トヨタGRヤリス 価格:265~456万円 新車ニュース

トヨタGRヤリス
トヨタGRヤリスRZハイパフォーマンス 価格:6MT 456万円 トヨタ久々の4WDスポーツ WRC勝利のため先進テクノロジーを積極投入 1.6リッターターボ(272ps)のRZ/RC系と1.5リッター(120ps)のRSを設定

モータースポーツから学ぶ開発手法を採用。すべてが本格派

 今年1月に世界初公開されたGRヤリスが、9月4日に発売された。20年ぶりに復活したスポーツ4WDであると同時に、トヨタのスポーツモデルの未来を支える重要なモデルである。

 86はSUBARUとの共同開発、スープラはBMWとの共同開発が話題になった。トヨタほどの規模なら自社開発など容易なはずだが、それをしなかった理由は、「スポーツカーをビジネスとして成立させるため」。社会情勢や景気に左右されずにスポーツカービジネスを行うためには、従来とは異なるアプローチが必要だった。それは一度消滅したスポーツカーの復活がいかに大変かを、身を持って経験してきたトヨタだからこそのアイデアだった。

 その一方で、GRヤリスはトヨタ独自で開発を行っている。「市場規模の小さいスポーツカーを継続させる」という志は86/スープラと同じだが、もうひとつのミッションがある。それは1999年にセリカGT-FOURの生産終了以降、失っていたスポーツ4WD開発の技術や技能を取り戻すこと。自分たちの手を使って挑戦する必要があったそうだ。
 失われた時間を最短で取り戻すために、モータースポーツから学ぶ開発手法を選択。開発責任者の齋藤尚彦氏は「強いクルマ作りはWRCマシンを開発するTMR(トミ・マキネン・レーシング)、市販車では考えられない評価はレーシングドライバー/ラリードライバーから学んだ」と語る。さらにモリゾウこと豊田章男社長も初期段階からマスタードライバーとして開発に携わり、毎週のようにテスト車に乗り評価を行った。ドライバーのダメ出しをすべてデータに置き換え、その場で対応する方法で開発したという。

 生産は元町工場のスポーツカー専用ライン、GRファクトリーで行う。多品種少量や高精度組立を実現させるために、ベルトコンベアのないAGV(無人搬送車)を用いた特別ラインで、全国から集められた熟練職人による丁寧かつ正確な組み付け、生産が行われる。

トヨタGRヤリス
RZハイパフォーマンスは前後トルセンLSD標準 ボディカラーは写真のエモーショナルレッド2など全4色

エンジンはパワフル&スムーズな伸びが印象的! フットワークはアンダーしらず

 走りは、世界最高水準。1.6リッターターボは、フラットなトルク特性とレスポンスのよさ、7000rpmのレッドゾーンを超えていきそうな伸びが印象的。6速MTのシフトフィールも素晴らしい。ハンドリングは、アンダーしらずのフロントと、ドシッと踏ん張るリアの安定性が絶妙にバランス。操作しだいで、オーバーステアまで自在に持ち込める。

 モデルラインアップについて紹介しよう。販売の中心は RZ(396万円)とRZハイパフォーマンス(456万円)。272ps/370Nmを発揮する1.6リッター直噴ターボ+6速MT、GR-FOURと呼ばれるコンパクト&軽量なハイレスポンスカップリング式の4WDシステム、専用プラットフォーム&サスペンションといったメカニズムは初回限定モデル、ファーストエディションと共通。RZハイパフォーマンスは運動性能をいちだんと引き上げるBBS製鍛造アルミホイールやミシュラン・パイロットスポーツ4Sタイヤ、前後トルセンLSDを装備する。

 ファーストエディションと異なるポイントは見た目の部分。ラジエターグリルや前後のスポイラー、アルミホイールは、ファーストエディションのマットブラックに対して艶ありブラック仕様。インテリアはファーストエディションで選択可能だったエモーショナルカラー(ステッチとシート表皮に赤を用いている)は選択できず、シルバーステッチ仕様になる。

 RZ、RZハイパフォーマンスのどちらを選んでも「軽さ」と「手足のように操れる操縦性」は共通。RZハイパフォーマンスはLSD効果と相まって、アクセルONで積極的に向きを変える、すっきり軽快な足さばき。RZは素直なクルマの動きで穏やかでしっとりした印象が強い。

トヨタGRヤリス
GRヤリスはモータースポーツから学ぶ開発手法を導入 徹底的な走り込みで機能を熟成

RCはラリー用ベース。RSは魅力的な「プレミアムコンパクト」

 もう1台の4WDスポーツがRC(330万円)、競技用に装備が簡素化されたグレードだ。基本的なメカニズムはRZ系と共通だが、ラリー用の小径タイヤを考慮したフロントブレーキやステアリングナックル、ダート走行などでのトラクション性能を重視した専用トランスファー(オプション)、17インチアルミを装着。エアコンレス(オプション装着可)でカギはスマートキーではない。

