暗号資産(仮想通貨)のビットコインが200万円台を奪回してきた。ビットコインの過去最高値は、ちょうど3年前の230万円台。過去に多くの“億り人”を輩出してきた暗号資産だが、再びビットコインバブルが来るのだろうか。3年前と比較して、現在の暗号資産を取り巻く環境はどのように変化しているのだろうか。(ZUUonline-magazine編集長 三枝裕介)

2枚のピザが230億円に化けたビットコインの爆発力

先日、某証券会社の依頼で暗号資産に関する小冊子の制作に携わった。私自身、数年前にビットコインに投資し、わずか数週間で預入資産の50%を失ってマーケットから退場させられた苦い経験がある。その後、しばらくビットコイン相場をウォッチしていなかったが、ここへきて再び価格が上昇し、マーケット関係者たちの鼻息が荒くなっている。

そもそもビットコインは、2008年10月にサトシ・ナカモトと名乗る人物が論文を発表し、リリースされたもの。日本人の名前のようだが、これまで公の場に姿を現したことは一度もなく、本名なのかもわからないままだ。ビットコインを使った初めての決済は、ちょうど10年前の2010年。1万ビットコイン(BTC)とLサイズのピザ2枚との交換だったと言われている。

これが7年後の2017年には、1BTC=230万円をつけることになるわけで、2枚のピザがなんと230億円に大化けした計算になる。ちなみに、2017年の1月に1BTC=約15万円の価格をつけたビットコインは、同年12月には230万円台まで駆け上がった。

FX(外国為替証拠金取引)のときもそうだったが、新しい金融商品のスタート当初は、「なにか怪しげで危険」というイメージがつきまとう。実際、大手マスコミの中には、暗号資産に関する広告の取り扱いをNGとしている会社も少なくない。

しかし、そのリスクを覚悟で資金を投じた投資家が大きな果実を手にしてきたのも事実だ。2009年10月に1BTC=0.09円だったビットコインが現在200万円の水準にあるわけだが、ここからさらなる上昇を期待できるのだろうか。

ビットコインへの投資を本格化する米国の大手企業

「ビットコインはちょうど3年前の2017年12月に史上最高値をつけたのですが、足元では当時の価格に接近しています。過去最高値を1BTC=230万円とすると、現在は200万円台の攻防となっており、まだ最高値の奪回には15%程度の上昇が必要です。一方、米ドルベースのビットコイン価格はすでにこの11月末に史上最高値を更新しているのです」

とは、ビットコインで“億り人”の仲間入りをした個人投資家。