投資信託は少額からさまざまな資産に分散投資できたり、運用をプロに任せられたりする便利な金融商品だ。その一方で、投資信託の運用コストである「信託報酬」は投資家の負担になり、運用成果にも影響する。信託報酬とはどのようなもので、運用成果にどう影響するのかみていこう。

1.信託報酬は投資信託の保有期間中にかかり続けるコストのこと

投資信託,信託報酬
(画像=small smiles/stock.adobe.com)

信託報酬とは、投資信託を管理・運営にかかる費用を投資家が負担するものである。投資信託を持っている間はずっとかかり続ける「保有コスト」にあたる。

信託報酬は、「純資産総額の○%」という形で計算され、信託財産(投資信託が保有する資産)から日割りで差し引かれる。差し引かれた信託報酬は、証券会社や銀行などの販売会社、運用を指示する運用会社、実際に信託財産の管理と運用を行う信託銀行にそれぞれ分配される。

信託報酬は別途支払いが必要になる費用ではないため気付きにくいが、長期にわたってかかり続けることから、その負担は無視できない。

投資信託の信託報酬は利益が出ていなくてもかかる

投資信託の信託報酬は、運用成果にかかわらず、投資信託の純資産額に対して定率でかかる費用だ。運用がうまくいかず資産が減れば信託報酬も減るが、ゼロにはならない。そのため、信託報酬率を下回る利益しか出ていない状態が続けば、資産は目減りしていくことになる。

信託報酬は商品によって異なる

信託報酬は商品ごとに定められており、年0.5%~2.0%程度が相場だ。一般的にはインデックスファンドよりもアクティブファンドのほうが高い傾向にある。インデックスファンドとは日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、S&P500など特定の指数に連動した運用成果を目指すファンドのことで、アクティブファンドは運用担当者が投資先や割合を決定するファンドのことだ。

信託報酬率は、インデックスファンドなのかアクティブファンドなのか、どのような資産を投資対象とし、どのような方法で運用を行うのかによっても異なる。そのため、信託報酬率を比較するのであれば、同じような種類の投資信託と比較しなければ意味がない。

2.投資信託の信託報酬の差はどのくらい運用成果に影響するのか?利回り4%でシミュレーション

投資信託の信託報酬の差が運用成果にどのくらい影響するのだろうか。実際にシミュレーションで確認してみよう。今回のシミュレーションでは、投資信託の運用利回りを年4%の複利で計算し、税金等は考慮していない。なお、あくまでシミュレーションであり、将来の運用成果等を示唆・保証するものではない。

投資信託で月額2万円の積立投資を行う場合

月額2万円の積立投資を行う場合の運用成果は、信託報酬率の違いによって次のように変わる。

運用期間 10年 15年 20年 25年
掛金総額 240万円 360万円 480万円 600万円
運用資産額
(信託報酬控除前)
288万円 480万円 714万円 999万円
信託報酬率 運用資産額(信託報酬控除後)
0.2% 285万円 473万円 700万円 973万円
0.5% 281万円 463万円 678万円 934万円
1.0% 275万円 446万円 644万円 925万円
1.5% 268万円 430万円 613万円 819万円
2.0% 262万円 415万円 583万円 768万円
※楽天投信投資顧問・運用シミュレーターを用いて筆者試算

信託報酬率0.2%の投資信託と信託報酬率2.0%の投資信託の運用資産額を比較すると、10年後に約23万円の差、20年後には約117万円の差がある。運用期間が長くなるほど、信託報酬の差が運用成果に与える影響は大きくなっていくことがわかる。

