LINE証券は1株からの売買や、投資情報をLINEで受け取れるなど、「アプリでまずは少額投資を始めたい」という人にぴったりの証券会社。「投資をもっと手軽に、もっと身近なものにする」を目的に掲げたLINE証券のメリット・デメリット、サービスの概要などを紹介する。
1,LINE証券の特徴は?
スマホ時代に誕生した新しい証券会社「LINE証券」は、どのような特徴のある証券会社なのか、どのようなサービスを提供しているのかなど、LINE証券の基本情報を押さえておこう。
LINE証券はLINEアプリを活かした初心者向けサービス
LINE証券を簡単に説明すると、以下のようになる。
・スマートフォン取引に特化した証券会社
・いつも使っているLINEアプリを使って取引ができる
・LINEの使いやすさと、野村證券の豊富な投資情報や経験を融合した金融サービス
・LINEに親しみを持つ投資初心者がターゲット
LINE証券がサービスを開始した当初(2019年8月)は単元未満株の取引だけだったが、その後投資信託、単元株取引、信用取引サービスを段階的に追加して、2020年6月からは、つみたて投信サービスも開始した。
2020年2月の株価急落以降、LINE証券での1日の平均売買代金は3.6倍に、口座数も2倍に増加。LINE証券は着実にサービスを拡充し、成長過程にある証券会社と言えるだろう。
なお、LINE証券は現在新規口座開設でもれなく現金1,000円をプレゼントするキャンペーンを開催している。 また、簡単なクイズに正解するだけで3株分の購入代金をもらえるキャンペーンも現在期間限定で実施しているので、口座開設するならキャンペーン開催中の今がおすすめだ。
LINE証券の基本情報
LINE証券が提供するのは、LINEアプリをベースにした金融サービス。同社の会社概要や各商品の取引手数料、取引ルールなどの情報を一覧表で紹介する。
LINE証券のサービス基本情報一覧
会社情報 | 会社名 | LINE証券 | |
設立 | 2019年6月24日 (LINE証券へ商号変更) |
||
資本金 | 200億円 | ||
自己資本規制比率 | 619.5% (2020年3月31日現在) |
||
口座 | 口座開設、口座管理 | 手数料無料 | |
即時入金 | 手数料無料 | ||
銀行振込入金 | 手数料はユーザー負担 | ||
出金 | LINE Payへの出金 | 手数料無料 | |
登録口座への出金 | 1回220円(税込) | ||
取引アプリ | LINE | ||
取扱商品 | 国内現物 株式取引 |
・単元未満株式 (1000銘柄) ・国内ETF (15銘柄) |
銘柄、取引時間ごとに スプレッドが異なる |
・単元株 (東証上場全銘柄) |
【買付】取引手数料無料 【売却】約定代金ごとの 取引手数料 99~869円(税込) |
||
国内信用取引 (取引所の制度信用取引のみ) |
買付および売却時の 取引手数料無料 |
||
投資信託(30銘柄) つみたて投信 |
・取引手数料無料 ・つみたて投信の引落手数料無料 |
||
サポート体制 | ・AIチャットボット (月曜日~日曜日まで、 原則1日24時間) ・オペレーターによるチャット (平日9:00~17:00) |
会社情報 | |
---|---|
会社名 | LINE証券 |
設立 | 2019年6月24日 (LINE証券へ商号変更) |
資本金 | 200億円 |
自己資本規制比率 | 619.5% (2020年3月31日現在) |
口座情報 | ||
---|---|---|
口座開設、口座管理 | 手数料無料 | |
即時入金 | 手数料無料 | |
銀行振込入金 | 手数料はユーザー負担 | |
出金 | LINE Payへの出金 | 手数料無料 |
登録口座への出金 | 1回220円(税込) | |
取引アプリ | LINE |
取扱商品 | ||
