2020年9月2日11時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日1日(火)の為替市場では、ユーロが反落。一時1.2000ドルのバリアをブレイクし、1.2011ドルの高値まで到達。しかし、その後ECBのチーフエコノミストが「為替レート、目標ではないが重要」と口先介入ともとれる下記のコメントをし、1.1900ドル台前半まであっさり反落。


欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーでチーフエコノミストのフィリップ・レーン理事は、為替レートを金融政策の目標にしてはいないが、「ユーロ・ドルのレートは重要」だと、オンラインで行われたパネル討論会で語った。「ECBにはインフレに関する責務があり、欧州経済全体の動向に留意している」
ユーロ・ドルの為替レートに「ここ数週間である程度の水準訂正が起きているのを目の当たりにしている」
ユーロの回復力向上やユーロへの投資に関連するリスクの低下などが「重要な力」となっている。


ただ下記のブレイナードFRB理事のコメントがドルの急反発を止めているともいえる。


米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は昨日1日(火)、米経済が向こう数カ月に「かなりの不確実性」に直面すると述べ、新型コロナウイルス感染拡大からの米国の回復を支えるため金融当局と財政当局の両方からの支援継続を呼び掛けた。ブレイナード理事はブルッキングズ研究所が主催したバーチャル形式のイベントで、「財政支援は多くの家計や企業の維持に引き続き不可欠だろう」と語り、支援のタイミングと規模が見通しの「重要な要素」だと指摘。 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的に転換することが重要になろう」と付け加えた。
(出所:ブルームバーグ)


現在の為替相場の戦略やスタンス

大きな流れは変わらずドル安だが、前述のECBのチーフエコノミストのコメントでユーロ/米ドルの1.2000ドル超えはいったん失敗した形に。ユーロ/米ドルの1.2000ドル超えは一定の時間がかかりそうなので、対ドルでの豪ドルのロングはいったん全て利益確定しスクエアにして、豪ドル/円の押し目買いに変更したい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。