投資信託で月額5万円の積立投資を行う場合

月額5万円の積立投資を行う場合の運用成果は、信託報酬率の違いによって次のように変わる。

運用期間 10年 15年 20年 25年
掛金総額 600万円 900万円 1,200万円 1,500万円
運用資産額
(信託報酬控除前)
720万円 1,201万円 1,786万円 2,658万円
信託報酬率 運用資産額(信託報酬控除後)
0.2% 713万円 1,183万円 1,750万円 2,584万円
0.5% 703万円 1,157万円 1,696万円 2,337万円
1.0% 687万円 1,115万円 1,612万円 2,187万円
1.5% 672万円 1,075万円 1,532万円 2,049万円
2.0% 657万円 1,037万円 1,457万円 1,921万円
※楽天投信投資顧問・運用シミュレーターを用いて筆者試算

信託報酬率0.2%の投資信託と信託報酬率2.0%の投資信託の運用資産額を比較すると、10年後に約56万円の差、20年後には約293万円の差がつく。信託報酬は運用資産に対して定率でかかるため、積立額が大きくなれば、信託報酬額も比例して大きくなる。

300万円を投資信託に一括投資した場合

300万円を最初に一括投資した場合の運用成果は、信託報酬率の違いによって次のように変わる。

運用期間 10年 15年 20年 25年
掛金総額 300万円
運用資産額
(信託報酬控除前)
444万円 540万円 657万円 799万円
信託報酬率 運用資産額(信託報酬控除後)
0.2% 435万円 525万円 632万円 762万円
0.5% 423万円 502万円 597万円 708万円
1.0% 403万円 467万円 541万円 628万円
1.5% 384万円 437万円 491万円 556万円
2.0% 365万円 403万円 445万円 492万円
※楽天投信投資顧問・運用シミュレーターを用いて筆者試算

信託報酬率0.2%の投資信託と信託報酬率2.0%の投資信託の運用資産額を比較すると、10年後に約70万円の差、20年後には約187万円の差がつく。

3.投資対象資産(アセットクラス)別の信託報酬の低い投資信託ランキング

信託報酬が運用成果に与える影響は無視できないため、信託報酬の低さは投資する商品を選ぶポイントになる。ここでは投資対象資産(アセットクラス)別にインデックスファンドとアクティブファンドに分け、信託報酬の低い投資信託をランキングで紹介しよう(ETFを除く)。

信託報酬のほか、運用実績・運用効率をみる指標として、次の2つの指標を併記する。

・トータルリターン……分配金を全額再投資したとして計算される一定期間の収益
・シャープレシオ……リスク調整後のリターンを測る指標で、数値が高いほど取ったリスクに対して効率よく収益が得られたことを示す。

信託報酬の低い国内株式型投資信託ランキング

国内株式を主な投資対象とする投資信託のうち、信託報酬が低い商品上位は次の通りだ。

<インデックスファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
iFree日経225インデックス 0.15% 2.19% 3.41% 0.11 0.20
eMAXIS Slim国内株式(日経平均) 0.15% 2.07% - 0.11 -
ニッセイ 日経平均インデックスファンド 0.15% 2.06% 3.37% 0.11 0.20
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) 0.15% -3.06% -1.49% -0.17 -0.09
ダイワ つみたてインデックス日本株式 0.15% -3.08% - -0.17 -
iFree TOPIXインデックス 0.15% -3.08% -1.53% -0.17 -0.10
ニッセイ TOPIXインデックスファンド 0.15% -3.16% -1,53% -0.17 -0.10
Smart-I TOPIXインデックス 0.15% -3.16% -1.59% -0.17 -0.10
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

国内の株式を主な投資対象とするインデックスファンドの信託報酬率の平均は0.15%であり、信託報酬率が0.1%台の商品も多い。対象とする指数が同じであれば運用成果に差はないため、信託報酬率の違いが運用成果の差になる。

<アクティブファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
ひとくふう日本株式ファンド 0.28% 0.09% 0.25% 0.01 0.02
ノーロード 明治安田日本株式アクティブ 0.30% 13.32% -0.02% 0.78 0.00
日経平均高配当利回り株ファンド 0.69% -21.49% - -0.94 -
日本郵政株式/グループ株式ファンド 0.70% -21.49% -13.91% -1.23 -0.84
ダイワ JPX日経400ファンド(米ドル投資型) 0.72% -6.08% -2.49% -0.31 -0.14
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

