米CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が米国時間8日よりイーサリアムの先物取引を開始した。初日の取引規模は額面で約3000万ドル(約34億円)を記録した。CMEにおける暗号資産(仮想通貨)先物の上場は2017年のビットコイン以来になる。

CMEのマネージング・ディレクター兼株式商品担当者Tim McCour氏によると、初日のイーサリアムの先物商品は388件の契約が取引された。CMEのイーサリアム先物は1契約が50ETHからとなっている。そのため初日の388の先物契約は合計で1万9,400ETH以上が取引されたことになる。

イーサリアム
(画像=月刊暗号資産)

388件の内訳としては、2月満了が303件、3月満了が85件、4月満了が1件であった。

初日の取引を受け、McCour氏は「イーサリアム先物の商品に対する反応は圧倒的でした」と驚きを隠さなかった。

CMEでイーサリアム先物を提供するに先立ち、2019年から取引されているビットコイン先物では昨年12月に建玉が15億ドル(約1,577億円)近くに達した。

ビットコイン先物取引の初日契約数が約1,000件であったという。CMEはビットコインとイーサリアムの2つの時価総額と他の指標を調整比較して、今回のイーサリアム先物取引の初日契約数は順調な滑り出しだったと分析しているようだ。

暗号資産イーサリアムが3日の取引で1500ドル(約15万6,000円)を記録し、過去最高値を更新した。イーサリアム価格はさらに続伸し、記事執筆時点で1800ドル(18万8,000円)を記録した。また、年初来では約120%高騰しており、ビットコインの約30%を大幅に上回っている。

米国金融機関JPモルガンセキュリティーズの幹部は、米メディア・ロイターのインタビューに応じ、CMEがビットコインに次ぐ暗号資産であるイーサリアムの先物取引を開始したことについて、「既存のイーサリアムへのエクスポージャーへのヘッジとなるだけでなく、ビットコインの分散投資先となる」とし、「CMEのような当局から規制を受けた取引所に上場されたイーサリアム先物は、暗号通貨市場の基盤拡充につながる」との見通しを示した。

その上で、「今回のイーサリアム先物上場が成功裏に終われば、2020年にCMEが開始したビットコインオプション取引と同様、早ければ2022年にイーサリアムオプション取引が開始される公算が大きい」とした。(提供:月刊暗号資産