ダイムラーがメルセデスの高級EVセダン「EQS」のプロトタイプを披露。市販モデルは2021年前半に独ジンデルフィンゲン工場にて生産開始
独ダイムラーは2020年12月14日(現地時間)、メルセデス・ベンツの新しい高級EVセダン「EQS」のカモフラージュしたプロトタイプを公開し、さらに同年12月18日(現地時間)には同車の加工画像と技術的な特徴を披露した。
EQSはメルセデス・ベンツ・ブランドの新世代電気自動車シリーズである「EQ(Electric Intelligence:エレクトリック・インテリジェンスの意味)」のフラッグシップセダンに位置し、2019年開催のフランクフルト・ショーでデビューした「ヴィジョンEQS」の市販バージョン、そして既存のSクラスのEVモデルに該当する。
基本骨格には新開発の電動車向けアーキテクチャーである「EVA」を採用。このEVAはモジュラー設計で構成し、ホイールベースやトレッド、システムコンポーネント、バッテリー容量および配置を変更することによって、小型・中型・大型セダンからSUVまで、幅広いクラスのEVに対応する。EQSにはロングホイールベースとワイドトレッドに、高出力モーターや大容量リチウムイオンバッテリーなどを搭載。1充電での航続距離はWLTPモードで最大700kmに達するという。
機能面では、EVに即した最新のMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)を採用し、完全な無線更新などを利用可能としたことがトピック。また、Mercedes me Charge(メルセデス・ミー・チャージ)を介して、提携充電ネットワークに容易かつ迅速にアクセスできるよう設定した。
一方でEQSは、キャビンルーム内のエアコンディショニングを徹底追求。EV化によって余裕ができたフロントセクションに新開発のHEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルターを組み込み、室内に取り入れる空気のなかのPM2.5レベルの細かいほこりや窒素酸化物、そして不快な臭いなどを濾過し、病院の手術室と同レベルの空気品質を実現した。
なお、EVAの新アーキテクチャーを使ったモデルとしては、EQSに続いてミッドサイズセダンのEQEやSUVバージョンのEQSおよびEQEを市場に送り出す予定である。
(提供:CAR and DRIVER)