国内株式を主な投資対象とするアクティブファンドの信託報酬率の平均は、大型株対象のファンドで1.52%、小型株対象のファンドで1.67%である。

アクティブファンドは商品による運用成果のばらつきが大きく、商品の選択では信託報酬の低さよりも、信託報酬に見合った運用成果が期待できるかのほうがより重要だ。これはすべてのアクティブファンドに共通していえる。

信託報酬の低い国内債券型投資信託ランキング

国内債券を主な投資対象とする投資信託のうち、信託報酬が低い商品上位は次の通りだ。

<インデックスファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
ダイワ つみたてインデックス 0.13% -1.63% - -0.75 -
eMAXIS Slim国内債券インデックス 0.13% -1.67% 0.50% -0.77 0.26
iFree日本債券インデックス 0.13% -1.63% 0.48% -0.75 0.25
ニッセイ 国内債券インデックスファンド 0.13% -1.77% 0.45% -0.80 0.23
Smart-i 国内債券インデックス 0.13% -1.71% 0.45% -0.79 0.24
たわらノーロード国内債券 0.15% -1.68% 0.49% -0.79 0.26
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

国内債券を主な投資対象とするインデックスファンドの信託報酬率の平均は0.37%であり、上位には0.1%台の商品も多い。

<アクティブファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
年金積立日本短期債券オープン 0.11 -0.38% -0.22% -1.07 -0.82
三菱UFJ 日本国債ファンド 0.13 -1.50% 0.57% -0.62 0.29
2023年満期日本公社債ファンド 0.14 -0.41% -0.13% -0.96 -0.36
ニッセイ 日本インカムオープン 0.16 -0.35% 0.10% -0.29 0.12
ニッセイ 日本債券ファンド 0.16 -0.35% 0.10% -0.29 0.12
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

国内債券を主な投資対象とするアクティブファンドの信託報酬率の平均は0.39%であり、インデックスファンドと比べてもあまり差はない。

国内債券を投資対象とする投資信託は、信託報酬率は低いが期待リターンも低いため、相対的なコスト負担が大きくなりやすい。安定した運用先として利用されることが多いが、運用コストにより資産が目減りしてしまうリスクに注意したい。

信託報酬の低い国内REITランキング

国内リート(REIT)を主な投資対象とする投資信託のうち、信託報酬が低い商品上位は次の通りだ。

<インデックスファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
eMAXIS Slim国内リートインデックス 0.19% -24.48% - -0.94 -
Smart-i Jリートインデックス 0.19% -24.41% 3.87% -0.95 0.23
NZAM・ベータ日本リート 0.26% - - - -
たわらノーロード国内リート 0.28% -24.63% 3.76% -0.95 0.22
三井住友・DC日本リートインデックスファンド 0.28% -24.10% 3.90% -0.94 0.23
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

国内リートを主な投資対象とするインデックスファンドの信託報酬率の平均は0.51%であり、0.3%を下回れば信託報酬率が低い部類に入る。

<アクティブファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
ノーロード 明治安田J―REITアクティブ 0.30% -22.34% 5.27% -0.92 0.33
三井住友TAM Jリートアクティブファンド 0.77% -23.40% 4.23% -0.99 0.27
三井住友TAM Jリートファンド 0.83% -23.26% 4.25% -0.99 0.27
ダイワ 日本リートファンド 0.87% -24.78% 3.35% -0.96 0.20
SBI 国内REIT ダブル・ベア 0.90% - - - -
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

