「エステ費用のために本当にお金を借りても大丈夫?」「ローンが返済できなくなったらどうしよう!」
このような不安を抱える人にお伝えします。
エステでローンを借りてはいけないのでしょうか?いいえ、エステでローンを借りても良いんです。ただ、注意しなければいけないこともあります。
今回はエステについて知識の乏しいおじさん銀行員の筆者が、エステの基本を学習して、得意分野のローンとあわせて説明します。
文・加藤隆二(銀行員ライター)
地方銀行に30年間勤務する銀行員ライター。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級、個人資産相談)、生保損保代理店資格、その他銀行業務検定資格複数保有。事業資金から、住宅ローンやカードローンなど借入全般の相談を数多く対応。返済が困難なお客様の、いろいろな相談を聞き、一緒に考え解決してきた一方、倒産、自己破産や一家離散、あるいはもっと不幸なケースにも関わって、お金の素晴らしさと怖さを、イヤと言うほど知っています。こうした経験を活かし、読者の役に立つ文章を書いていきたいと思います。
エステのためにローンを借りてもいい!エステ利用者の半数が利用
冒頭の結論を繰り返しますが、エステ費用はローンを借りてもいいんです。ローンで支払うのは、普通のことです。
エステ利用者の半数がローンを利用
2002(平成14)年と少し古いのですが、経済産業省の統計データでは以下の結果が示されています。
・エステ費用の支払いは「前払い」が全体の約7割、施術の都度支払う「都度払い」が3割
・いの内訳は「現金払い」(クレジットカード払いを含む)と「割賦払い」がそれぞれ半数
統計では、まとめて前払いする人のほうが多く、その前払いするお金は現金払いと割賦払い(*)が半々だというのです。
なお、ここでいう割賦払いとは「とりあえず他で準備したお金で払っておいて、あとから分割返済する」という意味でローンも含まれます。
つまり、統計データでもエステ費用をローンで払うのが普通だと示されていることになります。
割賦払い
割賦払いとは、商品を購入するときの支払いを月賦などの分割方式で支払う方法です。このとき購入者(ここではエステを利用する人)がエステサロン(販売者)に割賦払いする2者間(購入者と販売者)の契約を「割賦販売」と呼びます。
いっぽう購入者と販売者のあいだに、クレジット会社などが入る3者間の契約を「信用購入あっせん」といいます。
エステの場合、費用を3回に分割してエステサロンに払うと割賦販売になります。そしてクレジットカードでサロンには一括前払いして、そのあとはリボ払いにすると、こちらはクレジット会社を含めた3者間の契約で、つまり信用購入あっせんとなります。
同じ割賦払いでも
・自分のお金で分割払いするのが割賦販売
・クレジットカードなどで費用を全額支払ってから、分割返済していくのが信用購入あっせん
このように表現できます。
なおエステの場合、エステサロンがクレジットカードや信販会社、あるいは消費者金融などと提携して代金の信用購入あっせん方式を利用しています。支払いが遅れれば、ローンと同じくマイナス影響となりますので注意が必要です。
エステ費用は借りて払う人も多い
エステは、からだや顔のパーツごとにいくら、と単価(平均1万円前後)が決まっていて、いくつかの施術をまとめた「〇〇集中コース」といったパッケージで、割引価格になるのがよくある方式です。
エステに通うたびに、パーツごとの施術費用を払う(都度払い)よりも、トータルで割引になるパッケージはその反面で価格(前払い価格)も大きくなり数万円から数十万円、さらにはブライダルエステなどと組み合わせると100万円を超える場合もあります。
このようにまとまった出費となるので、エステ費用は借りて払う(クレジットも一時的とはいえ、借りているといえます)人が多いのも納得できます。
エステ費用に使える4つのローン
エステ費用でローンを借りるには、サロンで借りるのと、銀行で借りる場合があります。サロンの中には、エステ費用のローンを申し込みできるところもありますが、このときに気をつけなければいけないことがあります。
サロンで借りる
まず信用購入あっせんなのか?ローンなのか?これはしっかり確認してください。「ローン」と表現されていても、実は信用購入あっせんだった場合、手数料などの名目で想定外に高くなる場合もあります。
