ネット証券が全盛の中、SMBC日興証券など対面証券でつみたてNISA口座を開設するメリットはあるのだろうか?個人向けに、ネット取引も強化しているSMBC日興証券のつみたてNISA口座のメリットやデメリット、初心者におすすめの銘柄などを紹介していこう。

1.SMBC日興証券のつみたてNISAの基本情報

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(画像=SMBC日興証券公式ホームページより)

SMBC日興証券は三井住友フィナンシャルグループの証券会社であり、旧日興証券時代から100年の歴史がある。対面証券という印象が強いが、株式の信用取引手数料を無料化するなど、ネット取引での強みもあるのが特徴だ。

SMBC日興証券におけるつみたてNISAの基本情報は、以下のとおり。

SMBC日興証券 つみたてNISA基本情報
取扱商品数 147本
最低積立金額 1,000円
積立頻度 毎月
引落口座 ・SMBC日興証券の取引口座
・銀行の預貯金口座
サポート 土日も問い合わせができる
※SMBC日興証券ホームページより筆者作成

SMBC日興証券のつみたてNISA口座では、積立頻度は「毎月」しか選択できないが、取扱商品が多く、サポートが充実している。具体的にどんなメリットあるのか見ていこう。

2.SMBC日興証券のつみたてNISAの3つのメリットとは?

主なメリットは、以下の3つだ。

メリット1,対象商品147本の豊富な商品ラインナップ

SMBC日興証券におけるつみたてNISAの取扱商品数は147本と豊富だ。主な証券会社のつみたてNISA商品数は、以下のとおり(データはすべて2020年10月19日時点)。

証券会社 つみたてNISA商品数
SMBC日興証券 投資信託147本
SBI証券 投資信託164本
楽天証券 投資信託162本
野村證券 投資信託7本
大和証券 投資信託15本、ETF 7銘柄
※各社ホームページより筆者作成

金融庁がつみたてNISA対象商品として認めているのは、投資信託が177本、ETFが7銘柄。 SMBC日興証券のつみたてNISAでは、対象となっている投資信託の8割以上の147本に投資できる。

対象商品が多ければポートフォリオ(商品の組み合わせ)の自由度が高くなり、自分の投資スタイルに適したポートフォリオを組みやすくなる。

ただし初心者は対象商品が多いと、どれを選ぶべきか悩むかもしれない。そこで、147本から選んだ初心者におすすめの投資信託情報を後述する。

メリット2,引落口座はメガバンクから地方銀行まで対応

SMBC日興証券では、つみたてNISAの買付資金を証券口座または銀行の預貯金口座から引き落とすことができる。

ネット証券の多くは口座引落に対応しているが、対面証券は対応していないところがある。対面証券でも口座引落を利用できるのが、SMBC日興証券のメリットの一つだ。

引落口座はメガバンクやゆうちょ銀行、地方銀行など約70の金融機関に対応している。普段利用している銀行から毎月自動的に引き落とすように設定すれば、つみたてNISAの買付資金を移動する手間が省ける。

メリット3,充実したサポート体制 電話やチャットは土日も問い合わせに対応

電話とチャットによる問い合わせは、平日8:00~18:00に加えて土日9:00~17:00も利用できる(祝日・年末年始を除く)。平日は仕事などで忙しい人にとって、土日に問い合わせができるのはメリットといえるだろう。

スマートフォンサイト「日興スマートメニュー」を利用すれば、電話やチャット、メールに加えてLINEでも問い合わせができる。

3.SMBC日興証券のつみたてNISAで初心者におすすめの投資信託8選

SMBC日興証券のつみたてNISAの対象商品は、140本以上ある。その中からバランス型(4資産)、バランス型(8資産)、国内株式(日経平均株価)、国内株式(TOPIX)、米国株式、先進国株式、新興国株式、全世界株式の8つの資産ごとにおすすめの銘柄を紹介していこう。

