【厳選】オーナーズ倶楽部編集部 おすすめ書籍を紹介
不動産オーナー、そして将来オーナーになる方にとって、日々の賃貸経営について、そして次の不動産投資については、いつも情報を求め、学びを深めていることでしょう。そこで、オーナーズ編集部では、多くの書籍の中から、良質な1冊を厳選し、その抜粋を紹介してまいります。
著者 広瀬智也
収入、資産、職業などによって受けやすさあるものの……
ここまでは銀行によって、また物件によって融資に差があることを説明してきました。では、人によってはどうでしょうか? 融資を受けやすい人、受けにくい人というのはもちろんあります。また、個人か法人かによっても、融資の条件は変わってきます。
融資を受けやすい人というのは、これもごく常識的なことですが、安定した収入がある人、資産を持っている人……といったあたりでしょうか。小規模の自営業者よりは大企業のサラリーマン、公務員といった人のほうが借り入れしやすいですね。
融資を受けにくい人は、その逆を考えればいいでしょう。安定した収入がない、担保になるような資産がない、どんな仕事をしているかわからない、借金がある……などなど。そういった人が融資を受けるには、まずは生活そのものから見直しをする必要があるでしょう。
また、個人と法人では銀行の融資条件は異なってきます。例えば融資期間の面で、個人であれば30年ローンも珍しくないですが、法人の場合は30年といった長期のローンは通りにくく、15年や20年とより短い傾向にあります。ただ、法人の場合は、代表者個人を連帯保証人とするだけで済むケースが多いので、連帯保証人がいない人や、第三者にもしもの場合に迷惑をかけたくない人は法人化するメリットがあります。
また、個人の資産管理会社のように、個人と同一視できる法人の場合には、個人と同じような条件で融資を受けられることもあります。法人で買うか個人で買うか迷っている人は、融資の条件について銀行員に相談しながら進めるといいでしょう。
銀行員も本音で話す人は応援したくなる!
融資を申し込む場合には、きちんと自身の状況を整理して、資料をそろえておくことが大事です。今まで空室はこれだけで、家賃収入がどれだけあって、どれだけの利益が上がっているか、また、今借り入れがどれだけあるか……そういった資料をしっかりまとめておくこと。私は銀行に行くときには、それらをすべて一式持参するようにしています。 言われた資料を素早く出せること、それが相手にも好印象を与えますから。
相手も人間ですから、 「この人は何か隠しているのでは?」と思われると警戒されてしまいます。すべてオープンに説明する人と、そうでない人では、やはり信用度が違ってきます。そのためにも、きっちり資料を作って、言われたことには素早く、明確な回答をするべきなのです。
▽融資が受けやすい人、融資を受けにくい人
融資審査 | 通りやすい人 | 通りにくい人 |
---|---|---|
収入 | 安定した収入がある | 安定した収入がない |
自己資金 | 自己資金がある | 自己資金がない ほかに借金がある |
仕事 | 会社員、会社経営者、公務員 | どんな仕事をしているのかわからない |
事業計画 | 不動産経営の計画が示せる | ビジョンがない |
紹介者 | 紹介者がいる | 紹介者がいない |
実際に銀行員が言っていたことですが、 「本音で話す人は応援したくなる」そうなんです。そういった信頼関係ができれば、担当者もがんばって稟議を通そうと、社内で動いてくれるはずです。担当者が自分のためにがんばってくれるかどうか、それは融資の可否にかなり重要な要素になりますからね。
最後に、紹介者が大事ということも知っておきましょう。信用がある人の紹介だと稟議を通しやすいのです。つまり、それだけ融資が受けやすくなるということですね。
融資審査には収入や職業といった要素やそのときの経済動向も影響しますが、結局のところ最後はやはり交渉力が問われるのではないでしょうか。私自身、不動産経営を始めた当初は、独立したばかりだったので厳しく見られていたはずで、そこをいかに説明して補うかが勝負だと思っていました。
ですから実績や資料をしっかりそろえた上で、あまり構えずに、どんどん本音でぶつかってみればいいと思います。
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(提供:オーナーズ倶楽部)
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