14日、安倍晋三首相の後任を決める自民党総裁選が行われ、菅義偉官房長官が1回目の投票で過半数を占め、新総裁として選出された。
菅氏は、自身は無派閥であるものの、党内7派閥のうち、細田派や麻生派、二階派など5派閥の支持を受け、異例となる無派閥議員による総裁就任となった。
総裁選は両院議員総会の形式で午後2時から都内ホテルで行われ、菅氏が377票、岸田文雄氏が89票、石破茂氏が68票という結果になった。これにより、菅氏は16日に召集される臨時国会での首相指名選挙を経て正式に首相へ就任し、同日新内閣が発足される見込みだ。
菅氏は安倍政権の政策を引き継ぐ姿勢を見せつつ、携帯電話料金の値下げや、日本のデジタル化を推進すべく「デジタル庁」の創設などを訴えてきた。また、岸田氏もビックデータの活用を促す「データ庁」の設置構想を打ち立てるなど、今回の総裁選では新型コロナウイルスへの対応と、その感染拡大に伴うデジタル化の必要性が挙げられた格好だ。
菅氏が構想するデジタル庁は電子行政の一元化を目指すもので、「行政のデジタル化」の必要性を強調した。
マイナンバーカードの普及が滞っていることも背景にあるとされ、菅氏は「2年半後に国民全員に行き渡るようにしたい」と意欲を見せている。
菅氏が掲げる「縦割り打破」を象徴するデジタル庁において、ブロックチェーンが使われるかは不透明だ。
しかし、経済財政運用の指針とされる「骨太の方針」において次世代技術の重要性について言及されている背景等を踏まえると、将来的にブロックチェーンの利用が検討される可能性は高いだろう。
骨太の方針に関連して、中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)に関しても今年に入り本格的な検討がなされてきたことから、議論がより活発的に行われるかもしれない。
菅氏の任期は安倍首相の残りの任期である来年9月となるが、この約1年で行政およびモノのデジタル化にどれほどの進展が見られるか注目が集まるところだ。(提供:月刊暗号資産)