ブラジル中央銀行の総裁・Roberto Campos Neto氏が、「2022年までには、中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)を発行する環境が整うだろう」と発言した。3日、地元メディア「Correio Braziliense」が報道した。

報道によると2日、海外メディア主催のカンファレンスに招かれたRoberto Campos Neto氏は、「CBDCを開発するためには、効率的で相互運用可能な即時決済システム、競争を生み出すオープンなシステム、そして信頼性があり、交換可能であり、国際的に活用される仕組みを作らないといけません」「その仕組みができれば、CBDCを持つための材料は揃っていると思います。我々は2022年までには発行準備が整っていると考えています」と、述べた。

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(画像=月刊暗号資産)

またCBDCについて「ビットコインのような国家的な保証のない暗号資産とは異なり、国の金融当局がすでに発行している通貨を新たに表現しただけのものだ。つまり発行国の金融政策の一部である」と、説明している。

ブラジルの中央銀行は先月、CBDC発行の影響を評価するためのワーキンググループを立ち上げた。同国の法定通貨をデジタル化することによる効果や影響を、多方面から分析するという。

このグループは、中央銀行と政府内の人間で構成され、CBDCの発行がブラジルの決済エコシステムにどのような影響を与えるか評価する。半年から1年以内にブラジルの金融の将来について見解をまとめる予定だ。

ブラジル中央銀行は今年2月、新しい即時決済システム「Pix」の導入について発表した。今年11月からブラジル全土で利用可能になるという。

この決済インフラは中央銀行によって管理される。システムは24時間年中無休で稼働し、スマートフォンを介して金融機関の口座にある資金を数秒で送金・決済できる。

Roberto Campos Neto氏によると「Pix」の導入も、CBDCによってブラジルの金融システムを近代化するための実験の一環であるという。(提供:月刊暗号資産