つみたてNISAでの運用を考慮して、インデックス型で信託報酬が低い銘柄をピックアップした。資産や信託報酬などが同等の投資信託が複数ある場合は、投資信託の規模を表す純資産総額が多いほうを取り上げた(データは2020年9月30日時点)。

バランス型(4資産)のおすすめ銘柄,DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型)

DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型)は、主に国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の4つの資産に投資するファンドだ。株式と債券を合わせた国内と外国の投資比率は60%対35%で、残りの5%は短期金融資産である。

2003年に運用を開始した、比較的運用期間が長い投資信託だ。信託報酬はバランス型投資信託としては最低水準である。直近1年間の基準価額が4%程度上昇しているのに対して、純資産総額は20%以上増加しており、資金流入が多いことがわかる。信託報酬は0.154%(税込)。

バランス型(8資産)のおすすめ銘柄,eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、国内・先進国・新興国の株式と債券の6資産に加えて、国内・先進国リート(不動産投資信託)の計8資産に均等(12.5%ずつ)に投資するファンドだ。バランス型(4資産)よりも多くの資産に投資するため、分散投資によるリスク分散効果を期待できる。

信託報酬はDCニッセイワールドセレクトファンドと同じく、バランス型投資信託としては最低水準だ。純資産総額が直近1年間で80%以上増加している人気のファンドである。「たわらノーロード バランス(8資産均等型)」も同等の商品だ。信託報酬は0.154%(税込)。

国内株式(日経平均株価)のおすすめ銘柄,eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)

eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)は、日経平均株価に採用されている225社の株式に投資するファンドだ。日経平均株価は組み入れ上位10銘柄の構成比率が約3分の1を占めるため、一部の銘柄の値動きの影響を受けやすいという特徴がある。

信託報酬は、国内株式へ投資するファンドとしては最低水準である。純資産総額は直近1年間で約2倍になっており、それだけ買われている投資信託であることがわかる。信託報酬は0.154%(税込)。

国内株式(TOPIX)のおすすめ銘柄,<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド

ニッセイTOPIXインデックスファンドはTOPIX(東証株価指数)への連動をめざし、東証一部上場の全銘柄へ投資するファンドである。TOPIXは日経平均株価よりも構成銘柄が多く、より多くの国内企業への分散投資になる。

なお「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」も同等の投資信託である。

信託報酬はeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)と同じく国内株式のファンドとして最低水準である。純資産総額は直近1年間で50億円ほど増加しており継続的に買われている。信託報酬は0.154%(税込)だ。

米国株式のおすすめ銘柄.eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国を代表する約500社の株式に投資するファンド。S&P500指数は長期的に右肩上がりの株価指数であり、過去の長期投資実績は良好だ。

信託報酬は0.1%を下回っており、最低水準である。2018年7月に運用を開始した比較的新しいファンドながら、純資産総額は1,500億円を超え、直近1年間では純資産総額が5倍になっている。多くの証券会社で販売金額ランキングの上位に入る人気ファンドである。信託報酬は0.0968%(税込)以内。

「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」も同等の投資信託である。

先進国株式のおすすめ銘柄,<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

ニッセイ外国株式インデックスファンドは、日本を除く先進国の株式に投資するファンドだ。国別組入比率はアメリカが7割を超え、イギリス、フランス、スイス、カナダなどの多くの先進国が含まれる。米国株式のインデックスファンドに比べると、様々な先進国株式への分散投資によってリスク分散効果を期待できる。

信託報酬は0.1%程度と最低水準。純資産総額は直近の1年間で40%以上増加しており、継続的に買われている。信託報酬は0.1023%(税込)。

なお「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」も同等の投資信託である。

新興国株式のおすすめ銘柄,SBI・新興国株式インデックス・ファンド

SBI・新興国株式インデックス・ファンドは、中国、台湾、インド、ブラジル、南アフリカなどの新興国の株式に投資するファンドだ。

先進国株式のファンドと新興国株式のファンドを組み合わせたポートフォリオにすれば、米国や先進国の株式のみのポートフォリオよりもリスク分散を図れる。

信託報酬は、新興国株式のファンドとしては最低水準だ。純資産総額は直近1年前から2倍以上に増加しており、安定した人気がある。信託報酬は0.176%(税込)程度。

全世界株式……eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、日本を含む先進国と新興国の株式に投資するファンドだ。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019」で1位を獲得している。

