東南アジア・タイの中央銀行、タイ銀行(BOT)は、ブロックチェーン技術を活用したプラットフォーム上で国債を発行した。11日、同銀行がプレスリリースで発表した。

タイ銀行としては、集めた国債で投資家に対し(ブロックチェーンを使った)投資の購入体験をしてもらい、投資の業務効率を改善し、全体的なコストを削減することを目的に行ったという。この国債は、わずか1週間で500億バーツ(約1,700億円)が完売した。

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(画像=月刊暗号資産)

今回のブロックチェーン技術を使って発行した国債は、タイ銀行が中心となって進めているブロックチェーンプロジェクト「DLT Scripless Bond Project」が関わっている。

ブロックチェーン技術を使うことで、より安全で効率的な国債インフラを開発するために、バンコク銀行、クルンタイ銀行、カシコン銀行、サイアム商業銀行など8つの機関で国債を発行した。

次のフェーズとして、タイ政府が発行する債権を、ブロックチェーン技術を使ったプラットフォーム上で発行する予定だ。

タイは、ブロックチェーンについて好意的な国だ。

CBDCの実証実験をすでに進めており、入国に必要な査証をデジタル化した電子到着ビザ(eVOA)などに、ブロックチェーン技術を使った開発が進行中である。

また司法制度のIT化を促進する「D-Court」(デジタル裁判所)も設立されており、2020年中に全ての裁判所の手続きをデジタル化するよう計画されている。

来年には、タイ全国のデジタル裁判所から収集されたデータをブロックチェーンで保管・管理するネットワークを開発中であることが、司法裁判所から公式に発表されている。

またタイに拠点を置く「トヨタリース」は2019年12月にブロックチェーン債を発行している。

タイは2016年ごろからブロックチェーン技術の活用を着実に進めてきており、今後の動きに注目が集まる。(提供:月刊暗号資産