---|---|---|
国内現物 株式取引 |
・単元未満株式 (300銘柄) ・国内ETF (15銘柄) |
取引手数料無料 ※基準価格にスプレッド (基準価格の0.05~0.5%) を上乗せ |
・単元株 (東証上場全銘柄) |
【買付】取引手数料無料 【売却】約定代金ごとの 取引手数料 99~869円(税込) |
|
国内信用取引 (取引所の制度信用取引のみ) |
買付および売却時の 取引手数料無料 |
|
投資信託(28銘柄) つみたて投信 |
・取引手数料無料 ・つみたて投信の引落手数料無料 |
サポート体制 | |
---|---|
AIチャットボット | 月曜日~日曜日まで、 原則1日24時間 |
オペレーターによるチャット | 平日9:00~17:00 |
※上記一覧は、LINE証券ホームページを参照して作成した
2,LINE証券の5つのメリット――格安な手数料、スマホだけで完結など
他の証券会社に比べてLINE証券のほうが有利なサービスや、LINE証券ならではのサービスなど、4つのメリットを挙げてみたい。
メリット1,取引所取引の買付時取引手数料は無料、相対取引のコストも格安
LINE証券では、取引所取引(単元株取引)の買付時の取引手数料が無料になっている。売り注文時には約定代金に応じた取引手数料がかかるが、この手数料も他のネット証券並みに安く設定されている。
相対取引(単位未満株取引、国内ETF)では、買付時も売付時も取引手数料は無料だ。ただし相対取引では、注文時間帯に応じてスプレッドが取引コストとして基準価格に上乗せされる。
LINE証券の取引手数料(取引所取引)
約定代金 | 取引所取引 (単元株) |
|
買い注文 | 売り注文(税込) | |
~5万円 | 無料 | 99円 |
~10万円 | 176円 | |
~20万円 | 198円 | |
~50万円 | 484円 | |
~100万円 | 869円 |
相対取引時のスプレッド(単元未満株、国内ETF)
注文時間帯時間 | ※スプレッド | 基準価格の定義 |
9:00~11:20 12:30~14:50 |
グループA 0.2% グループB 0.3% グループC 0.4% |
取引所(東証)の最良気配を基準 |
11:30~12:20 | グループA 1% グループB 0.3% グループC 0.4% |
取引所(東証)の最良気配を基準 |
17:00~21:00 | グループA 1% グループB 取扱時間外 グループC 取扱時間外 |
翌日の基準価格 |
同じように単元未満株を取り扱うSBI証券では、「S株」という単元未満株サービスの取引手数料が約定代金の0.55%(税込)であることを考えると、LINE証券の相対取引のスプレッドが格安であることがわかる。
メリット2,スマートフォンだけで、口座開設から豊富な投資情報の入手までカバー
スマートフォン専用証券会社と銘打っているだけに、口座開設の申し込みや売買注文はスマホだけ、それもLINEアプリを使って簡単にできる。スマホだけでも、以下のような豊富な投資情報を入手できる。
・LINE通知で届けられる、AIの株価トレンド予想つき企業の決算発表レポート
・個別銘柄のチャート、業績情報、PERやPBRなどの企業分析指標
・株主優待、配当情報
・LINEによる各種通知
これだけの量と質の投資情報を使用できれば、投資初心者にとっては満足のいく投資環境と言えるだろう。
メリット3,入金にLINE PayやLINEポイントを利用できる
LINEユーザーにはお馴染みのキャッシュレス決済・送金サービス「LINE Pay」から、LINE証券の口座に簡単に入金できる。さらに、貯まっているLINEポイントを1ポイント=1円で投資に使うこともできる。
もちろん、他の証券会社同様に金融機関の即時入金サービスや銀行振込にも対応している。
メリット4,タイムセールなど単元未満株もさらにお得に!
