流れだったが、そのロジックに違和感があった。しかしそれが、やっと元に戻ったという気がする。

現在の為替相場の戦略やスタンス

現在の米ドル/円だが、先週24日(金)に106円割れて、昨日27日(月)に105.12円付近の安値まで下落した。その後の戻りも鈍く、流れからするとやはり下を狙う方向。また、ユーロ/米ドルが「1.17ドル超え」まで来ており、大きく上に跳ねている。そのため、ドル売りトレンド。よって、ドルが大きく戻ることは考えづらい。今週の米ドル/円予想レンジを、26日(日)時点では104.50~107.00円で考えていたが、107円までは戻らなそうなため、104.50~106.60円に修正したい。戦略としては、106円ミドルで売り場探しをして105円フラットか104.80円付近で買い戻し。売り先行で臨みたい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。