またローンだった場合も、借りる相手を確認することが重要です。あくまでサイト検索の結果ですが、エステサロン独自にローンを保有しているところはなく、ほとんどが提携業者でローンを組む形式です。この場合の提携業者は信販会社や中小の消費者金融会社などです。
「エステサロンでローンを組んだと思っていたのに、借りていたのは消費者金融だった」という場合もあります。もちろん消費者金融会社で借りることを否定はしませんが、ここはご自身でよく確認してください。
銀行で借りる
銀行にはエステ費用のローンもそろっています。
<エステ費用に使えるローン>
・ 目的限定ローンやフリーローン
・カードローン
目的限定ローンやフリーローン
「エステのローン」などというように、目的を限定して借りるので金利など優遇されているのが目的限定ローン(目的型ローンともいう)です。
また、エステにも使うことが可能なフリーローンもあります。こちらは目的限定ローンとカードローンの中間的な正確で、お金の使い道はカードローン同様に自由で、もちろんエステにも使えます。そのいっぽうで借りたあとは返済するだけで、カードローンのように繰り返し借入できないので、そのぶんカードローンよりは金利面で優遇されています。
金利は目的限定ローンで上限金利5%、フリーローンは上限11%前後になっています。
例えば福島銀行には、エステに特化した『ビューティーローン 美のかがやき』という目的限定ローンがあり、融資額は10~200万円(主婦・パートの方は30万円以下)、融資金利は年3%または5%となっています。またフリーローンでは、常陽銀行でエステに利用できるフリーローン『フリーローン~ビューティー編』を取り扱っています。こちらは適用金利が年3.975%~11.95%(2019年5月30日現在)、借入金額は1万〜500万円となっています。
カードローン
カードローンもエステ費用ではよく使われます。こちらの金利は上限13%前後です。
カードローンにも女性と美容に特化した西日本シティ銀行の『女性のためのカードローン キレイのトビラ』(金利は年11%~12.95%、限度額10万~300万円)といった商品もあります。
ローンを初めて借りるときは延滞に要注意
「エステ ローン」と検索すると、「エステローンが返せない」といった記事を見かけます。ローンが返済できずに困るのは、エステ費用が初めてのローン経験という人が多く、だからこそいろいろ知りたくて検索しているのだと銀行員の私は考えています。
そこでエステ費用がローン初体験の人や、ローンの初心者の人に銀行員として注意喚起をさせていただきます。それは「ローンが返せないとどうなるの?」ということです。
ローンが返済できないことの意味と重さ
ローンが返せないとき、その状態によりキズの深さや意味の重さが違ってくるのです。
・軽傷~個人信用情報に「延滞」が記録される
・重傷~個人信用情報に「異動」が登録される
・致命傷~「代位弁済」「債務整理」などのジ・エンド
個人信用情報とは、クレジットカードやローンを申し込んだとき、そして返済しているあいだに起こった事実を記録する「あなたのローン通信簿」ともいえるものです。ここに記録される内容により、これから新しいローン、例えばマイカーローンや住宅ローンの審査に重大な影響を与えます。
延滞が続くと致命傷!返済日は守ろう
毎月の返済日に数日遅れただけなら延滞と記録され、これもあとあとマイナス要素にはなりますが、まだキズとしては軽傷でしょう。しかし、延滞が何ヵ月も続くと「異動」という記録に変わり、こうなると重傷です。
そして「代位弁済」(返せなくなって、ローンを保証する保証会社が一括払いし、そのあとは保証会社に払っていくこと)や債務整理になれば、お金を借りても返せない事実が記録されることになります。こうなると致命傷で、新しいローンを組むことはまず不可能になってしまいます。
世の中にブラックリストというものはありません。しかし、個人信用情報にこうした記録が残ると、それはブラックリストと同じ意味になりますので、ここはぜひ致命傷にならないように気をつけてください。
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