LINE証券には、少額投資をする投資家に便利な環境が整っているのもメリット。
LINE証券が選別した有名企業や注目企業1000銘柄からお好みの銘柄をチョイスして、1株から売買できる単元未満株取引(相対取引)を利用できる。できる。1口から購入できる国内ETFも、厳選された15銘柄が用意されている。
またLINE証券の独特のサービスとして、「株のタイムセール」というものがある。これは毎月1回行われるもので、LINE証券が選んだセール対象銘柄を、1人1銘柄のみ決められた上限株数まで購入できるというもの。
割引率は3%、5%、7%のいずれかとなり、取引コストは0円。タイムセールの開催日や対象銘柄はLINE証券の公式アカウントで発表される。LINE証券のメリットを最大限に享受したいなら、このサービスにはぜひとも参加しておきたい。
メリット5,単元未満株の取引時間が長い
単元未満株の取引ができる時間が長いのも、LINE証券の特徴だ。平日の日中は一部時間を除く9時から14時50分、それに加えて夜間取引として17時から21時まで取引できる。証券業界で夜間に単元未満株を取引できるのは、LINE証券だけだ。
なお、単元未満株同様に相対取引が行われる国内ETF取引は、夜間取引に対応していないので注意したい。
3,LINE証券の4つのデメリット、NISAやiDeCoがない、サービスが新鮮味に欠けるなど
LINE証券には、低コストや使い勝手の良さなどの突出したメリットがある反面、デメリットもある。
デメリット1,NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)がない
低コストで少額投資できるのがウリのLINE証券だが、2020年7月27日現在はNISA口座、iDeCoを利用することができない。
NISA口座やつみたてNISA口座で取引した株式や投資信託の売却益や配当は、すべて非課税になる。iDeCoは節税メリットの多い個人向けの積立型確定拠出年金で、所得税や住民税が軽減される、運用益は非課税、退職金や年金として受け取ると控除があるといった魅力がある。
NISAもiDeCoも節税効果が高く、将来に向けた資産形成を考える投資初心者なら、両サービスへの関心は高いはず。これらの仕組みを利用したいときは、別の証券会社で口座を開設しなくてはならず、手間がかかる。
デメリット2,商品やサービスが新鮮味に欠ける
LINE証券は比較的新しいネット証券だが、新興の証券会社によくある目新しいサービスや商品は見当たらない。あくまでも、従来の総合証券やネット証券のサービスを、初心者向けに少額投資や低コストにこだわって提供している印象だ。追加される商品についても、他の証券会社の追随である。
LINE証券は、従来のネット証券では資金不足で取引ができなかった人にはピッタリだが、自由で新しいスタイルで投資を始めたい人には、面白みに欠けるかもしれない。
デメリット3,単元未満株取引を繰り返すと、スプレッドの負担が大きくなる
単元未満株や国内ETFの買付を何度も繰り返すと、取引手数料は無料でも毎回スプレッドが上乗せされるので、取引コストが増加してしまう。
単元株取引であれば、買付時の取引手数料が無料だ。一度に大きな資金を投資に回せないからといって、単元未満株取引を何度も繰り返すよりも、資金を貯めてから単元株を購入したほうが安いコストで取引できる。
株主優待を目的に単元株の保有を考えている場合は、この点に注意して資金計画や投資予定を立てたほうがいいだろう。
デメリット4,LINE証券口座の残高を現金化するのに、必ず手数料が発生する
LINE証券口座からの出金方法として、LINE Payではなく登録する銀行口座への出金を選ぶと、1回につき220円(税込)の手数料がかかる。出金手数料が有料であることは、全体的な収益を考えると出金をためらうほどの問題だ。
LINE Payへの出金は無料だが、LINE Payから出金しようとすると、やはり220円(税込)の手数料がかかる。銀行振込でも、176円(税込)の手数料が必要だ。
LINE証券内で売買を繰り返す人や、現金化せずにLINE Payで使う人は気にならないかもしれないが、LINE証券口座の残高を現金化するには、どうしても手数料がかかってしまうのは大きなデメリットだ。
4, LINE証券の評判・口コミを紹介 利用者が感じるメリット・デメリットは?
ここからは実際にLINE証券を使っているユーザーが感じていることを紹介していこう。
LINE証券のメリット・良い口コミ
少額投資ができることや、LINEポイントを使えるところなど、初心者でも不安が少なく投資ができる点がメリットとしてあがった。
N.Tさん|30代男性
営業職の会社員
LINEのアプリと連動しているので、ログインのしやすさやアクセスのやりやすさはトップクラスだと思います。投資の金額としては小額から取引ができ、投資信託であればひと口100円、株式取引であれば1株数百円レベルの取引が可能です。初心者でもやりやすいサービスだと思います。
T.Yさん|40代男性
製造業・自営業
