成功する社長とは「社長になる準備ができている人」
世の中には「地位は人をつくる」という言葉がありますが、私は疑問を抱いています。然るべき立場に身を置いているうちに、誰でもその地位にふさわしい人間になるのであれば、世の中にはもっと立派な社長があふれているはずです。しかし、そうはなっていません。つまり、地位は人をつくったりしないのです。
私の持論ですが、「チャンスを活かすのは準備だ」 と常々思っています。チャンスを活かすためには、準備ができていないといけない。したがって、社長の地位に就いて、良い社長として評価を得られるようになるには、経営者として必要なマインドを身につけ、準備を整えていなければいけない。
その準備ができている人だけが、立場を得たときに本領を発揮できる。私はそう考えています。
もともと準備のできていない人は、地位を得ても良い働きはできません。成し遂げたいものをはっきり自覚でき、自身の考え方を向上させ、そこに向かって正しい努力のできる人が、チャンスをものにすることができるのです。
「企業は社会の公器である」。これは松下幸之助さんの考え方です。「会社とは社会に役立つことをするためにあるのだ」という使命感を持つこと。これはどんな会社であろうと共通のミッションです。
「自分たちの仕事を通じて社会に貢献する」「お客さまも社員も幸せにする」─本気でこう思っている人でなければ、社長として本当の成功はないと私は思います。
小宮一慶(経営コンサルタント)
(『THE21オンライン』2020年10月26日 公開)
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