GMがキャデラック初の完全電動ラグジュアリークロスオーバーSUV「リリック(LYRIQ)」を発表。フル充電で480km以上の航続距離を実現

 米国GMは8月6日(現地時間)、キャデラック初の電気自動車「リリック(LYRIQ)」のプロトタイプをオンライン発表した。

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▲キャデラック初の電気自動車「リリック(LYRIQ)」 新開発のモジュール式EVプラットフォームにアルティウム(Ultium)と称する新型バッテリーシステムを搭載する

 キャデラックの100年以上に及ぶ革新技術を活用し、ブランドを新しい時代に導く新世代ラグジュアリーEVとして開発されたリリックは、新開発のモジュール式EVプラットフォームに、アルティウム(Ultium)と称する新型バッテリーシステムを搭載する。バッテリーの素材には最先端のNCMA(ニッケル-コバルト-マンガン-アルミニウム)化合物を採用。正極にはアルミニウム材を使用し、コバルト等のレアアース素材の使用を可能な限り削減する。既存のバッテリーと比較すると、コバルト含有量は70%以上少なくなった。また、バッテリー化合物は平面的なパウチ型セルに封入し、複雑さを省いて冷却の必要性を簡略化。さらに、バッテリーの電子回路をモジュール内に直接組み込み、現行のGMバッテリーパックと比べて配線を約90%削減する。バッテリー容量は現状で100kWhとアナウンス。航続距離は300マイル(約483km)以上を実現した。なお、以前の技術発表ではバッテリー容量200kWhも可能と公表しており、今後の進化が期待されるところである。

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▲バッテリーの素材には最先端のNCMA(ニッケル-コバルト-マンガン-アルミニウム)化合物を採用。正極にはアルミニウム材を使用し、コバルト等のレアアース素材の使用を可能な限り低減した

 駆動システムに関しては、モーターをリアに搭載したRWDで構成。また、フロントにセカンドドライブユニットを組み込んだパフォーマンスAWDもオプションで用意する。バッテリーパックを車両の中央付近に配置して前後重量配分を約50:50とし、さらに重心を低く設定することで、走行安定性とハンドリング性能を鋭意高めたことも、リリックのアピールポイントだ。一方で充電については、自宅と外出先にかかわらず迅速かつ利便性に富む充電オプションを用意。直流(DC)急速充電では、150kW以上での充電を可能とした。

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▲駆動システムはモーターをリアに搭載したRWDで構成。フロントにセカンドドライブユニットを組み込んだパフォーマンスAWDもオプションで用意する

 エクステリアについては、キャデラック・ブランドの新世代EVにふさわしい新しいデザインアプローチやプロポーションなどによって、斬新なクロスオーバーSUVスタイルに仕立てたことが訴求点だ。まずフロント部は、表情豊かな“ブラッククリスタル”グリルや縦長のスリムなLEDシグネチャーライティングなどが目を惹く。また、サイドビューは張りのあるラインとクリーンなサーフェスで構成したパネル面や低くなだらかに傾斜するルーフ ラインが印象的。そしてリアセクションは、スリムなLEDを組み込んだスプリットテールランプデザインやルーフから流れるように続くスポイラーなどによって、存在感あふれる後ろ姿を創出した。

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▲フロントフェイスは表情豊かな“ブラッククリスタル”グリルや縦長のスリムなLEDシグネチャーライティングで構成
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▲スリムなLEDを組み込んだスプリットテールランプデザインがリアビューを彩る

 内包するインテリアは、ドライバーの視野全体に広がる対角33インチのアドバンスドLEDスクリーンを採用したことがトピック。また、デュアルプレーン拡張現実(AR)対応ヘッドアップディスプレイやスーパーバイズド(監視を伴う)リモートパーキングなどの新技術も採用する。さらに、20万マイル(32万1800km)以上の互換性のある高速道路で利用でき、合わせて自動車線変更機能に対応できるように強化した完全ハンズフリー運転支援システム「スーパークルーズ」の最新バージョンも組み込んだ。ほかにも、キャビン空間に侵入する騒音を効果的に抑制する新型ロードノイズキャンセリングや乗員が好きな音楽を最良の音で聴けるAKGサウンドシステムなどを設定している。

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▲ドライバーの視野全体に広がる対角33インチのアドバンスドLEDスクリーンを採用。ドライバーインフォメーションの詳細、インフォテインメント・コントロール、カメラビューなどを巧みに統合表示する

 なお、リリックの発売時期や日本への導入時期などについては、現時点で未定である。

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▲航続距離は300マイル(約483km)以上を実現。日本への導入時期は現時点で未定だ
Writer:大貫直次郎

(提供:CAR and DRIVER