まず貯まったLINEポイントをそのまま投資に使える点は非常に良い点です。なのでLINEポイントが貯まりやすい経済圏に入る方にはかなりおすすめできる証券会社と言えます。あと少額でも株を買えるので資金がそんなにない人でも始めやすいです。なので大学生やフリーターなどの収入が少ない方でも気軽にコツコツと投資できます。
T.Mさん|30代男性
医療関係の会社員
低額料金から投資を始められる点はメリット大です。通常なら最低100株から購入開始など制限ある場合が主ですがLINE証券は位置化単位から購入できるメリットがあります。例えばマツダや楽天などの主要企業も1株単位から購入できるので小遣い稼ぎ2はメリット大です。
T.Iさん|30代女性
事務職の自営業
数百円からでも株を購入できるのでこれから初めて株をやりたいと思っている人が始める事ができるのが魅力です。とりあえず株を勉強したいという人にオススメというのがここの良さです。
Mさん|30代女性
専業主婦
LINE証券は1株単位から株を購入できるので、普段手を出せないような有名銘柄でも、お小遣いの範囲で気軽に購入できるのが魅力です。また、LINE Payからの入金、出金には手数料がかからないという点は、何度も取引を続けていく上で便利だなと思います。
LINE証券のデメリット・改善してほしいところ
一方で銘柄数が少ない、チャートがわかりにくい、NISAに対応していないなどマイナス意見も寄せられている。
T.Iさん|30代女性
事務職の自営業
LINE証券のデメリットは何かというとここで扱っている銘柄が少ないというのがあります。もう少しここで扱う株の銘柄が増えると良いと思います。なので、これまでにすでに株投資をやっているという人にとってはあまり良いと思えないので、もう少し銘柄が増えると良いと思っています。
T.Mさん|30代男性
医療関係の会社員
チャートはとにかくわかりにくい。いわゆる赤線青線でのヒゲラインが見えることはなく、またゴールデンクロスなど7日線や月線などを見ることはできないので、チャートで購入する方は控えたほうが良いです。全銘柄が1株単位で購入可能なわけではないため、自分の興味がある会社はある程度の資金がないと買えないこともある。
Y.Kさん|20代男性
サービス業アルバイト
最大のデメリットは、売り注文買い注文が9~15時までしか出来ず、時間外取引注文ができないところかなと。やってみて、一番に感じたところです。更には、前場と後場終了10分前になると取引が停止するため、他の証券と違い、直前で出来なかったり、後は値設定ができないのが最大のデメリットかなと考えます。
N.Tさん|30代男性
営業職の会社員
やりやすさをメインにしているので、投資を本格的にやっている方からすればシンプルすぎて使いづらいというところがあります。特に大金を扱うような取引には向きません。あとNISAに対応しておらずNISA枠を利用した取引を希望されている方は別のサービスを利用しなければなりません。
T.Yさん|40代男性
製造業・自営業
デメリットは取り扱っている金融商品の種類がかなり少ないので幅広く投資したい人や自分の好みの会社に投資したくても取り扱ってなければ投資ができないというデメリットが発生するのです。でも良い風に考えれば銘柄選びに迷いが出にくいともいえるかなっておもいます。
Mさん|30代女性
専業主婦
LINEアカウントを使ってのログインになるので、LINE証券を開くのにパスワード等が必要ではなく、携帯本体を操作されてしまうと他の人でも簡単に利用できるという点がデメリットとして挙げられます。出金する際にはIDやパスワードを入力するので、勝手に出金されてしまうことはないですが、本体にロックをかけるなどの注意が必要です。
5,LINE証券はどんなにおすすめ?資産形成に興味のある投資初心者の第一歩に
LINE証券の目的は、LINEを使って投資をもっと手軽で身近なイベントにして、多くの投資初心者を投資の世界に呼び込むことだ。
そのため、LINE証券の公式アカウントや取引画面は、投資の専門知識がない人でもわかりやすい構成になっている。資金の少ない人でも無理なくチャレンジできる単元未満株取引サービスも充実しており、取り扱う商品の取引手数料も大半は無料だ。
将来的なことを考えると資産形成をそろそろ始めたいが、元手になる資金が不十分なため、これまでは時期尚早と諦めてきた人は、気軽に投資を始めることができるだろう。
また、投資に興味はあるものの、新興のネット証券各社に見られるような斬新で新しいスタイルの投資手法は苦手。証券業界で長年の実績がある普通の株式投資や投資信託で、地道に資産形成していきたいという堅実路線の人にとっても、「株のタイムセール」などは魅力的。
LINE証券は、このようなタイプの投資未経験者が投資を始めやすい証券会社といえる。
執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
【関連記事 MONEY TIMES】
【初心者向け】ネット証券おすすめランキング
日本の証券会社ランキングTOP10 売上高1位は?
ネット証券会社比較 手数料の安い4社
楽天証券のメリットとデメリット SBI証券と比較
ネット証券会社のシェアランキング1位はSBI証券
金融業界の新着情報をメールマガジンでお届け
厳選された有料記事を月3本までお試しできます