初めて投資信託を買い付ける人や、どの国の株式の投資信託を選べばよいかわからない人は、全世界の株式に投資できるこの商品を検討してもよいだろう。

なお、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」も同等の投資信託である。

信託報酬は0.1%程度と最低水準である。純資産総額が直近1年間で6倍以上に増加している人気ファンドだ。目論見書上の信託報酬は0.1144%(税込)以内。

4.SMBC日興証券でつみたてNISAを利用する場合の3つの注意点

SMBC日興証券でつみたてNISAを利用するなら、注意点も把握しておきたい。注意点は3つある。

注意点1,つみたてNISA口座は日興イージートレード専用

つみたてNISAは、SMBC日興証券のオンライントレード「日興イージートレード」専用のサービスである。よって、店舗や電話で積立設定を変更することはできない。

SMBC日興証券の証券口座を保有していても、日興イージートレードを申し込んでいなければ、つみたてNISAの申込に加えて日興イージートレードの申込が必要だ。すでにSMBC日興証券の証券口座を持っている人にとっては、やや手間に感じるかもしれない。

注意点2,積立金額は1,000円単位で設定するため上限額が若干少なくなる

SMBC日興証券のつみたてNISAの最低積立金額1,000円で、1,000円単位で設定する。そのため1,000円未満の金額を設定できず、月の買付金額の上限は3万3,000円になる。

また、SMBC日興証券のつみたてNISAではボーナス月(増額月)の買付を利用できないため、年間の買付上限額は39万6,000円(3万3,000円×12ヵ月)となってしまう。

多くのネット証券は最低積立金額が100円で、1円単位で設定できるため、月の買付金額を3万3,333円にすれば年間39万9,996円まで買付ができる。ボーナス月(増額月)を利用すれば、40万円ちょうどまで買い付けることもできる。

SMBC日興証券でのつみたてNISAは、他の証券会社に比べて年間の買付上限金額が4,000円ほど少なくなることを覚えておこう。

注意点3,分配金再投資は課税口座で管理されるため分配金が支払われない商品を選ぶ

つみたてNISAの分配金を再投資する場合は、分配金はNISA口座ではなく課税口座(特定口座・一般口座)で再投資される。

分配金が課税口座で再投資されると、それによって得た利益が課税されることになり、つみたてNISAの非課税メリットが弱まる。

投信つみたてプランでの分配金の標準設定は「分配金を再投資」であり、設定を変更しなければ分配金は課税口座で再投資される。

課税口座での分配金再投資を希望しない場合、分配金支払方法を変更して分配金を受け取ることになるが、そうすると分配金が再投資されないため複利効果が弱まる。

SMBC日興証券のつみたてNISAで非課税メリットと複利効果を最大限に活かすために、分配金が支払われない投資信託を選びたい。

分配金が支払われない可能性が高い投資信託は、過去の分配金の支払い実績が0円の銘柄である。

5.SMBC日興証券のつみたてNISAはどんな人におすすめ?

SMBC日興証券のつみたてNISAは商品が多く、自分に合うポートフォリオを組めるため、初心者からベテラン投資家までおすすめできる。

対面証券であっても銀行口座からの自動引落に対応しており、対応する金融機関はメガバンクから地方銀行までと多い。対応する銀行を普段利用している人なら、つみたてNISAの買付資金を入金する手間が省ける。

平日は忙しく、つみたてNISAの問い合わせがなかなかできない人も、土日でも問い合わせができるのは助かるだろう。

執筆・松本雄一(セキュリティ・金融アドバイザー)
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。

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