国内リートを主な投資対象とするアクティブファンドの信託報酬率の平均は1.11%であり、1%を下回れば信託報酬率が低い部類に入る。

信託報酬の低い海外株式型投資信託ランキング

海外株式を主な投資対象とする投資信託のうち、信託報酬が低い商品上位は次の通りだ。

<インデックスファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
野村 スリーゼロ先進国株式投信 0.00% - - - -
SBI・バンガード・S&P500インデックスファンド 0.09% 5.70% - 0.25 -
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.10% 5.92% - 0.26 -
eMAXIS Slim先進国株式インデックス 0.10% 1.51% 4.19% 0.06 0.23
ニッセイ 外国株式インデックスファンド 0.10% 1.54% 4.15% 0.07 0.22
SBI・先進国株式インデックス・ファンド 0.10% -0.10% - 0.00 -
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

海外株式を主な投資対象とするインデックスファンドの信託報酬率の平均は、先進国株式に投資するファンドでは0.57%、新興国株式に投資するファンドでは0.67%だ。後者のほうが信託報酬はやや高い傾向がある。

先進国株式カテゴリーの競争は特に激しく、信託報酬率が0.1%台の商品も多い。「スリーゼロ先進国株式投信」は当初10年間の信託報酬が0%である。野村證券のつみたてNISA専用商品としての販売ではあるが、低コスト競争もここまできたかという感じだ。

信託報酬率0.09%の「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」がそれに続く。

<アクティブファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
EXE-i 先進国株式ファンド 0.31% -0.85% 2.37% -0.04 0.13
EXE-i グローバル中小型株株式ファンド 0.33% -3.48% -1.17% -0.12 -0.05
ひとくふう先進国株式ファンド 0.33% -8.23% -2.20% -0.37 -0.13
農中<パートナーズ>おおぶねG(長期厳選) 0.33% - - - -
EXE-i 新興国株株式ファンド 0.36% 1.49% -0.63% 0.06 -0.03
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

海外株式を主な投資対象とするアクティブファンドの信託報酬率の平均は、先進国株式に投資するファンドで1.77%、新興国株式に投資するファンドで1.87%になっている。

上記のように一部商品を除き、ほとんどの商品の信託報酬率は1%を超え、2%を超える商品も珍しくない。全体として信託報酬率は高く、1%を下回れば低い部類に入る。

信託報酬の低い海外債券型投資信託ランキング

海外債券を主な投資対象とする投資信託のうち、信託報酬が低い商品上位は次の通りだ。

<インデックスファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
ニッセイ 外国債券インデックスファンド 0.15% 3.40% 1.81% 0.91 0.42
eMAXIS Slim 先進国債券インデックス 0.15% 3.50% 1.88% 0.94 0.44
ダイワ つみたてインデックス外国債券 0.15% 3.46% - 0.92 -
たわらノーロード先進国債券 0.19% 3.38% 1.83% 0.91 0.43
Smart-i 先進国債券インデックス(ヘッジ有) 0.19% 4.10% 3.08% 1.34 0.89
Smart-i 先進国債券インデックス(ヘッジ無) 0.19% 3.31% 1.74% 0.89 0.41
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

海外債券を主な投資対象とするインデックスファンドの信託報酬率の平均は、先進国債券に投資するファンドで0.65%、新興国債券に投資するファンドで0.60%になっている。いずれも信託報酬率が0.3%台を下回れば安い部類に入る。

<アクティブファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
ジパング企業債ファンド 0.25 2.19% -   -
ひとくふう世界国債ファンド(ヘッジ有) 0.28 0.07% 2.59% 0.02 0.79
円サポート 0.31 2.22% 2.24% 0.75 0.73
グローバル担保付き債券ファンド(ヘッジ有) 0.32 0.91% - 0.42 -
ダイワ 米国国債ファンド-ラダー10-(ヘッジ有) 0.35 4.39% 1.51% 1.23 0.48
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

海外債券を主な投資対象とするアクティブファンドの信託報酬率の平均は、先進国債券に投資するファンドで1.38%、新興国債券に投資するファンドで1.66%だ。多くの商品は信託報酬率が1%を超え、全体として信託報酬率は高い。