 注目は RS(265万円)だ。 RSはGRヤリスの世界観を身近に味わってもらうための入門モデル。標準ヤリスと同じ120ps/145Nmを発揮する1.5リッターのNAユニットとダイレクトCVTを組み合わせ、駆動方式はFFになる。
 絶対的なスピードはスペック相応だが、驚きはフットワーク。スポーツモデルというより、むしろ「プレミアムコンパクト」と呼びたいくらいの優しさと高い動的質感を備えた乗り味に仕上がっている。オシャレなクーペ感覚で乗りたい、と感じた。

 GRヤリスは、ハードはもちろんモノづくりのプロセスに関しても、豊田章男社長が語る「もっといいクルマづくり」が徹底されている。クルマからトヨタの「本気」が伝わってくる。

トヨタGRヤリス
1618cc直3DOHC12Vターボ 272㎰/6500rpm 370Nm/3000~4600rpm ボア×ストローク87.5×89.7mm
トヨタGRヤリス
RZハイパフォーマンスは225/40ZR18ミシュラン・パイロットスポーツ4S+BBS製8J鍛造アルミ標準
トヨタGRヤリス
エグゾーストエンドパイプは大径左右ツイン 排気ノートは刺激的な重低音
トヨタGRヤリス
GRヤリスは専用小径スポーツステアリング装着 ハンドリングは自在感覚 中央は8インチディスプレイオーディオ RZハイパフォーマンスはJBLサウンド標準
トヨタGRヤリス
トヨタGRヤリス
RZハイパフォーマンスはプレミアムスポーツシート装着 素材はウルトラスエードと合成皮革のコンビ 乗車定員4名
トヨタGRヤリス
6速MTはクロースレシオ設定6速MT 最適な回転制御を行うi-MT機能搭載
トヨタGRヤリス
メーターは2眼式 中央液晶パネルに前後トルク配分/ブースト計など表示
トヨタGRヤリス
ノーマル/スポーツ/トラックを切り替える4WDモード切り替えスイッチ

トヨタGRヤリスRZハイパフォーマンス 主要諸元と主要装備

トヨタGRヤリス

グレード=RZハイパフォーマンス
価格=6MT 456万円
全長×全幅×全高=3995×1805×1455mm
ホイールベース=2560mm
車重=1280kg
エンジン(プレミアム仕様)=1618cc直3DOHC12Vターボ
最高出力=_200(272)/6500kW(㎰)/rpm
最大トルク=370(37.7)/3000~4600_Nm(㎏m)/rpm
WLTCモード燃費=13.6km/リッター(燃料タンク容量50リッター)
(市街地/郊外/高速道路:10.6/13.8/15.3km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=225/40ZR18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=4名
最小回転半径=5.3m
●主な燃費改善対策:筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング /アイドリングストップ/充電制御
●主要装備:アクティブトルクスプリット4WDシステム/4WDモードセレクトスイッチ/スポーツモード付きVSC/トルセンLSD/専用チューニングサスペンション/フロント18インチアルミ対向4ポットキャリパー&リア16インチアルミ対向2ポットキャリパーブレーキ/空冷インタークーラー/カーボンルーフ(フィルム)/アルミ製ボディパネル/リアスポイラー/3灯LEDヘッドライト/スポーツメーター/本革巻きステアリング&シフトノブ/アルミペダル/スマートエントリー/フロントプレミアムスポーツシート(ウルトラスエード&合成皮革)/フルオートAC/8インチディスプレイオーディオ/BBS製鍛造アルミ/ミシュラン・パイロットスポーツ4Sタイヤ/盗難防止システム/JBLサウンドシステム+アクティブノイズコントロール
●装着メーカーop:トヨタセーフティセンス(プリクラッシュセーフティ+レーントレーシングアシスト+レーダークルーズコントロール+ブラインドスポットモニター+クリアランスソナー&バックソナーほか)24万9700円
●ボディカラー:エモーショナルレッド2(op5万5000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は8820円

トヨタGRヤリス
ドアはサッシュレス構造 開閉音は重厚な印象 各部の作りは入念で骨太
トヨタGRヤリス
GRヤリスRC 価格:6MT330万円 RCはモータースポーツベース車 17インチタイヤ装着
トヨタGRヤリス
GRヤリスRS か各:10CVT 265万円 RSはムードを楽しむFFモデル 1.5リッター直3エンジン(120ps)搭載
トヨタGRヤリス
ボディパネルはマルチマテリアルの軽量仕様 ボンネット/ドア/リアゲートはアルミ製 ルーフはカーボン(CーSMC)素材を採用 前後重量配分は4WDスポーツの理想を追求 バッテリーをラゲッジルーム床下に配置するなどの工夫で59対41を実現
Writer:山本シンヤ Photo:小久保昭彦+TOYOTA

(提供:CAR and DRIVER