先進国債券に投資するファンドでは0.5%、新興国債券に投資するファンドでは1%を下回れば信託報酬が安い部類に入る。

信託報酬の低い海外REITランキング

海外リートを主な投資対象とする投資信託のうち、信託報酬が低い商品上位は次の通りだ。

<インデックスファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
eMAXIS Slim 先進国リートインデックス 0.22% -24.86% - -0.90 -
Smart-i 先進国リートインデックス 0.22% -25.40% -4.69% -0.91 -0.24
三井住友・DC外国リートインデックスファンド 0.30% -25.13% -4.54% -0.91 -0.23
たわらノーロード先進国リート 0.30% -25.29% -4.51% -0.91 -0.23
ニッセイ Gリートインデックスファンド 0.30% -25.22% -4.74% -0.90 -0.24
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

海外リートを主な投資対象とするインデックスファンドの信託報酬率の平均は0.57%であり、0.2~0.3%台であれば信託報酬率が低い部類に入る。

<アクティブファンド>

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
ひとくふう先進国リートファンド 0.33% -18.13% -0.34% -0.76 -0.02
EXE-i グローバルREITファンド 0.34% -25.98% -5.59% -1.04 -0.31
住友DS 三井米国優先リートファンド(ヘッジ有) 0.99% -9.83% -3.79% -0.39 -0.24
三井住友DS 米国優先リートファンド(ヘッジ無) 0.99% -13.62% -4.41% -0.52 -0.26
三菱UFJ 欧豪リートファンド 0.99% -30.45% -9.71% -0.73 -0.36
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

海外リートを主な投資対象とするアクティブファンドの信託報酬率の平均は1.68%と高く、1%台前半でも信託報酬率が低い部類に入る。

信託報酬の低いコモディティランキング

金や原油、農産物などのコモディティ(商品)を主な投資対象とする投資信託のうち、信託報酬が低い商品上位は次の通りだ。

ファンド名 信託報酬率
(税込)
トータルリターン
(年率)
シャープレシオ
1年 3年 1年 3年
SMT ゴールドインデックス・オープン ヘッジ無 0.28% 18.59% - 1.66 -
ヘッジ有 21.84% - 1.62 -
日興 ゴールド・ファンド ヘッジ無 0.41% 18.91% 9.68% 1.66 1.01
ヘッジ有 22.08% 9.86% 1.62 0.85
iシェアーズ・ゴールド
インデックス・ファンド
ヘッジ無 0.51% 18.86% 9.77% 1.68 1.04
ヘッジ有 21.61% - 1.60 -
ピクテ・ゴールド ヘッジ無 0.88% 17.99% - 1.41 -
ヘッジ有 22.27% 9.93% 1.64 0.83
ステートストリート・ゴールドF(ヘッジ有) 0.89% 21.33% 9.49% 1.59 0.83
eMAXIS プラスコモディティインデックス 0.90% -14.45% -8.31% -0.65 -0.56
※出所:モーニングスター(2020年12月1日現在)小数点第3位以下を四捨五入して表示

金(ゴールド)を投資対象とする商品は複数あるが、商品内容自体にはあまり差がない。運用コストの差が運用成果に現れやすいといえ、信託報酬は商品を選ぶときの重要なポイントになる。

4.信託報酬を抑えるにはETF(上場投資信託)という選択肢もある

信託報酬を抑えるには、ETF(上場投資信託)も有力な選択肢だ。ETFは株式市場に上場し株式と同様に売買できる投資信託(インデックスファンド)であり、信託報酬は一般的な投資信託に比べて低い。

株式と同様の売買手数料がかかり、分配金の再投資や自動積立投資が不可能といったデメリットもあるが、インデックス投資を行うのであれば、ETFも選択肢に含めておきたい。

執筆・竹国弘城(ファイナンシャルプランナー)
証券会社、保険代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、お金に関するコンサルティング業務や執筆業務などを行う。RAPPORT Consulting Office 代表。1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®︎

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